髪技理容師を探せ　Vol. -BarBer mes-amis 岡田 洋平

お一人で営まれているというBarBer mes-amisの岡田氏は年間70冊ほど読書をされるという愛読家。またランニングにも励まれており、年間1200kmは走るというので驚きだ。そんな双子のパパでもあるストイック髪技理容師、岡田氏にスポットを当ててみた。

Profile

Okada Yohei　 (岡田 洋平)

BarBer mes-amis

理容師歴：27年
出身校：東京理容専修学校・アポロ理容美容専門学校
出身地：府中市
得意技術：アイロンパーマ・シェービング・ヘッドスパ
得意スタイル：フェードで作るスタイル・ビジネススタイル
こだわり：お客様に触れるときのクロス掛けからコームのあたり加減、指圧など細かな点を気をつけていたり、しっかりした技術を負担のない時間でお仕上げできるように意識している。
趣味：読書・ランニング

BarBer mes-amis について

まずはサロンへの道順を案内しよう。武蔵野台駅北口を出て右に曲がり、むさしの台商栄会を左折。だんごの美好を左折し道なりに進むと、右手にブルーの外壁がおしゃれな自宅軒サロンBarBer mes-amisが見えてくるだろう。（無料駐車場有）

幅広い客層から高い評価を得ていると言う店内には、バーカウンターと座席が２つ。おしゃれで清潔感あふれる店内は、岡田氏一人で切り盛りされているという。

それでは早速、岡田氏のインタビューを進めていくとしよう。

理容師を目指したきっかけ

バーバーなび：こんにちは、本日はよろしくお願いします。まず岡田さんが理容師を目指すことになったきっかけを教えてください。

岡田氏：よろしくお願いします。子供の頃の僕はバスケ少年で、髪を切るのが嫌いな子供でした。なので相手チームの子に「なんであの子ロン毛なの？』と言われるような存在でした。嫌いになった理由を思い返すと、当時、髪を切ってくれていた理容師さんが産毛のシェービングしてくれたのですが、その感触がジョリジョリして嫌だったのです。もともと嫌いだった床屋を中学生の時に変えてみたら、そこのスタッフの方はとても僕の話を聞いてくれる人で、バスケの話をしているうちに将来何やろうって話をしたら、理容師って仕事の魅力を聞かせてくれたんです。

バーバーなび：はじめて行ったサロンで理容を嫌いになった経験がありましたが、サロンを変えたことで、理容に対するイメージが大きく変わり、今の岡田さんに繋がっているということですね。

岡田氏：そうですね。だから初めてのサロン選びって大事だなと思います。初めてのカットで嫌な思いをすることで、カットか嫌いになってしまうかもしれないし、将来理容師になれるかもしれなかった人１人を失うことになるかもしれないですからね。全部繋がってくるんどろうなって思います。

BarBer mes-amis　岡田 洋平氏

理容業界への思い

バーバーなび：理容業界全体に対してはどのような思いや考えをお持ちですか？

岡田氏：業界全体を見渡すほどの余裕はなかったです。もともと30店舗ほど展開しているサロンで店長を務めていましたが、そのときから感じていたことがあります。少しブラックな環境だっとということあり、もし自分が人を雇う立場になったら、スタッフの人生まで考えなければならないと思っていました。スタッフを雇い、教育し、売り上げを作り、福利厚生を整える、これをすべてできれば理想ですが、それが簡単ではないことはよく分かっていました。そこで、椅子2つだけを用意し、一人サロンとしてスタートすることに決めました。最近では、後輩や独立を目指す理容師たちが、私のサロンを訪れ、集客や売上げの作り方についてアドバイスを求めることが増えてきました。私自身、一通りのことは教えることができるようになったと感じているので、こうした形で少しでも業界に貢献できているのではないかと思っています。

バーバーなび：岡田さんから伝わった一人サロンとしてのやり方を通して業界がさらに盛り上がっていくといいですね。

岡田氏：一人サロンとして、自分が伝えられることはすべて伝えてきたと思います。それでも、実際に聞いて実行する人は上手くいきますが、やらない人はそこまで。それ以上のことは、彼らは自分が雇ったスタッフではないので、あまり踏み込んで言えません。ただ、逆に盛り下げてしまっているではと思っていることがあります。理容師になりたいというお客さんがよく来るのですが、その際に、労働時間や給与、休みが少ないなど厳しさを正直に伝えるようにしています。これは、業界の現実を伝える上で重要だと思う反面、彼らのやる気を削いでしまっているかもしれません。もちろん、離職率が高いことも事実ですし、根性というか、それでも「やりたい」と強く思う人でないと難しい仕事だと思います。だからこそ、私は正直にその厳しさを伝えるようにしています。

髪技理容師としてのこだわり

バーバーなび：ありがとうございます。それではこだわりを教えてください。

岡田氏：お客様が初めてご来店された際に、意識していることがあります。それは、なぜこのお客様は前回の理容室に行かなくなったのかということです。髪を切ったり、かっこよく仕上げたりするのは当然の仕事ですが、それ以外に何を提供できるかが重要だと考えています。お客様が求めているのは、技術なのか、癒し、それ以外の何かなのか。そのバランスを考えながら、空気を読み何を必要としているのかをしっかり汲み取るように心掛けています。

バーバーなび：細かな点に気を配って接客することで、お客様の満足感が少しづつ大きくなり、お客様のご期待に応える岡田さんの姿勢が、今のBarBer mes-amisにつながっているんですね。

岡田氏：私は、お客様に何か一つでも感じて帰ってもらいたいと思っています。また、「ここに来たい」と思える理由を見つけてもらいたいんです。それは、最初のお声がけから始まり、技術、会話、シェービング、スパなど、すべてを完璧にするのは難しいかもしれませんが、お客様が何を求めているのかを常に考え、バランスに気を配るようにしています。

お客様へのメッセージ

バーバーなび：どのようなお客様にお店に来て欲しいですか？

岡田氏：今は、30～50代の男性がメインターゲットのお店ですが、将来的には小学生くらいの男の子が一人で来られるような、お客様一人一人の成長・人生を見守れるお店にしたいと思っています。引っ越しをされても遠方から通ってくださる方や、80代・90代の方も訪れます。0歳児の来店もあり、幅広い年齢層に対応できるサロンを目指しています。

バーバーなび：引っ越された後のお客様がいまだに遠方からでも来店されるのは岡田さんとの間で育まれた信頼関係があってのうえなのですね。

岡田氏：一対一の接客スタイルだからこそ、20代の若者から90代のシニアの方まで、それぞれに合ったスタイルで対応できているのだと感じています。だからこそ、これからも幅広いお客様にご来店いただきたいと思います。

未来の理容師に向けたメッセージ

バーバーなび：理容師を目指す若者に向けたメッセージもお願いできますか？

岡田氏：僕は先ほどもお話ししたように、厳しくはっきり言うタイプです。この仕事は、自分がやりたいと思えば、それだけの形を作れる仕事です。好きであればやりがいのある仕事だと思います。ただ、若い時はきついと感じることも多いでしょう。この仕事の素晴らしい点は、お客様がお金を支払いながらも「ありがとう」と言って帰ってくれることです。こういう仕事はなかなかないと思います。この「ありがとう」を聞くために、若い人たちにも頑張ってほしいなと思います。

バーバーなび：続けることで、そのようなやりがいが見つけられるのですね。今までで大変だったり、悩んだりする場面もあったと思うのですが、そういった時に岡田さんはのどのように乗り越えられてこられたのでしょうか。

岡田氏：最初は独立することが夢でした。でも、年々その夢が現実的になったことで目標に変わり、それに向かって頑張ることができました。業界の中で特定の人を追い続けたわけではありませんが、やり続けることで次のステージに進むことができたし自分はここまでできると気付けてこれたと感じています。独立して困ったのは、税金や経営に関することです。学生時代にそういった分野を学んでいなかったため、その壁にぶつかってしまうと辞めてしまう理由になります。学生時代は、お客さんさえいれば成功すると思ってしまいがちですが、それ以外の分野もしっかり学ぶことが大切だと感じます。

バーバーなび：そのような部分は今後の課題とも言えますね。貴重なメッセージをありがとうございます。

最後に

バーバーなび：本日はお忙しい中取材のご協力いただきありがとうございました。最後に岡田さんからおすすめのメニューを紹介してもらえますか？

岡田氏：はい。こちらこそありがとうございました。こちらでございます。

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