今回は以前バーバーなびでご紹介させていただいたKTs’ BARBER SHOP 景山 峻さんにご紹介いただき、SUPERCOOL and RICO EASTの鳥居 元さんを取材させていただいた。鳥居氏は理容師歴20年、自身の技術を評価してもらうのはお客様だという思いから、日頃より講習会や勉強の場へ積極的に参加し、新しい情報を吸収されている。またコミュニケーションを大事にすることで、お客様から相違のない要望を汲み取り、形にすることができると語る髪技理容師だ。
Profile
Hajime Torii (鳥居 元)
SUPERCOOL and RICO EAST
理容師歴:20年
出身校:国際理容美容専門学校
出身地:茨城県
得意技術:パーマ
得意スタイル:ツイストスパイラルパーマ
こだわり:ベースになるカットの質感、量感を考えること
趣味:登山・映画鑑賞
SUPERCOOL and RICO EAST について
まずはサロンへの道順を案内しよう。JR横浜線「淵野辺駅」北口から「町田ターミナル行」のバスに乗り「下根岸」下車し、徒歩1.2分でサロンに到着する。サロン前に駐車場が6台分あるため、車で来店されたい方にも嬉しいサロンである。
気取らず入りやすい雰囲気の店内は、入って右手がメンズグルーミングエリアであるBARBER SHOP、左手はエステシェーブもできるレディースヘアサロンのエリアとユニークなつくりだ。オーナーの「大切な人とも一緒に通い続けていただけるSALONを目指し、髪を切るだけではないそんなサードプレイス的な空間になれるように」という思いが伝わる、地域に愛されているサロンだ。
お店の簡単な紹介が済んだところで早速、鳥居氏のインタビューを進めていくとしよう。
SUPERCOOL and RICO EAST 鳥居 元氏
理容師を目指したきっかけ
バーバーなび:こんにちは、本日はよろしくお願いします。まず鳥居さんが理容師を目指すことになったきっかけを教えてください。
鳥居氏:よろしくお願いします。高校生の頃から、親に「手に職をつけなさい」とよく言われていました。そんな中、おしゃれな友人の影響を受けて、服装に気を使うようになり、ヘアセットなどの楽しさにも気付いたんです。そこで、「髪を扱うことを仕事にしたら、手に職をつけられるし、楽しいんじゃないか」と考えるようになりました。それから、友達や先生に理容への道について相談するようになったんです。
そんな中で、友人から「美容学生の知り合いがいるよ」と紹介を受けました。実際に会ってみると、その人は理容学生の方で、当時は理容と美容の違いすらわからなかったのですが、そこで「床屋」という選択肢があることを教えてもらったんです。その後、その方に専門学校を紹介してもらい、実際に見学したことで「この道に進みたい」と決心しました。
バーバーなび:ご友人の紹介をきっかけに、理美容の二つの存在もわかり、最終理容を選択されたのですね。
鳥居氏:そうですね。理容か美容かで結構悩みましたが、周りの友人から「お前は理容だろ」と言われて、そうか、と思い、理容を選んだ経緯もあります(笑)あとは、「床屋の仕事は年齢を重ねても続けられる仕事だよね」という理容学校の先生の言葉が、どこかピンときたことも選んだ理由の一つですね。
職人気質がある理容のイメージも僕はかっこいいと感じましたし、当時はダサいと言われていた業界だったので、迷いは正直ありましたけど、やってみると楽しかったし選んでよかったなと思います。
バーバーなび:バーバーブームの影響もあり、理容に対するイメージの変化とあわせて、今後理容としてのスタイルの発展や変化も期待したいですね。
鳥居氏:昔は、美容のような理容スタイルを取り入れたサロンがありましたが、最近では逆に理容のスタイルを取り入れた美容が増えてきています。本当にマイナスなイメージは変わってきているので、そういった変化はより感じています。
理容業界への思い
バーバーなび:理容業界全体に対してどのような思いや考えをお持ちですか?
鳥居氏:美容師さんは行動が早く、情報収集や良いところを吸収していくことが本当早いと思うので、そこは理容が見習うべきだと思います。アイパーの講習に参加した際、床屋の技術を学ぶ場で講師が美容師の方だった時はかなり衝撃を受けました。理容の第一線で活躍されている方が実は美容師だった、というケースも目にすることがあるので、理容業界ももっと新しいことに挑戦して、理容の魅力を広めていけたら良いですよね。
また、床屋の特権でもある顔剃りをやっていないサロンも最近多くなりました。ワンオペで時間がないからやめてしまったという方もいますし、コロナの影響で、衛生面を踏まえ、顔剃りをやめたという話も聞きますが、やはり”顔剃り”の技術をもっと業界全体で盛り上げていきたいです。
バーバーなび:理容の特権としての”顔剃り”、ここは理容業界としては広めていきたいところですね。そういった点で鳥居さんが今後取り組みたいことはありますか。
鳥居氏:顔剃りは「痛いものじゃない」ということを含め、家での正しい剃り方などもレクチャーしていきたいです。「毎日剃ると痛いから、ここでしか剃らない」という方や、ヒゲが生えているお客様に「自分じゃうまくできないから、全部剃っちゃって」と言われることもありますが、正しい剃り方を知らないだけというケースもあるので、正しい剃り方・ケア方法を知ることで、顔剃りに対するイメージや向き合い方も変わると思っています。
ヒゲだけでなく、顔全体の産毛を剃ることも含まれているので、必ずしもヒゲを剃らないといけないということではないので、顔そりで出来ることなどもたくさん知ってもらえると嬉しいですね。
髪技理容師としてのこだわり
バーバーなび:それではこだわりを教えてください。
鳥居氏:当たり前のことを当たり前にできることにこだわっています。正直、技術がどれだけ高くても、剃り残しがあったり、カットが上手いかどうかを判断するのはお客様です。だからこそ、常に終わりのない技術を学び続け、いつでも「またこの人に切ってもらいたい」と思っていただけるような理容師であることを意識しています。
講習会なども、SNSを通じて自分で興味があるものを探して参加し、技術を学ぶようにしています。ただ、技術だけに偏らず、お客様には「いらっしゃいませ」「ありがとうございました、また来てくださいね」という言葉などでもしっかりとお客様に気持ちを伝えるよう心がけています。それが伝わらないと、いくら一生懸命にやっても意味がないですからね。
バーバーなび:人と人が接する仕事なので、とても大切な部分ですね。
鳥居氏:また、ここのサロンでは「配達員や外部のスタッフの方にも、しっかり挨拶をしよう」と日頃から声をかけています。ある時、スタッフが宅配の受け取り対応をした際に、「ここのスタッフの方はいつも温かい対応をしてくれますね」と言われたこともあり、僕もとても嬉しかったですね。
自分の思いがスタッフ全員に共通認識として伝わり、実践してくれていたことを実感できた瞬間でしたし、逆に僕がスタッフの行動を見て、良い部分を教えてもらうことや学ぶ部分もあるので、本当にスタッフのみんなのおかげで頑張れていますし、日々助けられています。
バーバーなび:それはとても嬉しく、心温まるエピソードですね!
お客様へのメッセージ
バーバーなび:どのようなお客様にお店に来て欲しいですか?
鳥居氏:どのような方でもウェルカムです。老若男女問わずお越しいただけると嬉しいです。近隣の住宅街エリアのファミリー層のお客様が多いので、これからもそのような家族で来店しやすい雰囲気を大切にしたいと思っています。
バーバーなび:特化型サロンというより、どなたでも来やすいアットホームなサロンのイメージがありますね。
鳥居氏:何かに特化したサロンの方が強みがあり、流行りなどもあるかもしれないですが、そういった形ではなく、様々なお客様に対応できるような形でやっています。今のこの感じが僕は好きだし、楽しくやっているからかスタッフのみんなも「これもやってみたい、あれも気になる」といった色々とチャレンジする気持ちが芽生えてきて、そんな子たちが集まってくれています。なので、これからもお客様の要望にしっかりと応えられるように頑張っていこうね!という感じでやれていますね。
バーバーなび:素敵ですね!バーバー、レディースヘアサロンという形なので男女ともに来やすいですよね。
鳥居氏:そうですね、男女比率で言うと6:4くらいです。うちは「メンズの床屋」って偏ったイメージがないので女性の方も来店しやすいのかなと思います。
あとは、最近、特に初めて来店されたお客様や初めてパーマをかけるお客様に思うことがあるんですけど、「とにかく要望を相談してほしい」ということを伝えるようにしています。できるかできないかの細かい部分も、お互いに言わないとわからないと思うんです。そうしないと、誤解が生まれて「失敗しちゃった」と思われることになりかねません。なので、カウンセリングをしっかり行って、誤解なく進めることが大切だと感じています。例えば、波巻きパーマを希望されたお客様のお話を聞くと、ツイストパーマが希望だったり、お電話で強めのパーマを希望されたお客様が、実際に見せてもらったスタイル画像では逆に弱めのパーマだったということもあります。カウンセリングを通してお客様の要望を引き出していくのも僕たちの仕事なので、気軽に要望をぶつけてほしいし、こちらからもしっかりお伺いしていきたいと思っています。
未来の理容師に向けたメッセージ
バーバーなび:理容師を目指す若者に向けたメッセージをお願いできますか。
鳥居氏:今、かっこいい理容のブームがあって憧れを持ってこの業界に入ってくる若い子も多いと思うんですけど、そのかっこよさには必ず過程があることを知ってほしいですね。今あるものは、必ずその背後に過程があり、何かをやりたいと思っても、次の日にいきなり形になるわけではありません。だからこそ、しっかり考えて行動してほしいです。
最近、若い人たちから「かっこよくなりたい」「かっこいい男になりたい」という声をよく聞くんですけど、それって内面的な部分が大切なんですよね。見た目だけをかっこよくするなら、明日誰かに相談して取り繕うこともできます。でも、内面からかっこいい男になるにはどうすればいいのか、それをもっと考えてほしいと思います。
例えば、「どうすれば理想のお店に立てるのか」「どうすれば自分のお店を作れるのか」を学びながら、行動したら技術が欠かせませんよね。でもその技術は一日じゃ身につかないし、そこにセンスと人間力が備わることで売れっ子になれると思うので、どれか一つだけではなく、全部セットで考えてほしいです。そこを知って、「なんだ理容って大変だな」ってやめちゃう子も多いので、その辺は覚悟を持って来てほしいです。
最近は怒られることを気にして、「怒らないように」「怒られないように」と言われてると思うんですけど、僕は怒られることも必要だと伝えています。何かを言われるということは、自分の成長につながるチャンスだと捉えてほしいですし、そう思えるかどうかでその後の成長に大きな差が出ると思います。どんなに落ち込んでも、どんなに打ちのめされても、自分がこの道でやっていくと決めたなら、絶対に諦めないでほしいし、それがどの業界でも言えることだと思うんですけど、一番大切なことだと思います。
バーバーなび:素敵なメッセージをありがとうございました。
最後に
バーバーなび:本日はお忙しい中取材のご協力いただきありがとうございました。最後に鳥居さんおすすめのメニューと作例を紹介してもらえますか?
鳥居氏:はい。こちらこそありがとうございました。おすすめのメニューを3つご紹介します。
髪技理容師おすすめメニューメンズカット+眉コース ¥5500
モデル写真提供:SUPERCOOL and RICO EAST
髪技理容師おすすめメニューメンズカット+酸性パーマ ¥13,750〜
モデル写真提供:SUPERCOOL and RICO EAST
髪技理容師おすすめメニューメンズカット+メッシュ ¥12,650〜
モデル写真提供:SUPERCOOL and RICO EAST
店舗基本情報
店舗名 | SUPERCOOL and RICO EAST |
住所 | 東京都町田市忠生3丁目15-16 メゾンクレール1F |
営業時間・定休日 | 平 日…10:00~20:00 土日祝…09:00~19:30 定休日…毎週月・火 |
最寄駅沿線 | JR横浜線 |
最寄駅 | 淵野辺駅 |
電話番号 | 042-794-4480 |
ホームページ | https://east.minority-inc.com/ |
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