髪技理容師を探せ Vol.221 -THE TRADITIONAL BESPOKE BARBER 霜鳥 大志

今回は以前バーバーなびでご紹介させていただいたBARBER BROS 吉祥寺店 田宮 有真さんにご紹介いただき、THE TRADITIONAL BESPOKE BARBERの霜鳥 大志さんを取材させていただいた。霜鳥氏は理容師歴17年、イギリスで出会ったブリティッシュスタイルのサロン作りに感化され、こだわりの詰まった上品で特別空間のあるサロンを作り上げられている。また、これからの理容業界にはより細分化したところが増えれば面白くなるのではないかと考えられている髪技理容師だ。

Profile

Taishi Shimotori (霜鳥 大志)

THE TRADITIONAL BESPOKE BARBER

理容師歴:17年
出身校:国際理容美容専門学校
出身地:東京都
得意技術:テーパーフェード
得意スタイル:クラシックスタイル
こだわり:テーパーフェードの綺麗さ、クオリティ
趣味:ブレイクダンス

THE TRADITIONAL BESPOKE BARBER について

まずはサロンへの道順を案内しよう。大門駅A4出口から歩いて4分。交差点を背に260mほど直進すると右手に見えてくる。 レトロかつ上品なバーバーポールが目印になるだろう。また、浜松町駅からもアクセスが可能である。

サロンの扉を開けると、上品な香りが広がり、ジャズの流れる上質空間が印象的である。理想のヘアスタイルになった後、店を出ても残る余韻となんとも言えない心の充足感に満たされる。そんな空間を提供されているサロン。このような空間を求める大人の男性には堪らない、非日常を体験できるサロンである。

お店の簡単な紹介が済んだところで早速、霜鳥氏のインタビューを進めていくとしよう。

THE TRADITIONAL BESPOKE BARBER 霜鳥 大志氏

理容師を目指したきっかけ

バーバーなび:こんにちは、本日はよろしくお願いします。まず霜鳥さんが理容師を目指すことになったきっかけを教えてください。

霜鳥氏:よろしくお願いします。きっかけは今の趣味でもあるブレイクダンスと関係するんですけど、子供の頃からダンスやアコースティックギターなどに触れ、更に芸能やアーティストの道に憧れていたので、「アーティストになるか、アーティストに関わる仕事をしたい」という思いがありました。ただ、アーティストとしてやっていくのは難しいし、仕事にするのも現実的ではないと感じたので、関連する仕事としてヘアアーティストに興味を持ち、そのためには理美容の専門学校に進む必要があるってことを知りました。

それから理容か美容かを選ぶ時は自分の将来を考え、美容の道で自分が年を取った時、若い女性に指名してもらう自信がなかったというところから理容だなと思ったんです。芸能系を目指していた影響もあってか人気や評価に敏感な性格だったので、美容は「もし人気がなくなったら厳しいな」と思ったし、理容なら年齢を重ねても続けられると感じたので、最終的に理容の道を選びました。

バーバーなび:最初は芸能やアーティストの道への憧れから、そこに関わる理美容を選択されたのですね。

理容業界への思い

バーバーなび:理容業界全体に対してどのような思いや考えをお持ちですか?

霜鳥氏:昔は床屋って古臭いイメージが強かったと思いますが、今は多種多様なスタイルのお店が増えてきて面白いなって思っています。なので、もっと細分化されていくと面白くなるんじゃないかなと思っています。例えば、ヒップホップには4大要素って言われる「グラフィティ、DJ、ダンス、ラップ」があるんですけど、そのような感じで理容もそれぞれに特化したお店があったら面白いなと思いますし、ブリティッシュスタイルでも1910年代から1960年代など年代ごとにフォーカスしたお店も出てくるともっとワクワクする業界になるんじゃないかと思うんです。

僕自身も色々なお店に髪を切りに行きますが、それは技術の研究だけでなく、趣味として楽しんでいる部分もあります。なので、選択肢がたくさんあるとお客様にとっても面白く、分かりやすいんじゃないかなと思います。

髪技理容師としてのこだわり

バーバーなび:それではこだわりを教えてください。

霜鳥氏:お客様にとって、ここで過ごす時間を有意義なものにしていただけるようにすることにこだわっています。トラディショナルな体験を楽しんでいただけるよう、空間づくりや小物、香りにもこだわっていますね。というのも、独立を決意した際、「何のために独立するのか?」と自分に問いかけ、お客様にとって一番良い形を提供するためには「最初から最後まで一貫して自分で全てを担当する」というスタイルが必要だと考えました。そのために、お客様がさらに喜んでいただけるようこの空間を作り上げたんです。

ただ、それと同時に「自分は何かの技術に特化してすごいわけではない」とも感じました。自分はどうやってこれまでの人生で勝ってきたのかと振り返ってみると、例えば、幼少期に運動会の徒競走では勝てなかったけれど、障害物競走では勝てたとか、ダンスでも特定の技術に特化するのではなく、オールラウンダーとして評価された経験がありました。専門学校時代のコンテストでも、単一の髪型ではなくトータルコーディネートで勝つことができました。そう考えると、自分は「複合的な要素を組み合わせた時に力を発揮するタイプ」だって気づいたんです。

フリーランスという選択肢もありましたが、自分が大切にしたいのは、空間全体でお客様に特別な体験を提供すること。内装や音響、香りなど、五感を刺激するサロンを作りたいと思い、独立して店舗を構える道を選びました。なので、今もその空間全体をしっかり作り込むことにこだわっています。

バーバーなび:素敵ですね!僕も入店した時から伝わるこの特別な空間にワクワクさせてもらいました。

霜鳥氏:ありがとうございます。お客様にも感じていただけていると嬉しいです。目標を立てることで頑張れますし、お客様に「ここでの空間が今までで一番心地よかった」と言っていただけると本当に励みになりますし、やりがいに繋がっています。

僕がこのサロンをブリティッシュスタイルにしたのには、初めて行った国、イギリスで出会った世界最古の理容室に衝撃を受けリスペクトしているところから来ています。なので、そのような空間をうちに来ていただくお客様にも味わっていただきたいですし、その体験がお客様にとって特別なものになれば嬉しいですね。

お客様へのメッセージ

バーバーなび:どのようなお客様にお店に来て欲しいですか?

霜鳥氏:18歳以上の男性のお客様を対象としているサロンなので、若さを打ち出したカッコ良さというスタイルももちろんあると思いますが、うちで提供しているスタイルは落ち着いた渋さや、年を重ねるごとに出てくる男のかっこよさを作り上げるサロンなので、そういう魅力を引き出したいと思っている人に来ていただきたいです。

バーバーなび:そういった思いを秘めている男性もたくさんいると思うので、そういった方にぜひ来ていただきたいですね。

未来の理容師に向けたメッセージ

バーバーなび:理容師を目指す若者に向けたメッセージをお願いできますか

霜鳥氏:専門学生の人には、学生時代に漠然としてでもいいので自分がどういうスタイルでやっていきたいのかということを持っておくと、就職先を選ぶ時も迷いなく決められると思います。まだ悩んでいる段階であれば、実際に理容室に足を運んでみて「理容学生です」と伝えて切ってもらうことでイメージも湧きやすいと思うし、思っていたのと違うなってところにも気づけると思います。

バーバーなび:霜鳥さんにもそういったイメージが学生の頃からあったのでしょうか。

霜鳥氏:そうですね。僕はホテルのような上品なスタイルのサロンがいいなと思っていました。なので、実際にそのようなスタイルのサロンへ切りに行ったこともありましたし、そこで修行先になるサロンにも出会うことができました。学生の時の時間はあっという間に過ぎてしまいます。なので、学生のうちから自分のなりたいスタイルを見つけて、そこに向けたサロン選びも進めていってほしいと思います。

この業界は、普段目を見て話すこともできないような様々な業界の方々ともこの限られた空間と時間の中で会話をし、技術を提供できるとても貴重な仕事です。中には著名人やメディアに出演している方が来店するサロンもあるので、そういった意味でも普段接点のない方々と気さくに話せる職業でもあります。そういった部分も楽しみに、この業界を目指してもらえると面白いんじゃないかなと思いますね。

バーバーなび:素敵なメッセージをありがとうございました。

最後に

バーバーなび:本日はお忙しい中取材のご協力いただきありがとうございました。最後に霜鳥さんおすすめのメニューを紹介してもらえますか?

霜鳥氏:はい。こちらこそありがとうございました。おすすめのメニューをご紹介します。

髪技理容師おすすめメニューエイジレス炭酸ヘッドスパコース

店舗基本情報

店舗名THE TRADITIONAL BESPOKE BARBER
住所東京都港区芝大門2丁目12−3
営業時間・定休日平日 13:00~22:00(最終受付)
土日祝 10:00~19:00(最終受付)
最寄駅沿線東京メトロ浅草線
最寄駅大門駅
ホームページhttp://thetraditional.jp/

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