おかおそりるーむ まいのめ 佐藤 まどか

今回は府中エリアで髪技理容師に出会うためリサーチをしていたところ、ヘアーエステサロンイスト内にある、おかおそりるーむ まいのめさんを見つけたので取材を申し込むと佐藤まどかさんがインタビューを快諾してくださった。佐藤氏は理容師歴18年、理容師という職業の可能性を広げていきたいという思いを持ち、現場での施術に加えてスクール講師としても後進の育成に力を注いでいる理容師だ。

CREDIT : Photo/Yuki 文/Yuki 編集/Manami(バーバーなび)

おかおそりるーむ まいのめ

佐藤 まどか

理容師歴:18年
出身校:東京理容専修学校
出身地:東京都
得意技術:レディースシェービング
こだわり:まぶたの施術
趣味:フルート

サロン紹介

サロンへの道順を案内する。京王線・府中駅の南口を出たら、けやき並木通りをそのまま直進する。「府中駅南口」交差点を渡り、さらに進んで「宮西町二丁目」交差点を左折。100メートルほど歩くと、右手に「ナイスアーバン府中」が見える。ヘアーエステサロンイスト内にあるお目当てのサロンが見つけられるはずだ。

当サロンは、女性の肌本来の美しさを引き出す“お顔そり美容法”に特化した、完全個室のお顔そり専用ルームだ。「この感動を多くの女性に届けたい」という店主の想いから生まれた空間であり、他人の視線を気にせず、自分自身と静かに向き合う時間を過ごすことができる。 お店の簡単な紹介が済んだところで早速、佐藤氏のインタビューを進めていこう。

理容師を目指したきっかけ

バーバーなび:こんにちは、本日はよろしくお願いします。まずは佐藤さんが理容師を目指すことになったきっかけを教えてください。

佐藤氏:よろしくお願いします。実は結婚するまでは、理容とはまったく縁のない業種で働いていました。主人は理容師でしたが、スタッフも在籍していたため、私は軽い掃き掃除などのお手伝い程度で、理容の仕事に本格的に関わることはありませんでした。左利きだったこともあり、「床屋は右利きの世界」という先入観もあって、免許を取るつもりもなく過ごしていました。ですが、結婚して4〜5年が経った頃、主人のアシスタントとして少しでも力になれたらと思うようになりました。そこで「とりあえず資格だけでも取ってみよう」と考え、39歳のころ通信で免許を取得しました。

バーバーなび:ご主人との結婚をきっかけに、理容の世界が身近になったのですね。

佐藤氏:そうですね。もともとは主人のカット後にシャンプーをしたり、シェービングの準備をしたり、あくまでアシスタントとしての役割を想定していました。ですが、あるときふと、「自分にできることは何だろう」と考えたんです。アシスタント業務には賃金が発生するわけではありませんし、もし主人に万が一のことがあった場合、今のお客様を引き継ぐこともできず、予約をすべて断ることになる。そう考えたとき、初めて大きな不安を感じました。主人と同じようにカットやカラーができるようになるには何年もかかると感じましたし、自分が今から全ての技術を一通り身につけるのは現実的ではないと思いました。そこで「短期間で技術として確立できるものは何か」と考えた結果、レディースシェービングに可能性を見出しました。やろうと決めたとき、まずはどう学べばいいのかを模索しました。主人も「メンズの延長線上だろう」という程度の認識で、しっかりとした指導が受けられる環境が見つかりませんでした。周囲を見渡しても、同じような悩みを抱えている人は多いように思いました。そんな時、偶然関西から講師の方が来ていると知り、4回のレッスンに参加しました。そのレッスンをきっかけに、シェービングの奥深さや、自分の中での技術の課題にも気づかされました。施術を始めてからは、想像以上に壁にぶつかることも多く、「どうしたら解決できるのか」と悩む日々でした。でも、周囲に相談できる人がいない中で、自分自身で得た知識や経験は、同じように悩む人に伝えられるのではないかと感じるようになりました。そこから、教える立場へと進むきっかけが生まれたのだと思います。

バーバーなび:そのような経緯を経て、現在はスクール講師としても活動されているのですね。

理容業界への思い

バーバーなび:理容業界全体に対してどのような思いや考えをお持ちですか?

佐藤氏:現在、「エステとシェービング」という括りの中で、どうしてもエステに傾きがちな傾向があるように感じています。ですが、レディースシェービングは理容師だけが行える専門技術であり、私はそこに誇りを持っています。この技術を、理容師ならではの価値として、しっかりと残していきたいと考えています。学校で講演を行う機会もあるのですが、最近では美容師の方がダブルライセンスを取得するためにシェービングの学びを求めて来られるケースも増えています。だからこそ、私自身が伝える言葉のひとつひとつに責任を持たなければいけないと感じています。誤った情報を伝えてしまえば、そのまま誤解されたまま広がってしまう可能性もある。だから私は、まっすぐな想いで、シェービングの魅力と本質を丁寧に伝えることを心がけています。シェービングには、まだまだ大きな可能性があると感じていますし、基礎をしっかりと伝えることができれば、あとは現場での経験を重ねながら、自分のスタイルを築いていけばいいと思っています。

バーバーなび:理容師だからこそ伝えられる価値が、そこにあるのですね。

髪技理容師としてのこだわり

バーバーなび:それではこだわりを教えてください。

佐藤氏:私が理容師としてこだわっているのは、「国家資格である」という点を大切にすることです。理容師免許を取得した時点で、人に技術を伝え、教えることができる立場になると思っています。理容にはメンズの技術もありますが、レディースシェービングはまったく別の技術だと捉えています。だからこそ、その違いも含めて、しっかりと後継者に伝えていきたいと考えています。

バーバーなび:今後、取り組んでいきたいことがあれば教えてください。

佐藤氏:この仕事は、年齢を重ねてからでも挑戦できるのが魅力です。もちろん20代・30代で目指すのも素晴らしいことですが、年齢を重ねたからこそ理解できることも多いと感じています。理容の仕事は、女性の自立支援にもつながる業界だと思います。たとえば、シングルマザーの方が自分のサロンを持ち、自分のペースで働くことができる。子育てがひと段落した後には、また別の働き方も選べます。ライフスタイルに合わせて働き方を変えられるのは、この仕事ならではのメリットです。私はこの業界の敷居を高くするのではなく、もっと間口を広げていきたいと考えています。「こんな仕事もあるんだ」と知ってもらえるだけでも、新しい選択肢になる。そうした理解と認知が少しずつ広がっていけばいいなと思っています。

バーバーなび:理容の可能性を広げる取り組み、これからますます注目されそうですね。

お客様へのメッセージ

バーバーなび:どのようなお客様にお店に来て欲しいですか?

佐藤氏:どんな方にも気軽に来ていただけるサロンでありたいと思っています。実際に、小学生から90代まで、幅広い年齢層のお客様にご利用いただいています。小さなお子様の場合は、バレエの発表会や行事の前にシェービングで来店されることもあります。そうした体験が、成長したときに「また行きたい」と思ってもらえるきっかけになるかもしれない。だからこそ、ひとつひとつの施術を丁寧に、大切にしていきたいと考えていますし、そうやっていろんな人たちに来ていただけるサロンになれたらって思います。

バーバーなび:小さな経験が、未来のお客様につながっていくのですね。素敵です。

未来の理容師に向けたメッセージ

バーバーなび:理容師を目指す若者に向けたメッセージをお願いできますか。

佐藤氏:若い人だけでなく「何かやりたいけれど、何を選べばいいかわからない」と感じている人にでも、理容師という職業を選択肢の一つとして知ってほしいと思います。利き手に関係なく、国家資格を目指すことは可能ですし、自分には向いていないと感じる前に、少しだけ視野を広げて、理容師という道もあるのだと知ってもらえたら嬉しいですし、そうやって、この仕事の魅力がもっと多くの人に広がっていけばと思っています。

バーバーなび:そうした意識が広がることで、選ぶきっかけにもなりそうですね。

佐藤氏:海外では、女性が体毛や顔のシェービングを受ける文化はあまり一般的ではないと聞きます。一方で日本では、シェービングを「身だしなみの一環」として受け入れる風潮があり、それは非常に日本らしい美意識の表れだと感じています。だからこそ、シェービングをスキンケアの一部として、基礎的な美容知識としてもっと広く知ってもらいたいと考えています。シェービングは単に毛先を剃るだけでなく、古い角質を取り除くことができるケアでもあり、肌のトーンを整えたり、化粧ノリを良くしたりといった効果も期待できます。こうした本来の価値が、もっと多くの方に正しく伝わっていくことを願っています。

バーバーなび:素敵なメッセージをありがとうございました。

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SHOP INFORMATION

  • 店舗名:おかおそりるーむ まいのめ
  • 住所:東京都府中市 宮西町3-1-6 ナイスアーバン府中1F
  • 営業時間(平日):9:00~19:00
  • 営業時間(土日祝):9:00~19:00
  • 定休日:月曜日、第1.3火曜日
  • 沿線:京王電鉄京王線
  • 最寄駅:府中駅
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