THE BARBER STYLE MAGAZINE
2025.10.11

「床屋」と聞いて、どんな情景を思い浮かべますか?
シャンプー中に顔にタオルをかけられた記憶、独特の香り、あの懐かしい椅子の座り心地――。
「理容室」や「バーバー」と呼び名が変わっても、男性をよりカッコよく整えるという想いは、時代を越えて受け継がれています。
この記事では、昭和から平成を経て令和へと続くメンズヘアの変遷を振り返りながら、
当時のスタイルを今風に楽しむヒントをご紹介します。
懐かしさの中にトレンドを感じる――そんな“あの頃の床屋”の魅力を、改めて見つめ直してみましょう。
昭和の男性にとって、整えられた髪型は“身だしなみ”の象徴でした。
清潔感と規律を重んじるスタイルは、社会人としての誇りそのもの。
当時を代表する2つのスタイルを振り返ってみましょう。
● 七三分け
髪を7対3で分け、サイドを丁寧に撫でつけた定番スタイル。
ポマードやグリースでツヤを出し、きっちりまとめるのが基本でした。
魅力: 清潔感があり、どんなシーンにも対応できる万能さ。
今風アレンジ: サイドをフェードにしてトップを長めに残し、自然なサイドパートに。ツヤ感を残しつつ毛先に動きを出すと、クラシックながらも現代的な印象に。
● リーゼント
前髪を高く立ち上げ、サイドを後ろへ流した男らしいスタイル。
ロカビリー文化や硬派なイメージの象徴として人気を集めました。
今風アレンジ: トップにボリュームを出したポンパドール風に仕上げ、サイドを短く刈り上げれば、現代のバーバースタイルとして再び注目を浴びています。
昭和スタイルが似合う人
年代:30代以上のビジネスマンやクラシック志向の方。
髪質:直毛・硬毛タイプにセットしやすく、くせ毛の方はゆるいパーマで自然な仕上がりに。
顔型:丸顔の方はトップに高さを出すとバランス良く見えます。
平成に入ると、音楽やファッションの自由化にともない、男性のヘアスタイルも一気に多様化しました。
「自分らしさを出す」ことが重視され、サロンや理容室でも個性派スタイルが続々と誕生していきます。
● ツーブロック
上下で長さに差をつける王道スタイル。下を刈り上げ、上を長めに残して重ねる構成が特徴です。
ワックスで動きを出したり、ジェルでタイトにまとめたりと自由度も高め。
今風アレンジ: スキンフェードやパーマを組み合わせて、より立体的なシルエットに仕上げるのが人気です。
● ウルフカット
襟足を長く残し、全体に段をつけた個性派スタイル。
ロックテイストが漂うデザインとして、平成カルチャーを象徴しました。
今風アレンジ: レイヤーを控えめにしたソフトウルフで、ジェンダーレスな印象にアップデート。
● マッシュ
丸みのあるシルエットと重めの前髪が特徴。
柔らかくナチュラルな印象で、若い世代に爆発的な人気を誇りました。
今風アレンジ: 前髪を軽くしてシースルーバングにすることで、抜け感と軽やかさが生まれます。
平成スタイルが似合う人
年代:10〜30代のトレンド志向の方。
髪質:どんな髪質でも対応可能。くせ毛や多毛の方もパーマで調整可能です。
顔型:マッシュは丸顔の方に特におすすめ。
平成後期から令和にかけては、クラシックなバーバースタイルが再び脚光を浴びています。
清潔感、男らしさ、そして自分らしさを融合させた“ネオクラシック”なヘアが主流になりました。
● フェードカット
サイドやバックを短く刈り上げ、上に向かって徐々に長くするグラデーションカット。
清潔感と立体感を両立でき、どんなスタイルにも合わせやすい万能型です。
今風アレンジ: トップを長めに残して後ろへ流すスリックバックや、短め前髪のクロップスタイルが人気。
組み合わせ次第でビジネスにもストリートにも馴染みます。
● パーマスタイルとの融合
フェードにツイスト・スパイラル・波巻きなどのパーマを合わせ、トップに動きを加えた新世代のバーバースタイル。
ムースやワックスでパーマの質感を活かし、立体的な仕上がりに。
現代スタイルが似合う人
年代:幅広く対応。ビジネスマンはミドルフェード、若者はハイフェードで印象を変えて。
髪質:直毛・くせ毛ともにOK。パーマを組み合わせることで自由なデザインが可能です。
どの時代のヘアスタイルも、それぞれに魅力と個性があります。
大切なのは「今の自分」に合うバランスを見極めること。
仕事やライフスタイル、髪質、顔型によって似合うスタイルは変わります。
迷った時は、理容室でプロの目線からアドバイスを受けてみるのがおすすめです。
「新しいスタイルに挑戦してみたい」と思ったら、次のステップを意識してみましょう。
① イメージを固める: SNSや雑誌で理想の写真を探して保存しておく。
② プロに相談する: 髪質や顔型、ライフスタイルに合わせて提案してもらう。
③ 整髪料の使い方を共有する: 普段のセットの好みを伝えると、再現しやすいカットに。
④ 悩みを正直に話す: 朝の時間がない、ボリュームが出ないなど、どんな悩みも遠慮なく伝えてOK。
理容室は、日常を少し特別にしてくれる場所。
自分に似合う髪型探しを、プロと一緒に楽しんでみてください。
昭和・平成・令和――ヘアスタイルの移り変わりをたどると、時代の文化や価値観が見えてきます。
そして、昔のスタイルが新しい解釈でよみがえる今こそ、自分に合うクラシックを見つけるチャンスです。
流行よりも大切なのは、「自分らしさ」と「似合うスタイル」。
懐かしさを感じつつも、今の時代にフィットする自分だけのスタイルを、
理容室でぜひ見つけてみてください。扉の向こうには、新しい自分が待っています。
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