POREPORE HAPPY HAIR BASE 坂本 篤史

今回は谷保エリアで理容室をリサーチしていたところ、POREPORE HAPPY HAIR BASEさんを見つけたので取材を申し込むと坂本 篤史さんが快諾してくださった。坂本氏は理容師歴35年。理容と美容、両方の資格を活かしながら縁のある土地でサロンを構え、パーマとフェードをミックスしたスタイルを得意とされている。クールな理容師像とは異なり、非常に陽気な気質で、仕事もプライベートも楽しむことを大切にする人物だ。お客様のコンプレックスに真摯に向き合い、ともに解決策を探る姿勢は、誰よりも仕事を楽しむ姿から裏打ちされている。その姿勢が厚い信頼を集める所以であり、まさに髪技理容師と呼ぶにふさわしいだろう。

CREDIT : Photo/Yuki 文/Yuki 編集/Manami(バーバーなび)

POREPORE HAPPY HAIR BASE 

坂本 篤史

理容師歴:35年
出身校:国際文化理容美容専門学校
出身地:八王子
得意技術:精神的な部分でのコーチング、女性と男性の脳の特性を理解したコミュニケーション、時間が経っても美しさが持続する仕上がり
得意スタイル:パーマとフェードをミックスしたスタイル
こだわり:「安心とワクワク」をコンセプトに、お客様の髪質や頭の形といった「素材」を理解し、5年後を見据えた計画的なヘアスタイル提案を行う。地域密着、人生密着を掲げ、お客様の人生のステージに寄り添い、エンディングカットまで手掛ける深い関係性を築くこと。
趣味:キャンピングトレーラーでのキャンプ、大型犬との旅

サロン紹介

まずはサロンへの道を案内する。谷保駅北口の右側の階段を降り、そのまま直進する。踏切が見えてきたところで左折。右手にファミリーマート、左手に公園を過ぎたところで右折すると、緑色の風車が目印だ。

当サロンは、単なるヘアカットの場を超え、お客様一人ひとりの人生に深く寄り添う場所だ。「安心とワクワク」をコンセプトに掲げ、コンプレックスを前向きな魅力へと昇華させる「ハッピーコンプレックス」という独自の哲学を実践している。技術はもちろん、お客様の人間性や個性、そして未来を見据えた関係性を重視し、世代を超えて長く愛される存在を目指しているサロンだ。

理容師を目指したきっかけ

バーバーなび:こんにちは、本日はよろしくお願いします。まずは坂本さんが理容師を目指すことになったきっかけを教えてください。

坂本氏:よろしくお願いします。理容師を目指したきっかけは、実は私自身のコンプレックスからです。昔から絶壁やハチ張りが悩みで、このモヤモヤしたコンプレックスをどうすれば解消できるんだろう、どうすれば理想の自分になれるんだろうと考えていました。結局、自分でプロを目指すのが一番早いんじゃないかと思い理容師になる道を選びました。

バーバーなび:なるほど、ご自身の経験がきっかけだったのですね。理容免許を取られてから美容免許も取得されたのですね。

坂本氏:はい。私は理容師として長くキャリアを積み、その後、5年ほど前に美容師免許も取得しました。正直なところ、お客様が「ここは理容室」「ここは美容室」と自由に選べばよいと思っているのですが、自分自身が「免許を持っていない」ということにずっと引っかかりを感じていました。規制上は可能であっても、どこか自分に嘘をついているような気持ちがあり、だからこそダブルライセンスを取得しようと決めたのです。

理容業界への思い

バーバーなび:理容業界全体に対してどのような思いや考えをお持ちですか?

坂本氏:現状、業界ではフェードやクロップカットなど、特定の技術に特化したお店が多いですよね。それはそれで良いのですが、私としては「幅広くできた方が強いんじゃないか」と個人的に思っています。お客様は見た目で「この人はフェードができそう」とか「アイロンパーマができそう」と判断するかもしれませんが、そこに「こんなこともできるんだ!」という良い意味でのギャップや、理容師としての幅広さを示すことが重要だと考えています。職人だけで終わってしまったら、つまらないと思うんです。職人としての技術に加え、「プラスアルファ」の部分が、お客様のワクワクや私たちの笑顔に繋がっていくのではないかと考えています。

バーバーなび:職人技だけでなく、プラスアルファの魅力が重要だと。それは、AIの進化が進む現代において、より必要とされる部分かもしれませんね。

坂本氏:まさにそうですね。AIが発達して便利さが最前線になる時代が来るかもしれませんが、この20何年という時間の中で感じてきたのは、やはり「人の心を動かすのは人」だということです。技術ができるだけでなく、こんなこともできるんだよというアピールや、人間的な魅力をもっと幅広く持てれば、業界全体にとっても良い世の中になるんじゃないかと考えています。お客様が「会いたい人、話を聞きたい人、聞いてもらいたい人」と感じてもらえるような人間力を磨くことが、この仕事の醍醐味であり、課題でもあると思っています。便利になりすぎて、人と人との距離がなくなっていく時代は避けたいですね。

髪技理容師としてのこだわり

バーバーなび:それでは、理容師としてのこだわりを教えてください。

坂本氏:まずはお客様の頭の形や髪の素材を触って、徹底的に知ってもらうことですね。プロから見た素材の特性と、お客様自身のこだわりをすり合わせながら、「料理」のようにスタイルを形作っていきます。そして、一度きりではなく、1年先までのスケジュールを立てて「1回目はこう、2回目はこうしたら良い」と計画的な提案をすることも心がけています。場合によっては、初対面のお客様に「5年後に薄くなる可能性がありますよ」と、少し極端なことをカウンセリングでお伝えすることもありますが、それもお客様の未来を真剣に考えているからこそです。

バーバーなび:5年後を見据えた計画的な提案とは、本当に深くお客様と向き合っていらっしゃるのですね。他にはどのようなこだわりがありますか?

坂本氏:私が掲げているのは「ハッピーコンプレックス」という考え方です。お客様のコンプレックスを前向きに捉え、それを解消したり、魅力として活かしたりすることにフォーカスしています。例えば、私自身も絶壁なので「夏は涼しいよ」なんてユーモアを交えながら、お客様にもご自身のコンプレックスをさらけ出してもらえるようにしています。私も自分のことをさらけ出すことで、お客様も安心して話してくれると思っています。人に興味を持ってお客様の長所も短所も感じ取った上でスタイルご提案することが私たちの仕事だと思っていますし、お客様との関係性は「地域密着、人生密着」と表現できるほど深く、中にはエンディングカットを頼まれる方もいらっしゃいます。お客様の人生の様々なステージに寄り添い、最期まで自分らしくいられるお手伝いができることは、私にとって非常にハッピーなことです。

お客様へのメッセージ

バーバーなび:どのようなお客様にお店に来て欲しいですか。

坂本氏:個人的には、やはり「遊び心がある人」に来ていただきたいです。それはヘアスタイルや洋服だけでなく、生き方そのものに楽しみを見出せるような、明るい口癖の方。そういう方がお店にたくさんいてくださると、スタッフも喜ぶし、お店の箱全体も活気づくと思っています。もちろん、コンプレックスで悩んでいる方もいらっしゃいますが、基本的に楽しむ心がある方が多いですね。

バーバーなび:遊び心のあるお客様が集まることで、お店全体が良い雰囲気になっているのですね。実際には、どのような客層の方が多いのでしょうか?

坂本氏:意外とフリーで仕事をされている方や、専門職のお客様が多いですね。例えば、弁護士さん、歯医者さん、医者の先生など、五感をフルに使って仕事をしているような専門職の方々が多い気がします。なぜかは分からないですが、皆さん個性的で、人生を楽しもうとしている感じがします。私自身がお客様にさらけ出すことで、お客様も心を開いて自分を出してくださっているのかもしれません。妻にも「誰よりも仕事を楽しんでそうだね」と言われるので、その気持ちがお客様にも伝わっているのだとしたら、とても嬉しいです。

未来の理容師に向けたメッセージ

バーバーなび:理容師を目指す若者に向けたメッセージをお願いできますか。

坂本氏:はい。先ほども少しお話ししましたが、特化型ももちろん良いのですが、男性だけでなく女性からも「素敵ですね」と言われるような、幅広い技術と人間性を身につけてほしいと思います。ゲームチェンジが非常に速い現代において、様々な人に対応できる技術と人間性は、自分の強力な武器になるはずです。幅広い技術で愛される理容師をぜひ目指してほしいですね。

バーバーなび:なるほど、幅広い対応力と目標を持つことの重要性ですね。他に伝えたいことはありますか?

坂本氏:お客様の好みが変わったり、時代の変化があったりした時に、それに敏感に反応できる感度を高めていくことが大事だと思います。例えば、結婚してライフスタイルが変わったり、定年退職して金銭感覚が変わったりしても、「この人にずっと切ってもらいたい」と思えるような、お客様の人生のステージに寄り添える人間関係を築ける理容師になってほしいですね。ただ技術を提供するだけでなく、人として長く愛される存在になることが、これからの理容師には求められると思います。

バーバーなび:素敵なメッセージをありがとうございました。

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