BARBERSHOP BOO 下谷 真緒

今回は以前バーバーなびでご紹介させていただいた、とこやの渡部 翼さんにご紹介いただき、BARBERSHOP BOOの下谷 真緒さんを取材させていただいた。下谷氏は理容師歴15年、床屋を面倒な場所ではなく、楽しい場所にしたいという思いのもと、訪れた人が自然と「楽しかった」と感じられる居場所づくりを大切にされている。髪を整えるだけでなく、何でも話せる存在であることを目指し、「一番身近な他人」という距離感でお客様に寄り添う。その姿勢と技術を併せ持つ、まさに“髪技理容師”だ。

CREDIT : Photo/Kosuke 文/Kosuke 編集/Manami(バーバーなび)

BARBERSHOP BOO

下谷 真緒

理容師歴: 15年
出身校: 湘南ビューティーカレッジ
出身地: 埼玉県
得意技術: 再現性の高いカット、カウンセリングに基づいた似合わせ
得意スタイル: フェード、パーマ、骨格に合わせたスタイル
こだわり: テンプレートではない、一人ひとりの骨格に合わせた「ちょうどいい」提案
趣味: バイク(1968年製のホンダ)、ゴルフ

サロン紹介

まずはサロンへの道順をご案内しよう。南浦和駅東口から徒歩5分。セブン-イレブン南浦和駅東口店を左手に見ながら南大通りを進む。およそ400メートルほど歩くと、正面に淡いミントグリーンの看板と、黄色文字で描かれた「BOO」のロゴが目に入る。クラシックなフォントが印象的なその看板を掲げた建物の前に立てば、目的地に辿り着いたことがすぐに分かるだろう。入口脇に設置された赤・青・白のバーバーポール、そしてガラス張りのファサード越しに見える「CUT & SHAVE & SPA」の文字も、初めて訪れる人にとって心強い目印となってくれる。

店内は、美容室のような洗練された空気感をまといながらも、床屋ならではの確かな技術と、心からリラックスできる空間を併せ持つ。ストリートスタイルからビジネスシーンまで、幅広い要望に柔軟に応えるスタイル提案も、このサロンの大きな魅力だ。店名の「BOO」には、英語のスラングで「親友」や「身近な存在」を意味する言葉に、“プラスの価値を届けたい”という想いが込められている。髪のことはもちろん、日常の身だしなみを気軽に相談できる存在として、お客様にとって最も身近なパートナーでありたい——。そんな姿勢が、この店の空気感からも自然と伝わってくる。

理容師を目指したきっかけ

バーバーなび:本日はよろしくお願いいたします。まずは、下谷さんが理容師を目指すことになったきっかけを教えてください。

下谷氏:こちらこそ、よろしくお願いいたします。もともと高校生の頃から髪型に興味があり、当初は美容師を目指していました。ただ、進路を具体的に考える時期に、偶然「理容師」という選択肢が目に留まりました。当時の理容室に対する印象は、正直なところ、年配の方が一人で営んでいる昔ながらの床屋というイメージでしたが、実際に会社見学に足を運んでみると、その印象は大きく覆されました。そこには、自分の好きなバイクやストリートカルチャーと通じる、非常に魅力的で洗練された世界が広がっていて、その瞬間「これだ」と直感しました。未知の分野ではありましたが、挑戦するなら中途半端ではなく、徹底的に取り組もうと決意しました。

バーバーなび:最初は美容師をきっかけに、この業界を知ったのですね。

下谷氏:はい。中学生の頃から、「いつかは自分の店を持てたら」という漠然とした思いはありました。理容師として独立することで、当時あまり良いイメージを持たれていなかったこの仕事の魅力を、少しでも伝えていけたらという気持ちがあったのだと思います。修行時代も、将来を見据えながら一つひとつ経験を積むことを意識し、通信制の学校で現場の第一線に立つ講師の方々から学びつつ、平日は店舗で実践を重ねる日々を過ごしていました。振り返ると決して楽な道のりではありませんでしたが、その積み重ねが今につながっていると感じています。

理容業界への思い

バーバーなび:理容業界全体に対してどのような思いや考えをお持ちですか?

下谷氏:ここ10年ほどで業界は劇的に良くなったと感じています。特にフェードカットの文化が海外から入ってきたことが大きな転換点になりました。ラグビーブームなども重なって、刈り上げ、フェードという理容師の強みが一気に注目されるようになり「これができないと理容師じゃない」という覚悟で猛練習しました。今では男性の美意識が非常に高まり、ただ髪を短くするためではなく、自分をかっこよく見せるためにお金をかける場所としてバーバーが認知されています。今が一番「バーバーが旬」な時代だと思っています。

バーバーなび:昔と今では、お客様の意識も変わってきているのですね。

下谷氏:そうですね、本当にかっこよくなりたいと思って来店される方が増えました。昔は美容室に行かないとかっこよくなれないという風潮がありましたが、今は理容室で「きっちり、かっちり」仕上げるのがクールだという流れがあります。古いバーバーの良さも残しつつ、新しい技術が融合して業界全体が盛り上がっているのは、非常にありがたくやりがいのある環境だと感じています。

髪技理容師としてのこだわり

バーバーなび:それでは理容師としてのこだわりを教えてください。

下谷氏:特に意識しているのは、お客様の骨格や雰囲気に合わせた「似合わせ」です。あらかじめ決めた型やテンプレート通りに切るのではなく、その方の頭の形や顔立ちを見ながら、都度切り方を調整するようにしています。カウンセリングの時間もできるだけ丁寧に取り、お客様がどのようなスタイルを求めているのかをしっかり共有したうえで、写真などで見せていただいたイメージを、その方らしさに落とし込んで形にしていくことを大切にしています。

バーバーなび:お店のコンセプトである「ちょうどいい」という点にもこだわりがあるのでしょうか?

下谷氏:そうですね。個性的で尖った雰囲気のバーバーはとても格好いいと思いますが、初めての方にとっては少し入りづらく感じてしまうこともあると思います。一方で、昔ながらの床屋では物足りなさを感じる方もいらっしゃる。その間にあるような、気負わずに過ごせる「ちょうどいい空間」をつくれたら、という思いがあります。美容室のような柔軟なスタイル提案と、バーバーらしいクラシックな技術のどちらにも丁寧に向き合いながら、男性が自然体でリラックスできる場所でありたいと考えています。

お客様へのメッセージ

バーバーなび:どのようなお客様にお店に来て欲しいですか?

下谷氏:特定の層に絞っているわけではなく、中高生の方からビジネスマン、そしてリタイアされた方まで、幅広い方にお越しいただけたらと思っています。中でも、「興味はあるけれど入りづらい」と感じている方にこそ、気軽に足を運んでいただけたらうれしいですね。髪を切る時間そのものを楽しんでいただき、「また来たい」と自然に思ってもらえるような、心地よいひとときを提供することを大切にしています。

バーバーなび:お客様にとって、どのような存在でありたいと考えていますか?

下谷氏:「一番身近な他人」のような存在でいられたらと思っています。家族や友人には少し話しづらいことでも、ここでは自然と話せてしまう。そんな距離感で寄り添える場所でありたいですね。ありがたいことに、現在は次回予約をいただくお客様も多くなってきましたが、常連の方も初めての方も変わらず、一人ひとりと丁寧に向き合い、この時間を心地よく過ごしていただけるよう心がけています。

未来の理容師に向けたメッセージ

バーバーなび:理容師を目指す若者に向けたメッセージをお願いできますか。

下谷氏:理容師の仕事は、努力した分だけ結果が形になりやすい世界だと感じています。私の趣味であるゴルフもそうですが、研究を重ねるほど少しずつ上達していく点はよく似ています。もちろん、最初は人間関係や技術の習得などで悩むことも多いと思います。私自身も、2〜3年目の頃は先輩方の厳しさに気持ちが追い込まれ、別の道を考えたこともありました。それでも、そこで踏みとどまり、1年、2年と積み重ねていくことで、今につながる技術や考え方が身についていったと感じています。辛い時は「周りはみんな大きな赤ちゃんだ」と思って聞き流すくらいでいいんです(笑)。技術さえしっかり磨けば、道は開けます。

バーバーなび:下谷さん自身が「理容師をやっていて良かった」と思う瞬間はいつですか?

下谷氏:お客様からの「最高です」という言葉は何よりの原動力になりますが、個人的には朝、店にバイクで乗り付けて鍵を開ける瞬間ですね。どんなに厳しくても信念を曲げずに頑張ってきた結果、今こうして自分の城を持てている。その実感が最高に幸せです。理容師は相手に幸せを与えられる素晴らしい仕事です。最初の1年、2年は大変に感じることもあると思いますが、その時間を乗り越えた先には、この仕事を続けてきて良かったと思える瞬間がきっと訪れるはずです。ぜひ、自分の可能性を信じて楽しんでほしいですね。

バーバーなび:素敵なメッセージをありがとうございました。

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