ki caera　金谷 実智惠

バーバーなび：こんにちは、本日はよろしくお願いします。まずは金谷さんが理容師を目指すことになったきっかけを教えてください。

金谷氏：よろしくお願いします。私は、主人が理容師だったこともあり、結婚を機にこの道に進みました。はじめは主にシェービングを担当していたのですが、当時、女性のお客様から「男性の目線が気になって入りづらい」といった声をいただくことが多く、そうした声に応えるかたちで、よりリラックスしていただける完全個室のプライベート空間での施術へと切り替えました。

バーバーなび：結婚をきっかけに免許を取得され、ご主人のサロンで経験を積まれたのですね。

金谷氏：はい、そうです。現在はレディースシェービングに特化したサロンを運営していますが、当時は主人がカットを、私がシャンプーや仕上げを担当することもありました。もともとは建築関係の仕事をしていたので、理容とはまったく縁のないところからのスタートでした。そういう意味では、少し珍しい経歴かもしれませんね。

バーバーなび：理容業界全体に対してどのような思いや考えをお持ちですか？

金谷氏：理容師の高齢化が進み、昔ながらの町のサロンが少しずつ姿を消しているのを感じます。その影響で、「通いたいのに、行くところがなくなってしまった」とおっしゃるお客様に出会うこともあり、寂しさを覚える瞬間があります。だからこそ、これからの理容業界を支える若い世代がもっと増えてくれたらと思います。

バーバーなび：理容師を志す若い世代を増やすために、今後取り組みたいことはありますか？

金谷氏：はい。ありがたいことに、専門学校にお招きいただく機会があり、生徒さんにシェービングを体験していただいたり、お話をさせていただいたりしています。そうした現場で直接アドバイスをすることで、少しでも生徒さんたちの力になれたらと思い、育成に取り組んでいます。ときには、私自身がモデル役となって「こうするともっと良くなるよ」と具体的に伝えることもあります。小さなきっかけでも、誰かの背中を押せる存在でいたいと思っています。また、シェービングを受けたことがない方の中には、「痛いのでは？」といった不安をお持ちの方もいらっしゃいます。私はフローシェービングのインストラクターとしても活動しており、よりやさしく、心地よい施術があることを、もっと多くの方に知っていただきたいと考えています。

バーバーなび：インストラクターとしての活動や、専門学校での取り組みを通じて、これからも理容業界を支える若い世代を育てているのですね。

バーバーなび：それではこだわりを教えてください。

金谷氏：お客様にゆっくりとくつろいでいただくために、「癒し」の部分には特にこだわっています。完全個室の空間で、理容室とは分けて営業していることもあり、リラックスしていただける環境づくりを意識しています。こうしたスタイルにしてからは、「落ち着いて過ごせた」といったお声をいただく機会も増え、満足度が目に見えるかたちで感じられるようになりました。また、空間の雰囲気もあってか、これまでよりも若い世代のお客様にも足を運んでいただけるようになったと感じています。

バーバーなび：「くつろげるかどうか」が、サロン選びの大きなポイントになっているお客様も多そうですね。

バーバーなび：どのようなお客様にお店に来て欲しいですか？

金谷氏：男性がいるサロンに入ることに抵抗を感じている方に、ぜひお越しいただきたいと思っています。女性専用の空間で、まわりを気にせず安心してシェービングを受けていただける環境をご用意していますので、リラックスして施術を受けていただけるかと思います。また、「シェービング＝痛いのでは」と思われている方も少なくないようですが、私は先ほどもお伝えした通り痛みの少ない、やさしい施術を心がけています。そういった体験を通して、理容の良さを一人でも多くの方に知っていただけたら嬉しいですね。

バーバーなび：この落ち着いた空間で、安心して施術を受けてくださる方がもっと増えていくと素敵ですね。

バーバーなび：理容師を目指す若者に向けたメッセージをお願いできますか。

金谷氏：理容と聞くと、美容に比べて華やかさが少ないとか、少し地味な印象を持たれることもあるかもしれません。でも、人を綺麗に整えるという繊細な仕事であり、細かな技術を丁寧に積み上げていく理容には、他にはない素晴らしさがあります。

バーバーなび：他業種から理容業界を目指す方へのメッセージもいただけますか？

金谷氏：理容師を目指すのに、他の業種からの転向というのはきっと勇気がいることだと思います。最初は不安も多いかもしれませんが、焦らずコツコツと努力を続けていけば、必ず技術は身につきますし、自信もつきます。理容は、積み重ねた分だけ必ず自分に返ってくる世界です。諦めずに、一歩一歩進んでいってください。心から応援しています。

バーバーなび：素敵なメッセージをありがとうございました。