THE STYLIST INTERVIEW
理容師特集
ヘアーサロンフジタ 藤田 尚也
今回は以前バーバーなびでご紹介させていただいた佐々木 綾菜さんにご紹介いただき、ヘアーサロンフジタの藤田 尚也さんを取材させていただいた。藤田氏は、地域に根ざし、確かな技術で魅力を引き出しながら、古き良さに新風を吹き込み、日々研鑽を重ねる髪技理容師だ。
CREDIT : Photo/Yuki 文/Yuki 編集/Manami(バーバーなび)
ヘアーサロンフジタ
藤田 尚也
理容師歴:17年
出身校:横浜商業高等学校別科(Y校別科)
出身地:神奈川県
得意技術:フェード、アイロンパーマ
得意スタイル:かっこいい男らしい清潔感のあるスタイル
こだわり:お客様の好みや髪質、様々な状態に対応できるよう、バリカン、スタイリング剤、保護する薬剤など、道具やツールを豊富に揃えること。
趣味:野球観戦(横浜DeNAベイスターズ)、洋服、ライブ鑑賞
サロン紹介
まずはサロンへの道順をご案内しよう。本厚木駅からは約1.8kmとやや距離があるため、余裕を持って来店していただきたい。本厚木駅より「まつかげ台」行きのバスに乗車すれば約7分、最寄りバス停は「木売場」である。
当サロンは、創業42年。古き良き店構えの中に磨かれた道具が整然と並び、誠実な仕事ぶりが空気ににじむ理容室。飾らず、気負わず、日常の身だしなみを任せられる場所であり、落ち着いた空間の中で日々の整えを託せるサロンであるに違いない。
理容師を目指したきっかけ
バーバーなび: こんにちは。本日はよろしくお願いいたします。まず、藤田さんが理容師を志したきっかけをお聞かせください。
藤田氏: よろしくお願いいたします。高校は商業高校で、周囲の生徒は就職活動に励んでいましたが、私は履歴書の作成や面接、企業へのお礼状など、就職活動に付随する一連の作業に抵抗がありました。一方で、目的を持たないまま大学へ進学する選択も適切ではないと考えていたところ、中学校の三者面談で先生から「せっかくご実家が理容店を営んでいるのだから、継げば親孝行になる」という言葉を思い出し、親孝行につながるのであれば悪くないという思いから、理容の道に進むことを選びました。
バーバーなび: ありがとうございます。では専門学校を卒業されてすぐに実家へ戻られたのでしょうか。
藤田氏:いいえ。卒業後はすぐに戻らず、横浜市鶴見にあった理容店に勤務し、5年間修業を積みました。そこで技術や接客を基礎から学び、その後、実家を継ぐことにしました。実家を継いでからは、現在でおよそ12年になりますね。実家で働きながら、友人の店を手伝うこともあり、幅広く現場を経験してきました。
理容業界への思い
バーバーなび: 理容業界全体に対して、どのような思いや考えをお持ちでしょうか。
藤田氏:現在、フェードスタイルの流行に伴い、理容師による有志団体が次々と立ち上がっています。そのような動きの中で、私が重要だと考えているのは、理容という職業が「かっこいい」と評価される状況をつくることです。現代は「良い大学から良い企業へ」という進路が特権的に扱われ、技術職やサービス業が軽視されがちな風潮があるように感じています。だからこそ、理容という仕事が持つ魅力や価値を積極的に示し、バーバーバトルなどの活動を通じて「理容師は誇れる職業である」と実感してもらえる人が増えることを願っています。
バーバーなび: その「かっこよさ」を広める取り組みとして、今後取り組んでいきたいことはありますか。
藤田氏:今年6月に、初めてバーバーバトルに出場しました。今後も機会があれば積極的に参加したいと考えています。また、理容業界の魅力を広く伝えるためには、インスタグラムをはじめとした情報発信が欠かせません。私の店は規模こそ大きくありませんが、「前回はこのような講習に参加した」「次はバーバーバトルに挑戦する」といった取り組みをお客様に伝えることで、理容師が日々研鑽を積んでいる姿を知っていただきたいと考えています。個人としての取り組みに留まらず、一人ひとりが積極的に発信を行うことで、業界全体の発展に寄与できると感じています。
髪技理容師としてのこだわり
バーバーなび: それでは、こだわりについてお聞かせください。
藤田氏:理容師として最も重視しているのは、法律にも定められているとおり、お客様の身だしなみを整え、魅力を最大限に引き出すことであると考えています。そのためには、幅広いご要望に応えられるよう、道具類やツールを豊富に揃えることが欠かせません。具体的には、カットに用いるバリカンやスタイリング剤はもちろん、ブリーチを施している方や、前回とは異なる種類のパーマを希望される方など、多様な髪質や施術内容に適応できる薬剤も多数用意しています。こうした備えが、お客様一人ひとりへの的確な施術につながると考えています。
バーバーなび: 技術面の向上についても取り組まれていることはありますか。
藤田氏:日々の学習と技術習得は、私にとって重要なこだわりです。新しい技法や流行を継続的に取り入れるよう努めており、バーバーバトルへの参加や観戦、各所セミナーへの参加を通じて、他の理容師が持つ技術から刺激を受ける機会も得ています。地域の床屋であっても「こんなことできるんだ!」と感じていただけるような確かな技術を提供し続けることこそが、私の大きなこだわりです。
お客様へのメッセージ
バーバーなび: どのようなお客様に来店していただきたいとお考えでしょうか。
藤田氏:当店は駅前ではなく、やや離れた住宅街に位置しているため、サラリーマンの方から高齢の方まで幅広い層にご来店いただいています。特に、30代後半頃から美容室に通うことに抵抗を感じ始めた方や、スタッフ数の多い大型店の雰囲気が合わないと感じる方に、気軽に利用していただきたいと考えています。予約制ではないため、「髪を切りたい」と思った時に構えることなく立ち寄れる、地域の床屋としての気軽さを感じていただければ嬉しく思います。
バーバーなび: 地域に根ざしながらも、気負わずに来られる店づくりを続けていらっしゃるのですね。
藤田氏:その通りです。昔ながらの床屋として、お客様同士の「最近どうしている」などの会話が自然に生まれる場としての役割も担っています。そのような地域コミュニティとしての良い部分は大切にしながら、技術面では新しいことにも積極的に取り組んでいます。また、足の悪い高齢のお客様の送迎を行うなど、地域への貢献もさらに広げていきたいと考えています。
未来の理容師に向けたメッセージ
バーバーなび: 理容師を目指す若い世代に向けて、メッセージをお願いいたします。
藤田氏:若い方の多くは、理容師という職業に対して「かっこいい」という印象を抱き、業界の門を叩いてくれていると感じています。しかし、その実態は地道な積み重ねの連続です。日々の練習や、休みを使った技術習得など、決して楽な道ではありません。それでも、続けることで確かな技術は必ず身につきますし、努力した分が必ず自分に返ってくる職業でもあります。途中で挫けることなく、とにかく継続する意志を持ち続けてほしいと考えています。
バーバーなび:今振り返って、在学中に「意識しておくべきこと」などはありますか。
藤田氏:在学中にもっと練習に取り組むべきだったと感じています。私は専門学校時代、「卒業できれば十分」「就職してから本気で取り組めばよい」という甘い考えを持っていました。その結果、就職後に苦労が続きました。だからこそ、在学中から技術習得に真剣に向き合い、学ぶ姿勢や練習する習慣を身につけておくことが重要です。その積み重ねは、必ず将来の自分を支える力になります。
バーバーなび: 本日は貴重なお話をありがとうございました。