THE STYLIST INTERVIEW
理容師特集
Hair Salon ONOホテルニューオータニ ザ・メイン店 大久保 智
今回はVol.12で特集させていただいた -BARBERING METHODの若林さんと同じHair Salon ONOグループ店であるホテルニューオータニ ザ・メイン店のトップスタイリストを務める大久保智さんに取材させていただける事になった。バーバーなび特集では初めてのホテル内サロンということもありいつも以上に身嗜みに気をつけて訪問してきたので早速、大久保氏のプロフィールとサロンの紹介を進めていこう。
Hair Salon ONO ホテルニューオータニ ザ・メイン店
大久保 智
出身地:東京都江東区
理容師歴:20年
出身校:中央理美容専門学校
得意技術:ヘッドスパ
得意スタイル:清潔感のあるフォーマルなスタイル・フェードカット(骨格に合わせたショートスタイル)
趣味:体を動かすこと
サロン紹介
当サロンは赤坂のホテルニューオータニ地下一階アーケード街に構えているホテル内サロンだ。地下鉄有楽町線麹町駅、丸の内線赤坂見附駅に加えて半蔵門線永田町駅や四ツ谷駅など複数の路線からのアクセスが可能だ。ホテルのメインエントランスに入り、エレベーターで地下階に降りてすぐ右手の角にサインポールが見えるので迷うことはないはずだ。 赤坂ニューオータニという歴史あるホテルにあるサロンと言うこともあり高級感やホテルクオリティの接客だけでなく、お客様の要望に合わせたカウンセリング重視のサービスを展開されているそうだ。ホテル内サロンだと宿泊客の利用がメインかと思いきや、都内各地から車を走らせ、一流のサービスを求めてわざわざ足を運ぶご来店も多いそうだ。有名企業の会長様や社長様、テレビで目にする政治家のお客様、誰もが知る著名人など様々なお客様が集う。またスタイリストやスタッフの方も超ベテランの方が揃い踏みで、安心・安定した技術・高品位な接客で根強いリピーターが多く来店されるとのこと。
サロンの中は、贅沢にとられたゆとりのある個室を始め流石のホテルクオリティで日々の喧騒を忘れゆったりと身嗜みを整えることが出来る。ヘアサロンのグループとしてのコンセプトはあるが、あえて強調するのではなくホテルニューオータニのブランドを守りつつ、お客様に寄り添った形で共存共栄を目指した運営を心がけていらっしゃるそうだ。 それでは今回の主役である大久保氏のインタビューを進めて行きたい。
理容師を目指したきっかけ
バーバーなび:こんにちは、本日はよろしくお願いします。まず大久保さんが理容師を目指すことになったきっかけを教えてください。
大久保氏:はい。よろしくお願いします。実は私理容師になる前はスタントマンをやっていました。危ない現場も相当経験しましてね。ある下水道の現場で仕事があった際に、大雨が降りまして後もう少し待避が遅れていたら死んでしまっていたかも知れないなんて事がありました。
バーバーなび:なるほど、それはなかなか興味深いですね。
大久保氏:その時に「どこで死にたいか?」って考えた時に「綺麗なところで死にたいな」と。では綺麗なところはどこなんだ?の延長で考えていった時に「人を綺麗にする場所」だと思い理容師になろうと思ったのがきっかけになりました。
バーバーなび:家業は理容とは無関係ですか?
大久保氏:はい。実家は実は喫茶店でして、父を見て手に職をつけたいなと思ったと言うのもきっかけの一つで、元々髪を切られるのも、切るのも好きだったので国家資格を取るという意味でも理容師を目指しました。
理容業界への思い
バーバーなび:理容業界全体に対してはどのような思いや考えをお持ちですか?
大久保氏:床屋だったり理容師だったり伝統的な言葉や技術も大事なのですが、理容師さん個人の個性が本来武器になるのではないかと思います。会社やサロンの打ち出すコンセプトが全てではなくて、そこに勤めているスタッフの個性を全面的に打ち出していけるような土壌ができると良いなと思います。
このお店で切るではなく、この人に切って欲しいと思っていただけるから長く足を運んで頂けるお客様が多いはずなのでそういった意味で、技術者とお客様のつながりが今後もより重要になると思いますよ。
バーバーなび:まさにバーバーなびは大久保さんのおっしゃるような人で繋がるサイトづくりを目指しています。
髪技理容師としてのこだわり
バーバーなび:ありがとうございます。それではこだわりを教えてください。
大久保氏:ヘッドスパにこだわっています。
バーバーなび:それはなぜですか?
大久保氏:体の構造や骨格や筋肉が好きというのもありますが、私自身あまり力を入れたマッサージが好みではなくて、徐々に力を入れてトリガーポイントを掴むといったマッサージの専門知識を独学で調べているうちに、この知識を理容のヘッドスパに活かせるのではと思い、研究しているうちに好きになってしまったというところにあります。
バーバーなび:カットサービスでのこだわりはありますか?
大久保氏:技術的なことで言いますと鋏を使ったカットはこだわりを再現しやすいポイントになります。お客様お一人お一人骨格が違うわけですから、そこは上手く見極めて骨格に合わせたショートスタイル、今で言うところのフェードカットにも対応しています。また技術以上にツールも進化していますのでツールの選定や準備も含めてこだわりを持っています。と言うのもお客様の希望に寄り添ったサービスを心がけておりますので、道具が無い事が理由で出来ませんは、あってはならない事だと思います。
お客様へのメッセージ
バーバーなび:どのようなお客様にお店に来て頂きたいですか?
大久保氏:当サロンのお客様は、ホテルもサロンの歴史も長いので、30年来の常連様も来られます。その中でこの素晴らしきバーバーサービスを、より広い世代へも知っていただきたい、このバーバーサービスの感動を感じていただきたいと考えております。そういう意味では若い世代が好むスタイルであったり、健康ブームでもありますので頭皮やリフレッシュ・リラックスなどをテーマに内面の部分を改善していけるような付加価値をつけたサービスはもっと充実はさせていきたいですね。
未来の理容師に向けたメッセージ
バーバーなび:理容師を目指す若者に向けたメッセージもお願いできますか?
大久保氏:そうですね。例えば理容師になる適齢期は無いと考えています。もちろん若い方が体力や感性の部分で有利だとは思いますが、なりたいな!と思った時にスタートしても全く遅いとは思いません。
理容師以外の仕事からの転職であっても、経験したことは決して無駄になるわけではありませんし、逆に他業種の経験があるからこそ打ち出せる個性であったり、お客様への提案の幅を生む事に繋がることもあるくらいです。そう言う意味で、今すぐ目指すのも良いですし、進学する、会社員になる、その後理容師を目指しても遅すぎることは無い仕事・業界なので安心して欲しいと思います。