T’s BARBER AYASE　室谷 晋

バーバーなび：こんにちは、本日はよろしくお願いします。まずは室谷さんが理容師を目指すことになったきっかけを教えてください。

室谷氏：よろしくお願いします。私が理容師を目指したきっかけは、やはり父親が同じ理容業界の人間だったことが大きいです。子供の頃から父親に髪を切ってもらい、様々な注文をしては、いつもかっこよく仕上げてもらっていました。その経験を通して、いつか自分も人の髪を切り、かっこよく、そして綺麗にしたいと感じるようになりました。

バーバーなび：ありがとうございます。お父様の影響が大きかったのですね。

室谷氏：はい。今では自分も父がしてくれたように、家で子供たちの髪を切り、注文を聞きながら仕上げています。

バーバーなび：理容業界全体に対してどのような思いや考えをお持ちですか？

室谷氏：理容業界は、美容業界に比べてどうしても華やかさに欠ける部分があり、昔から後継者不足で衰退傾向にありました。しかし、最近はバーバースタイルが流行するなど、少しずつ業界全体に活気が戻ってきていると感じています。私としては、これからもっと若い人たちが「理容師になりたい」と思えるような、魅力的な情報を積極的に発信していきたいと考えています。ただ、業界全体の給料水準が低く、若い世代が十分に稼ぎにくい環境であることも事実です。この点に関しては、もう少し若い理容師が働きやすく、稼ぎやすい環境を整える必要があると感じています。休みについても、昔と今の時代では働き方の価値観が変化しているので、きちんと休みが取れるような環境作りが重要になってくるのではないかと思っています。

バーバーなび：若い世代が目指しやすい環境づくりが必要だということですね。具体的にどのような変化を期待しますか？

室谷氏：給与面はもちろんですが、働き方そのものの多様性も重要だと考えています。例えば、休みをしっかり取れるようにすることや、練習時間についても効率化を図り、常にハードな環境というイメージを払拭することです。業界全体として、理容師という仕事がもっと魅力的なキャリアパスとして認識され、単に稼ぐだけでなく、充実した生活を送れる職業であることをアピールしていく必要があるのではないかと感じています。

バーバーなび：それでは理容師としてのこだわりを教えてください。

室谷氏：まず第一に、技術がうまいのは当たり前だと思っています。その上で、お客様が限られた時間内でいかに気持ち良く、かっこよくなってもらい、「また次もこの人にやってもらいたい」と思ってもらえるようなサービスを提供することです。お客様はインターネットなどで多くの情報を得ている時代ですから、私自身も常にアンテナを張り、YouTubeや様々なネット情報から新しい技術やスタイルを取り入れ、お客様に遅れをとらないように日々勉強しています。例えば、新しいパーマスタイルが出てくれば、それがどんなものか、どうすればお客様に喜んでもらえるかを常に考え、引き出しを多く持つように心がけています。また、毎日のセットが楽になるようなパーマを提供することも、長く大切にしているこだわりの一つです。

バーバーなび：お客様との信頼関係を築くために、常に学び続けていらっしゃるのですね。

室谷氏：はい、お客様の期待を超えるためには、技術力の向上だけでなく、トレンドへの敏感さも不可欠です。時にはお客様から「こんなスタイルもあるよ」と教えていただくこともあり、それが私自身の学びにつながることもあります。だからこそ、常に新しい情報を取り入れ、技術として提供できるよう準備しておくことが、お客様にとって最高のサービスを提供するために必要なことだと考えています。

バーバーなび：どのようなお客様にお店に来て欲しいですか？

室谷氏：当サロンは住宅街にありますので、昔から小さなお子様から学生さん、サラリーマンの方、そしてお年寄りの方まで、本当に幅広い世代の方にご利用いただいています。これからも、そういった多様な世代のお客様に、もっと気軽に足を運んでいただきたいと思っています。特に、若い頃は美容室に通っていたけれど、年齢的に行きづらくなったと感じている方や、従来の床屋にはあまり行きたくないけれど、少しおしゃれな雰囲気のお店で髪を整えたいと考えている方には、ぜひ一度来ていただきたいですね。当店は美容室と昔ながらの床屋の中間のような、都会的すぎず、リラックスできる空間を提供しています。自転車で気軽に立ち寄れるような、そんなアットホームな雰囲気も自慢です。

バーバーなび：幅広いお客様に、美容室のようなおしゃれさと理容室の気軽さを兼ね備えた空間を提供されているのですね。

室谷氏：まさにその通りです。男性のお客様の中には、美容室は入りづらいと感じる方も少なくありませんが、かといってあまりに昔ながらの床屋の雰囲気も望まないという方もいらっしゃいます。そういった方々に、当サロンが「ちょうどいい」と感じていただけたら嬉しいです。どんなお客様にも、心地よく、そしてかっこよくなれる場所として、これからも皆さまのご来店をお待ちしております。

バーバーなび：理容師を目指す若者に向けたメッセージをお願いできますか。

室谷氏：理容師の仕事に限らず、どんな仕事でも同じですが、一人前の技術者としてデビューするまでの道のりは長く、大変なことも多いでしょう。しかし、毎日の練習や努力は決して無駄にはなりません。努力すればするほど、活躍できる場は広がり、お客様から「ありがとう」という感謝の言葉や、喜びを直接いただける、これほどやりがいのある仕事は他にないと思っています。練習は、やればやるだけ必ず自分自身に返ってきますから、そこは決して手を抜かず、頑張ってほしいです。

バーバーなび：学生時代にやっておくといいよと言ったアドバイスがあればお願いします。

室谷氏：技術練習はもちろん大切ですが、プライベートでも様々な場所に出かけたり、色々な情報に触れたり、ファッションなどにも気を配ったりして、多様な経験を積むことも非常に重要だと思います。そういった経験は、お客様とのコミュニケーションにも必ず生きてきますからね。技術力があるのは大前提ですが、お客様は髪を切ってもらうだけでなく、会話や空間も含めて「人」に魅力を感じてくださいます。様々な経験を通して培われた引き出しや知識は、お客様との会話を豊かにし、より深い信頼関係を築く上で大きな力となります。技術と人間力、その両方を磨くことが、理容師として長く活躍し、お客様に愛される存在になるための鍵だと信じています。

バーバーなび：素敵なメッセージをありがとうございました。