THE STYLIST INTERVIEW
理容師特集
B-RAD BARBER 山本 卓士
今回は以前バーバーなびでご紹介させていただいたNEW DAY BARBER SHOPの新出 航也さんにご紹介いただき、B-RAD BARBERの山本 卓士のさんに取材させていただいた。山本氏は理容師歴5年。お客様の要望を丁寧に引き出し、最適な技術と提案へと落とし込むことを得意としている。常に相手を思いやる姿勢を土台に、「日本の男子をもっとかっこよくしたい」という信念を持ち、日々の施術に向き合う髪技理容師だ。
CREDIT : Photo/Yuki 文/Yuki 編集/Manami(バーバーなび)
B-RAD BARBER
山本 卓士
理容師歴:5年
出身校:国際理容美容専門学校
出身地:神奈川県
得意技術:メンズカット✖️パーマ
得意スタイル:フェードカットとパーマのスタイル
こだわり:お客様のお声を聞き、それに合う最適な技術の提案を心がけること。また雰囲気に合わせたカットスタイルの提案。
趣味:ゴルフ、サバゲー、理容師
サロン紹介
まずはサロンまでの道順を案内する。新横浜駅のJR北口を出て、日産スタジアム方面へ進む。セブン‐イレブン(野村不動産新横浜ビル店)の先に、新横浜駅前公園に沿う通りがある。そのまま進むと、マンションが並ぶ一角に、テナントのみが入った3階建ての建物が見えてくる。その建物の3階が当店だ。 Googleマップでは 「B-RAD BARBER」 と検索してほしい。 ※新築物件のため、住所検索では 「天明崇税理士会計事務所」 と表示される場合がある。
B-RAD BARBERは、新横浜エリアのビジネス街と住宅街のちょうど中間に店を構える。 プライベート性を重視した「個室空間」を備えた、数少ないバーバーだ。 店内はオーナーがほぼ全てをデザインしている。過度な装飾を排しつつも温度のある空気感を保ち、カフェのように肩の力を抜ける空間に仕上げている。落ち着き、集中し、整う。そのための環境がここにはある。
理容師を目指したきっかけ
バーバーなび:こんにちは、本日はよろしくお願いします。まずは、山本さんが理容師を目指したきっかけを教えてください。
山本氏:よろしくお願いします。高校時代から、絵を描くことや手を動かして作品をつくることに関心がありました。また、人に対して興味を持っていたこともあり、「人を介して作品をつくり、その場で直接感謝の言葉をいただける仕事」に魅力を感じていました。ただ当時は、いわゆるジャニーズ文化の影響が強く、毛先を散らした軽いスタイルが主流で、自分が理想とする「男らしさ」を基盤としたバーバースタイルが前面に出る時代ではありませんでした。
バーバーなび:なるほど。元々は作品づくりと対人への関心がありつつ、ご自身が理想とするスタイルが社会の潮流として現れるのを待っていたということですね。
山本氏:
はい。そのため、バーバースタイルが再び注目される流れが生まれるまでは、あえて他業種で経験を積んでいました。そして「今なら行ける」と確信できるタイミングが訪れ、この業界へ進む決意をしました。
私は何かに挑戦する際、恐れよりも期待や高揚感が先に立つ性格なので、自分の中で「今だ」と感じた流れにそのまま乗る形でこの道を選びました。
理容業界への思い
バーバーなび:理容業界全体に対して、どのような思いや考えをお持ちですか?
山本氏:現在の理容業界は、働いている人材の年齢層が比較的高いという印象があります。だからこそ、私たちのような若い個人オーナーが、洗練された空間で質の高いスタイルを提供し続けることで、若い世代がメディアやSNSを通じて理容の魅力に触れ、「自分も理容師を目指してみたい」と思えるきっかけをつくっていきたいと考えています。
バーバーなび:若い方々にとって、憧れや目標となる存在が必要ということですね。
山本氏:はい。私自身も一度別の仕事を経験した上で転職し、この道に進みました。転職後でも自分の店を持ち、自分のこだわりを形にできるのが理容師という職業です。その魅力をもっと多くの人に伝えていきたいと思っています。
そして、業界全体がさらに活性化していくためには、若手が活躍し、自分らしい理容を追求できる環境づくりが不可欠だと考えています。
髪技理容師としてのこだわり
バーバーなび:それでは、理容師としてのこだわりを教えてください。
山本氏:
こだわりは大きく二つあります。まず一つ目は、店内の空間づくりです。内装はほとんど私自身が手掛けていますが、自分の好みを反映しつつも、お客様の目線で「落ち着きやすい」「居心地が良い」と感じていただける空間になるよう意識しています。また、横浜では珍しい“半個室によるマンツーマン接客”の環境を設けており、カフェにいるような穏やかな空気感の中で、ゆっくりと過ごしていただけることを大切にしています。
バーバーなび:個室で過ごせる理容室は、確かに貴重な存在ですね。技術面でのこだわりについても教えてください。
山本氏:
技術面、そして接客面においては、お客様に合わせた臨機応変な対応を心がけています。楽しい会話を楽しみたい方もいれば、静かにリラックスしたい方もいらっしゃいます。なので、最初のお客様の空気感や雰囲気をしっかり見て、話すペースや距離感を自然に調整するようにしています。
技術提案に関しても、まずはお客様のご要望を丁寧に受け止め、そのうえで髪質や生え方、癖といった要素を踏まえて、より似合うスタイルをご提案することを最も大切なこだわりとしています。
お客様へのメッセージ
バーバーなび:様々なお客様がいらっしゃると思いますが、どのような方に来店してほしいと考えていますか?
山本氏:当店は、ビジネス街と住宅街のちょうど中間に位置していることもあり、ありがたいことに10代から70代まで、本当に幅広い年代の方にご利用いただいています。そのため「この世代に来てほしい」「こういうタイプの方だけに」といった限定は特に設けていません。
バーバーなび:幅広い年代の方に開かれたサロンということですね。
山本氏:はい。年齢や職業にかかわらず、「会話を楽しみたい方」も「静かに過ごしたい方」も、その時間を自然体で過ごせる空間でありたいと思っています。スタイルの仕上がりはもちろんですが、ここで過ごす時間がリラックスや気分転換につながり、「また来たい」と感じていただけることを大切にしています。そうした時間を求めている方に、ぜひ来ていただけたら嬉しく思います。
未来の理容師に向けたメッセージ
バーバーなび:理容師を目指す若い方々に向けて、メッセージをお願いできますか。
山本氏:理容師という仕事は、「かっこよさ」をつくり上げることを本質とした職業だと考えています。これから理容師を志す方には、まず自分のこだわりよりも「目の前のお客様をどうかっこよくするか」を大切にしてほしいと思っています。そのためには、「スタイルの提案」「こだわりの提案」、そして「落ち着いて過ごせる空間の提供」の三つが重要になります。この三つを丁寧に積み重ねていけば、自ずとお客様は信頼してくださいます。
バーバーなび:やはり、お客様を中心に考える姿勢が大切なのですね。
山本氏:はい。自分中心ではなく、「相手のために」という思いやりを軸にしてほしいです。この仕事は、単に技術を提供するだけではなく、お客様としっかりと向き合い、会話を通して気持ちも共有できる場でもあります。施術が終わった帰り際に「ありがとう」と言っていただけることは、理容師として何よりの喜びです。この仕事には、人の気持ちに寄り添いながら、その人の魅力を引き出せる力があります。思いやりを持って、目の前の人をより良くしていく。その積み重ねが、日本の男性をもっとかっこよくしていくことにつながると信じています。みんなで協力しながら、これからの理容の未来をつくっていきましょう。
バーバーなび:素敵なお話をありがとうございました。