バーバーウテナ早稲田本店 山崎 友揮

今回は新宿周辺で理容室をリサーチしていたところ、バーバーウテナ早稲田本店さんを見つけ、取材を申し込むと山崎友揮さんが応じてくださった。山崎氏は理容師歴10年。技術はもちろん、リラックスできる空間づくりと丁寧な接客を大切にしている髪技理容師だ。

CREDIT : Photo/Yuki 文/Yuki 編集/Manami(バーバーなび)

バーバーウテナ早稲田本店

山崎 友揮

理容師歴:10年
出身校:国際理容美容専門学校
出身地:東京都
得意技術:似合わせ
得意スタイル:2ブロックショート (ビジネス、オフどちらでも対応可能なスタイル)
こだわり:お客様の日常で扱いやすいようにカットすること
趣味:サウナ

サロン紹介

当サロンは早稲田駅から徒歩3分。1番出口を出て鶴巻南公園方面へ進み、早大通りへ。信号を渡って右折すれば、すぐに左手に当サロンが現れる。早稲田大学からも徒歩3分という便利な場所に位置している。

アットホームで気軽に立ち寄れる雰囲気の中に、高級感のある理容椅子を備え、月に一度のメンテナンスに最適な空間を提供する当サロン。早稲田の地で50年以上の歴史を刻み、伝統を大切にしながらも時代に即した進化を続けている。

理容師を目指したきっかけ

バーバーなび:こんにちは、本日はよろしくお願いします。まずは山崎さんが理容師を目指すことになったきっかけを教えてください。

山崎氏:よろしくお願いします。もともと勉強が好きで、4年制大学を卒業後、教育業界に興味を持ち、塾講師になりました。小学生や中学生を教えていましたが、理想と現実のギャップを感じ、半年ほどで辞めました。その後、2年ほどは他業種でアルバイトをしながら「自分はもっとできるはずだ」と思い込みつつ、迷い続けていました。

バーバーなび:ありがとうございます。そこから理容の道へ進まれたのは、どのようなきっかけがあったのでしょうか。

山崎氏:23、4歳になり「このままではまずい」と感じた頃、実家で父と母が理容業を営んでいたこともあり、見習いとして手伝ってみようと思ったのが始まりです。そこで1時間の中でカット、顔剃り、シャンプーを行い、お客様が「ありがとう」と言って気持ちよく帰っていく。その一連の流れがとてもシンプルで、そして素晴らしいと感じました。回り道を経て24歳でようやく「これだ」と思えました。思春期の頃は、正直「かっこいい子は美容師に行く」という風潮があり、実家が理容室というのは少しダサいと感じて嫌だったこともありました。でも他業種を経験したことで、理容の持つ良さや魅力に気づけたのだと思います。

理容業界への思い

バーバーなび:理容業界全体に対して、どのような思いや考えをお持ちですか。

山崎氏:理容業界は、従来の良さを残しながら、さらに発展していければと思っています。以前は組合の力が強く、同じ休み、同じ料金で、出る杭は打たれるという風潮があったため、美容室との間に差が生まれてしまいました。しかし近年はバーバーブームが起き、フェードなど理容ならではの高度な技術が世間に認められるようになり、巻き返しが始まっていると感じます。

バーバーなび:今後、特に取り組んでいきたいことはありますか。

山崎氏:私ができるのは小さな範囲からですが、まずはお店からしっかりと取り組んでいきたいと思います。単価を上げ、それに見合う価値をお客様に提供し、「高くても来る価値のある店だ」と認めてもらえることが一つの目標です。そして、料金を上げたら、それに応じて従業員の給料も適正に上げる。日本人の平均年収である400~500万円に届き、休みもきちんと取れる。そんな循環を作りたいと考えています。

髪技理容師としてのこだわり

バーバーなび:それでは、こだわりを教えてください。

山崎氏:一言でいうと、お客様を雑に扱わないことです。うちはマンツーマンで施術を行い、お客様の日常をイメージしながらカットしています。切ったら終わりではなく、毎朝鏡を見てセットする姿を1ヶ月後まで想像しながらハサミを入れる。さらに、セットの仕方を伝えたり、名前をきちんと呼んだり、笑顔で対応したり、時間を守るといった基本を徹底しています。

バーバーなび:お客様を大切にするという意識を、スタッフの方々とも共有されているのですね。

山崎氏:そうですね。私自身が他のサロンで髪を切ったとき、日本の理容室や美容室は全体的に丁寧ではありますが、その中で細かい部分において雑に感じることがありました。だからこそ、私の店では「スタッフが自分を大切に扱ってくれている」「細部まで丁寧に過ごせる」とお客様に思っていただけるよう心がけています。

お客様へのメッセージ

バーバーなび:どのようなお客様にお店に来て欲しいですか?

山崎氏:例えば、ブリーチを用いたカラーや最先端のトレンドを積極的に取り入れたい方には、原宿や渋谷といったエリアのサロンの方が適していると思います。当店ではブリーチメニューを設けていないため、そのようなニーズには沿わないのが実情です。

バーバーなび:なるほど。求めるサービスによって、来店されるお客様の層も異なるということですね。

山崎氏:はい。その一方で、月に一度安定して通い、落ち着いた時間を過ごしながら丁寧な施術を求める方には当店を選んでいただきたいと思っています。安心して任せられる場所としてご利用いただけるよう努めていますので、その点に価値を感じてくださるお客様に来ていただければ幸いです。

未来の理容師に向けたメッセージ

バーバーなび:理容師を目指す若者に向けたメッセージをお願いできますか。

山崎氏:現在、理美容業界は従来の厳しさから改善が進み、残業がなくなり、パワハラも減少し、休みも取りやすくなるなど待遇が良くなってきています。一見すると働きやすい環境が整いつつありますが、長期的に見ると逆効果になる可能性もあると考えています。私は、むしろ若いうちに厳しい環境を経験しておく方が、人としても理容師としても成長できると考える立場です。私自身、5年間修行した店は風呂も洗濯機もなく、オーナーが絶対的な存在という非常に厳しい住み込みの環境でした。しかし、そうした経験を重ねたことで、後々のキャパシティが広がり、単価を上げられる力や技術の幅が培われたと実感しています。若いうちから整った環境に身を置くと、逆に伸び代が少なくなってしまうこともある。だからこそ、最初は待遇ではなく技術を優先して学ぶことが大切だと思います。古くから言われる「石の上にも三年」という言葉がありますが、それを信じて厳しい環境で鍛えられることが、将来的には確かな実力と大きな可能性につながる。私は、この想いを未来の理容師を志す方々に伝えていきたいと思います。

バーバーなび:素敵なメッセージをありがとうございました。

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