
今回は表参道エリアで髪技理容師に出会うためにリサーチをしていたところ、OMOTESANDO BARBERさんを見つけたので取材を申し込むと渡邉 明宏さんがインタビューを快諾してくださった。渡邉氏は理容師歴25年、高校卒業後、美容に近いサロンでの経験を経て、現在は「お客様の黒子のような存在でありたい」と語る、笑顔の絶えない髪技理容師だ。
Profile
Akihiro Watanabe (渡邉 明宏)
OMOTESANDO BARBER 店長
理容師歴:27年
出身校:東京総合理容美容専門学校
出身地:福島県
得意技術:カット
得意スタイル:骨格、毛流れに似合わせたスタイル作り
こだわり:枠にハマりすぎないこと
趣味:カメラ、写真撮影、写真集収集、ミニカー収集、ラジコン
OMOTESANDO BARBER について

まずはサロンへの道順を案内する。表参道駅B1出口を出て左に直進する。セブンイレブンが見えたら左折し、右手に大きなバーバーポールが見える「青山グリーンプラザ」の2階が当サロンだ。

店内はセット面が3席あり、半個室の落ち着いた空間が広がる居心地抜群のプライベートサロン。お手頃な価格ながら、マンツーマンの丁寧な施術を提供しているのが魅力の一つだ。
お店の簡単な紹介が済んだところで早速、渡邉氏のインタビューを進めていくとしよう。

OMOTESANDO BARBER 渡邉 明宏氏
理容師を目指したきっかけ
バーバーなび:こんにちは、本日はよろしくお願いします。まずは渡邉さんが理容師を目指すことになったきっかけを教えてください。
渡邉氏:よろしくお願いします。中学生の頃、今は珍しいんですけど頭髪に厳しい学校だったんです。男子は部活関係なく坊主、女子はおかっぱって規則だったんですけど、校長先生が変わったことで頭髪自由!って革命が起きたんです。
そこで初めて整髪剤をつけて登校したら周りから「いいね!」って反応がたくさんあって、すごく嬉しかったんです。自分でも「髪型ひとつでこんなに変われるんだ!」と実感できて、ちょっと自信がついた瞬間でした。
その経験がきっかけで、髪に関わる仕事に興味を持つようになったんです。
バーバーなび:学校の校風が変わった中学時代が大きな影響を与えたんですね。
渡邉氏:そうですね。僕の母は美容師を目指したことのある人だったので母に切ってもらったり近所の床屋に切りに行っていたんですけど、そのたまに行く床屋が新鮮だったし、母の影響も少しはあったのかもしれないです。
バーバーなび:お母様も美容師を目指したことがあったんですね。

理容業界への思い
バーバーなび:理容業界全体に対してどのような思いや考えをお持ちですか?
渡邉氏:理容師のなり手が少なくなっていることを感じますね。
未来の若い世代がもっと理容の世界に入りやすくなるように、理容組合自体が変化していく必要があるのではないかな、と感じることもあります。
バーバーなび:美容と比べると理容の成り手不足は大きな課題ですね。
渡邉氏:そうですね。あとは、理容も美容も両方を見てきた中で感じるのは、決めつけずに物事を柔軟に考えることの大切さです。
僕自身、美容の技術も好きですし、理容の技術も好きです。だから、「俺は床屋だからこうしなきゃ!」と、あまり型にはまらないようにしたいと思っているんです。
それに、経験者の知識や価値観をお客様に押し付けるのは違うと思うんです。
例えば、「あなたにはこのスタイルは似合わないよ」と、自分の経験だけで判断してお客様に話すことはしたくないです。
お客様の持つ素材や個性をしっかり活かしたスタイル作りを大切にしたいんです。
最近流行っているバーバースタイルが若い人たちに受け入れられているのも納得できますよね。
理容のこれまでのイメージを覆すような、かっこいいスタイルが生まれたことが大きいと思いますし、このブームを無駄にさせないようにしたいって思います。
バーバーなび:確かに、バーバースタイルはこれまでの理容のイメージを変えるかっこよさがあって、今の若者にも受け入れられている印象がありますね。

髪技理容師としてのこだわり
バーバーなび:それではこだわりを教えてください。
渡邉氏:来てくださったお客様の背中を押せる存在でありたいと思っています。
どんなスタイルが似合うかわからないという方も、思い切って来店していただいたからには、「大丈夫です、お客様はかっこいいです!」と自信を持ってお伝えし、その方の素材を活かしながら、僕なりにピックアップしたかっこよさをヘアスタイルに乗せて提供することを心がけています。
自宅に帰られてからも扱いやすいスタイルに仕上げることも大切だと思っています。
ライフスタイルに合わせて、朝の1分でキマるスタイルを提案するのが理想ですし、逆にセットに時間をかけられる方には、もっと楽しんでいただけるようなスタイルを提案することもあります。
お客様が主役として舞台に立たれるなら、僕はその舞台裏で黒子のようにサポートする存在でありたいんです。
…ただ、もしこの記事をお客様が読んだら、「お前そんなこと言ってたのかよ!」って言われそうですけどね。
普段は結構ズバズバ言ってしまうところもあるので(笑)。
バーバーなび:お客様との信頼関係があるからこそのやり取りですね。
渡邉氏:もちろん、お客様との関係性はとても大切にしています。
僕には師匠が2人いるんですけど、1人は昔ながらの「コテコテの理容師」さん、もう1人は理容と美容のダブルライセンスを持つ方です。それぞれに影響を受けた部分がたくさんありますが、お客様との関係づくりはとても大切にされていましたし、言葉や実際の技術を通してたくさんのことを教わりましたが、共通していたのはどんなお客様に対しても「接客を楽しませるスタイル」だったことなんです。
サロン全体が明るい雰囲気で、自然と「一緒に働きたい」と思える空間でしたし、そんな魅力的な空気感に惹かれて、お二人をお師匠さんと呼ばせてもらっています。
なので、僕自身もそんなスタイルで仕事をしていきたいという思いが根底にありますね。
バーバーなび:実際に取材をしていても、渡邉さんの明るい雰囲気がとても印象的です。

お客様へのメッセージ
バーバーなび:どのようなお客様にお店に来て欲しいですか?
渡邉氏:自分の言動に責任を持てる方に来ていただきたいですね。
僕たち理容師はプロとして技術を提供しています。なので、お客様に用意していただいた時間や料金は、お互いの約束だと思っているんです。それが身勝手な理由で無断キャンセルとなると、僕たちにとっては売上もゼロ、給料もゼロになってしまうだけでなく、精神的にもやる気を削がれてしまいます。
飲食店や他の業界の方々も同じだと思うのですが、僕たちはお客様に満足していただけるようにしっかり準備をしてお待ちしています。「お客様は神様」という言葉もありますが、僕はお客様と理容師は対等な立場でありたいと思っています。
だからこそ、お客様にも同じように約束を大切にしていただけたら嬉しいですし、そういった方に来ていただけると、本当にありがたいなって思っていますね。
この仕事って信頼関係が一番大事だと思うので、僕もお客様に信頼していただけるように技術を磨き、しっかり準備をしてお待ちしていますので、お客様にもぜひ約束を守っていただければと思います。
バーバーなび:確かに、予約の時間枠が無断キャンセルで空いてしまうと、1時間や2時間が無駄になってしまいますよね。

未来の理容師に向けたメッセージ
バーバーなび:理容師を目指す若者に向けたメッセージをお願いできますか。
渡邉氏:とにかくいっぱい遊んでください。
もちろん練習も大事なんですが、すべての時間を理容に捧げてしまうと、息が詰まってしまってやめちゃうことにもなりかねないと思うんです。なので程よくってところが大事です。
完璧じゃなくていいから、興味のあることには、実際に見たり、触ったり、足を運んで体験してほしいですし、ネットの情報だけに頼らず、自分の目で確かめることが大事だと思います。
僕は今でも「もっと上手くなりたい」と思っています。でも最終的には、お客様は技術だけでなく「人」としての自分に会いに来てくださるんですよね。
だから、人としての深みや引き出しの多さが技術を含めた自分の魅力につながっている思いますし、立ち止まった時にはその遊びから得た経験から気晴らしやリフレッシュに繋げられることもあると思います。
なので自分が好きだなって思たことに対しては自信を持って欲しいし、情熱を持って取り組んで欲しいです。
遊びから学びや仕事につながることも沢山ある業界なので、なんでもいいから、とにかく経験してみること、頭でっかちにならずに、失敗を恐れずいろいろなことに挑戦していってほしいですね。
バーバーなび:素敵なメッセージをありがとうございました。

最後に
バーバーなび:本日はお忙しい中取材のご協力いただきありがとうございました。最後に渡邉さんおすすめのメニューを紹介してもらえますか?
渡邉氏:はい。こちらこそありがとうございました。おすすめのメニューをご紹介します。
髪技理容師おすすめメニュー¥

モデル写真提供:OMOTESANDO BARBER
店舗基本情報
店舗名 | OMOTESANDO BARBER |
住所 | 東京都渋谷区渋谷2-2-1 青山グリーンプラザ2F |
営業時間・定休日 | 平日10:00~20:00 土日祝9:30~19:30 不定休 |
最寄駅沿線 | 千代田線・銀座線・半蔵門 |
最寄駅 | 表参道駅 |
電話番号 | 03-6451-1780 |
ホームページ | https://www.tshair.co.jp |
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