髪技理容師を探せ Vol.64 -Freemans Sporting Club Tokyo BARBER  齋藤 冬樹

今回は筆者の知人の美容師さんのご紹介でFreemans Sporting Club Tokyo BARBERさんを取材させていただくことになった。齋藤氏は理容師歴23年の、マダガスカルの植物をこよなく愛し、カットに全力を注ぐベテラン理容師だ。

Fuyuki Saito  (齋藤 冬樹)

Freemans Sporting Club Tokyo BARBER 

理容師歴:23年
出身地:宮城県
出身校:仙台市理容美容専門学校
得意技術:セットしやすいカット
得意スタイル:刈り上げスタイル、フェードスタイル
趣味:多肉植物、アフリカの植物


Freemans Sporting Club Tokyo BARBER について

簡単に案内をすると、二子玉川駅を出発して、二子玉川ライズとは反対方向に進み、向かい側にauショップが見える通りに出たら信号を渡り右に曲がる。そのまま進んで一つ目の脇道が出てきたら左に曲がり少し歩くとFreemans Sporting Club Tokyo BARBERが入る褐色のビル「タイガービル (旧南館アネックス) 」が見えるだろう。サロンはそのビルの3階だ。

店内は白いタイルの壁と床が特徴的な、1950年代のニューヨークの古き良きおしゃれなバーバーをイメージした内装になっている。また、齋藤氏が好きな多肉植物も置いてあるので、ぜひ来店した際にはぜひ観察してみることをおすすめしたい。

お店の簡単な紹介が済んだところで早速齋藤氏のインタビューを進めていこう。

Freemans Sporting Club Tokyo BARBER  齋藤 冬樹氏

理容師を目指したきっかけ

バーバーなび:こんにちは、本日はよろしくお願いします。まず齋藤さんが理容師を目指すことになったきっかけを教えてください。

齋藤氏:漠然とデスクワークというかサラリーマンにはなりたくないという思いがあってやっぱり昔から図工など物を作ったりするのが好きだったので、何かを作るような仕事がしたいなと思っていたんです。あと、自分が高校生とか専門学生ぐらいの頃に、キムタクが出演していたビューティフルライフというドラマに影響され、美容師の仕事の知名度が上がっていて仕事も楽しそうだなと思って、元々は僕も美容師になろうと思ってたんですよね。でもドラマのおかげか美容師の人気が爆上がりして専門学校の倍率がめちゃくちゃ上がったんですよ。僕も仙台の理美容学校の美容科を受けたんですけど、ちょっと落ちてしまって。その時、理容科が定員割れしてたので理容科だったら入れますとなり、とりあえず床屋の免許をとろうと思って入りました。今思えば別に専門学校なんて免許取れればどこでも良かったんですけど、なぜかその時はその学校に入りたいっていう思いが強くて、欲しければ後で美容の免許取ればいいやって思ったんですよね。でも、いざ働き出したらそんな暇もお金もなくて。そのまま今の理容の世界にいるって感じですね。

バーバーなび:今からは美容の免許をとりたいという思いはありませんか?

齋藤氏:もう今からはないですね。免許がないからって、女性の髪が切れないというわけでもないですし、今からはちょっとしんどいですしね。それに女性も多分、かっこいい若い男の人にやってもらいたいでしょうから(笑)

理容業界への思い

バーバーなび:理容業界全体に対してはどのような思いや考えをお持ちですか?

齋藤氏:ずっと美容の影に隠れてたっていうか、世間的には美容師の方が脚光をあびがちで華やかなイメージですし。でも、今はバーバーブームで理容もすごく良いという雰囲気はあるので、もっと若い方が増えればいいかなって思いますね。どうしても僕らの仕事は結構きつかったり時間の拘束が長いとか、給料安いというイメージがあるので、その辺のイメージを変えていかないと今の若い人はやらないと思うんですよね。

バーバーなび:そういった部分で変わりつつありそうですか?

齋藤氏:うちのお店に関してはアパレルの会社が運営しているので、その辺の労働時間に対する休憩時間とかをしっかり1時間取るようにという決まりにはなっていて、そこは働きやすいと思います。割と公休も多いと思いますし、希望も出せば土日とかも休みが取れたりするので、個人店よりは多分いいんじゃないかなと思っています。
そういう労働条件が、もう少し緩和されたり、給料面で普通の業界よりは低いと思うので、賃金を上げて貰えれば若い子ももっと増えていくかなと思いますね。

バーバーなび:条件や環境がもう少し改善されていくと理容師のなり手も増えていきそうですよね。

齋藤氏:あとは、うちは結構外国人のお客さんも来るので、外国人からすると日本の技術ってすごく高く見えてると思うんです。今は円安もあるから、こんないい技術なのに安いみたいな。せっかく技術のある人たちが沢山いるから、日本のそういった技術を世界に向けていったらいいんじゃないかなって思います。技術を競う世界のコンクールがあるんですけど、やっぱり日本人は優勝とかしているので技術は高いと思うんですね。だから、もう少しそういった面で日本人が世界にもっと羽ばたいていけばなと思っています。

こちらの黒いタイルの個室はスペシャルコース専用のVIPルーム

髪技理容師としてのこだわり

バーバーなび:ありがとうございます。それではこだわりを教えてください。

齋藤氏:うちはカラーとかパーマをやってないので、カットで、いかにセットしやすいスタイルを作るかっていう感じなんですよね。僕らはプロなのでセットできますが、お客様が家に帰って自分でセットができないと毎日のスタイルを作るのが大変になってしまうので、お客様の癖とかを見て家でも自分でセットできるような仕上がりを目指してやってます。

バーバーなび:お客様が自分でセットできるようにというところはすごく大切ですよね。技術面の他にはこだわっている部分はありますか?

齋藤氏:接客業なので、お客様相手じゃないですか。やっぱりお客様に合わせるというか、話が好きな人もいれば話さずに寝てたいという人もいらっしゃるので、なんとなくそれを感じとって、寝たい人にはそんなに話しかけないようにしたりして、施術中はお客様の居心地がいいようにというのを意識してやってます。
長年やっていると心を開いてもらえない方もいるので、そういう方は無理に踏み込まないようにして、1人1人に合わせて雰囲気を読み取るようにしています。仕上がりをお客様の イメージしてるものに近づけるのはもちろんなんですけど、なるべく居心地がいい、気分よく帰っていただけるように気を使ってやってます。

バーバーなび:最終的にそういった部分が終わった後の満足感などに繋がりますよね。

お客様へのメッセージ

バーバーなび:どのようなお客様にお店に来て欲しいですか?

齋藤氏:うちは元々1950年代ぐらいの古き良き時代のニューヨークにあるバーバーショップをモチーフにして作ったので、普通の日本にある床屋さんとはちょっと雰囲気が違うので、いつもの床屋さんじゃなくてかっこいいお店行きたいという人に来ていただきたいです。
若い時はちょっと美容室行ってたとしても、だんだん年を取ってくると美容室に行きづらい、居心地が悪いという風になってくる人が多いと思うんですよ。かといって、近所の床屋さんに行くのもまだ嫌だなという人たちが背伸びしなくても来れるようなお店を目指しているので、老若男女関係なく来てもらいたいです。大体若くて大学生ぐらいから上は90歳の方も来るのでぜひ色々なお客様に来ていただきたいですね。

バーバーなび:ぜひ、このお洒落で居心地の良い空間を味わっていただきたいですよね。

齋藤氏:そうですね。でもうちはバックシャンプーなので、腰が弱い方はきついかもしれませんが、本当に幅広い方に来ていただきたいですね。

未来の理容師に向けたメッセージ

バーバーなび:理容師を目指す若者に向けたメッセージもお願いできますか?

齋藤氏:僕らの頃はバリバリ体育会系で、先輩とかオーナーの言うことは絶対という感じだったので、練習も半強制だったんです。技術は練習しないと上達しないのでそれは全然よかったんですけど、今はパワハラだとかであまりやれやれって、言いづらい世の中になっちゃったのでうちも今アシスタント2人いるんですけど、そんなに練習は強要しないんです。なので若い子には自主性がないと難しいかなとは思いますね。理容業界も離職率がかなり高いのでメンタルが弱い子はすぐにやめちゃうんですよね。だから、メンタルもある程度強くないと務まらない仕事かもしれないですね。お客様も色々な人がいるじゃないですか。時には失敗とか切りすぎちゃったとかで文句を言われたりした時に、メンタル弱いとかなり辛いと思うので、ある程度やっぱメンタルも強くないときついかなとは思いますね。

でも技術を売ってるので、お客様に喜んでもらえた時は自分の技術がそのお客様にフィットしてすごく良かったなと、やりがいはものすごく感じると思うんですよ。やっぱりそこが1番のやりがいだと思うので、そこに面白みとか喜びを感じれるのであれば、ものすごくいい仕事だと思います。

バーバーなび:メンタルも重要で大変なことも沢山あるとは思うんですけどその分やりがいも多いことは確かですよね。

齋藤氏:やっぱり喜んでもらうには沢山練習して技術を磨かないと、色々な人に対応できないと思いますね。
後は海外での評価が高いので海外に挑戦するとか、今だったら海外の方が稼げると思うので目指すのもいいと思うんですよね。僕ももうちょっと若かったら、そういう経験をしてみても良かったなと思います。また、コロナの時に結構色々な業界が打撃を受けたじゃないですか。でも僕らの業界は割と復帰が早かったから、そういったときに影響を受けにくいというところは強みだなと思います。体さえ丈夫であればずっと続けていける仕事なので、そういうところは良い仕事なんじゃないかなって思いますね。

バーバーなび:将来的な部分を見ても、素敵な仕事なんだということは伝えたいですよね。

最後に

バーバーなび:本日はお忙しい中取材のご協力いただきありがとうございました。最後に齋藤さんからおすすめのメニューを紹介してもらえますか?

齋藤氏:はい。こちらこそありがとうございました。

髪技理容師おすすめメニューFULL SET+炭酸シャンプー  税込¥10,780

モデル写真提供:Freemans Sporting Club Tokyo BARBER

モデル写真提供:Freemans Sporting Club Tokyo BARBER

店舗基本情報

店舗名Freemans Sporting Club Tokyo BARBER
住所東京都世田谷区玉川3-8-2 タイガービル (旧南館アネックス) 3F
営業時間・定休日10:00~20:00
最寄駅沿線東急田園都市線
最寄駅二子玉川駅
電話番号03-6805-7966
ホームページhttp://freemanssportingclub.jp

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