今回は竹ノ塚エリアで髪技理容師に出会うためにリサーチをしていたところ、Hair Craft Goroさんを見つけたので取材を申し込むとGoroさんがインタビューを快諾してくださった。Goro氏は理容師歴39年、自身は完璧ではないと謙虚な姿勢を持ちながら、常に理容を追求し続けるその裏には確かな技術があり、地域に愛される髪技の理容師だ。
Profile
Goro(ゴロ)
Hair Craft Goro
理容師歴:39年
出身校:国際文化理容美容専門学校(渋谷校)
出身地:
得意技術:オーダー画像完コピ
得意スタイル:髪質を活かした似合わせスタイルの提案
こだわり:
趣味:料理
Hair Craft Goroについて
まずはサロンへの道順を案内しよう。北千住駅西口を出て【都営バス (北47) 竹の塚駅 行または(北47) 足立清掃工場前 行】で北千住前駅から10駅先の六月町停留所まで乗車する。下車後はバス振興方向にある1つ目の信号を左折し3分ほど直進すると左手に見えてくるだろう。
セット面2席の店内は、ウッド調のホワイトを基調とした内装に、黄色・赤のバーバーチェアが並ぶ明るく清潔感のある空間だ。オーナーのGoro氏が持つ確かな腕前が評判を呼んでいる地域密着サロンのため、事前にお電話でのご予約をおすすめしたい。
お店の簡単な紹介が済んだところで早速、Goro氏のインタビューを進めていくとしよう。
Hair Craft Goro Goro氏
理容師を目指したきっかけ
バーバーなび:こんにちは、本日はよろしくお願いします。まずGoroさんが理容師を目指すことになったきっかけを教えてください。
Goro氏:よろしくお願いします。はっきり言うと高校受験に落ちたのが理容を目指したきっかけですね。僕は子どもの頃からものづくりとか工作が好きで、割り箸を削ったり磨いたりするのに夢中になってた子供だったんです。勉強もそこそこできて、スポーツも得意で、背も高いし、何でもそつなくこなせるタイプ、自分で言うのもアレですけど(笑)。で、そんな中で一番ハマったのが音楽だったから中学のときに憧れてた先輩が都立の学校に進学したことで、「俺もそこに行って一緒にバンドやりたい!」って思ったんだけど、成績的に余裕だと思って勉強せず舐めてかかったら、まさかの受験失敗。
親も先生も「どうするんだ」って焦っちゃったんだけど、まあそんな感じで、進路を考えてみると昔から髪をいじるのが好きだったし、中3のときに通ってたサロンのオーナーが専門学校への道を教えてくれたから、理容の道を進むことになりましたね。
最初は「免許取ったら手に職持って、あとは音楽やればいいや」なんて軽い考えもあったんだけど、いざ理容を学び始めると、「友達が高校に通ってる間に早く稼げるようになりたい」って気持ちに変わったし、地元で「髪切らせて!」って頼むと、みんな快く練習させてくれて、すごい数をこなせたんです。そのおかげで20歳で店長を任せてもらえるくらいになりました。
バーバーなび:すごい早いですね!ほんとに天才肌そのものです。
Goro氏:きっかけってところで言うとそんなところだね。だから正直プロ根性とかそう言うのは後からついてきた感じだったんだよ。それから勤め始めて10年以上経った頃かな、、大家さんと社長が揉めちゃって、「もう出てけ」みたいな話になっちゃったんですよ。俺としては店長を任されてた立場だから、そのやりとりには全然関係なかったんだけど、結局店を閉めることになったから急遽お店がなくなっちゃって、「次はどうするんだろう」って思ってたら、ちょうど90年代でバブルがはじけて、いろんな影響が出てた時代で、手広くやってたようなお店もどんどん畳んでいったんですよ。なんというか社会全体が厳しい状況だったのを見て「もうここは独立するしかないな」って腹をくくって独立したんです。
理容業界への思い
バーバーなび:理容業界全体に対してどのような思いや考えをお持ちですか?
Goro氏:この仕事はお医者さんと同じような業種だと思っているんだよね。俺なんか、別に大した人間じゃないから実現できるか分かんないけど、やってることってちょっと町医者に似てるなって感じで捉えている部分があって。お客さんの話聞いて、身だしなみを整えてさ、「これでまた1か月頑張ってね!」って送り出す感じ。で、また次来た時に「お疲れ様~」って迎えて、愚痴聞いたり、近況報告聞いたりさ。なんかそういうピットインみたいな存在になってるのかなって思ってる部分があるね。
長く続けてるとね、5年、10年、20年って付き合いができるわけ。うちなんかだとさ、最初はお母さんに連れられてきた小学生が、だんだん1人で来るようになって、高校生くらいになると彼女連れてきて、「ちょっと待ってて~」みたいな、生意気になってさ(笑)。で、節目節目で来るんだよね。例えばデート前とか、就職前とか、成人式の前とかさ。そういうタイミングで来るたびに、いろんな話をしたり、逆に俺が相談乗ってもらうこともあったりして。ほんといろんな世代の人と付き合ってるよ。
結婚式に呼ばれたりすることもあるし、逆にお葬式に出たこともある。なんかね、理容師って単に髪切るだけじゃなくて、お客さんの人生に少しずつ関わってる仕事なんだなって実感するんだよね。
バーバーなび:町医者のような、お客様にとってのピットインスポットである存在なんですね。
Goro氏:正直言うと、理容業界って経済的に豊かな職業とは言いづらいんだよね。もちろん、大手で全国展開してる店は別としてさ。でも、例えばカット料金が3000円だとして、それが保険診療みたいな感じで国が7割負担してくれて、お客さんは3割の負担で済むような仕組みができたらどうだろう?そしたら、理容師の年収も大きく上がるし、もっと豊かになるよね。
俺たちって髪を切るだけじゃなくて、お客さんの話を聞いてアドバイスしたり、人生の節目に寄り添ったり、長い付き合いをしてるわけじゃん。そういう関係性って、医者みたいな社会的意義があると思うんだ。
これから先、AIとか機械がどんどん進化しても、こういう手仕事だけは人間にしかできない部分だから残るんじゃないかと思うし、だからこそ理容の価値をもっと広めて、業界全体の地位が上がるような未来を目指していきたいって思うね。
バーバーなび:今後も残っていく仕事と言われている業界だからこそ、その価値を広めていきたいですね。
髪技理容師としてのこだわり
バーバーなび:それではこだわりを教えてください。
Goro氏:いや、これね、色々考えたんだけど理容を追求し続けることが俺の理容師としてのこだわりかな。
曲げられないポリシーは、逃げないこと。こんなんじゃ辞められないって言うのがこんな感じで今もずっと続いてるから面白いよね。最初は資格だけ取って音楽やるって思ってたのに、ずっと理容やってるんだもん。
あとは美容室をディスるわけじゃないんだけどさ、男性にもっとシェービングの良さを知ってほしいんだよね。自分で剃ってるとか、伸ばしてるから別にいいって言う人いるけどさ、そういう問題じゃないんだよ。例えば産毛剃るだけって思うかもしれないけど、それだけじゃなくて古い角質も一緒に落としてるんだよね。いわばピーリングみたいなもんで、肌のリセットになる。毎日顔洗ってるだけじゃ得られない効果があるんだよ。だからそういう理容に特化した手仕事って技術にはこだわりたい部分だね。
俺、昔アルバイトで1000円カットの店で3年くらい働いてたことあるんだけど、その時にすごく感じたのは、床屋に行ってない人ってやっぱり耳の周りとか眉毛の周りとかが全然違うんだよね。清潔感とか見た目の印象が全然変わる。これが放置されると健康にも影響あるんじゃないかって思うくらいさ。だから、もっとシェービングとか床屋の価値を広めたいなって思うから、その辺もこだわりって部分では意識しているよね。
バーバーなび:理容師として追求し続けることと、シェービングの素晴らしさにこだわりを持って大切にされているのですね。
お客様へのメッセージ
バーバーなび:どのようなお客様にお店に来て欲しいですか?
Goro氏:老若男女、年齢関係なく来てもらいたいですね。ユニセックスサロンとしてやっているし、介護の方向けの訪問利用もしているので基本的に来てほしいお客さんって意味では誰でも来てほしいって感じだね。最近じゃこのエリアにも海外の人が増えてきたし、うちの店にも流れてくるようになったから時代の流れを感じる部分ではあるよ。
そう言った部分でもバリアフリーに対応していきたいから海外の人も受け入れるし、車椅子の人でも、若いフェードがやりたい人でも、悩みを持つ方でも本当どんな人でも受け入れます!って感じだね。
サロンが映えるお客さんばっかりを取り入れているわけじゃないよっていうのは伝えたいし、どこ行っても「この部分が収まらない」とか「この髪がハネちゃう」って悩みが拭えないって人に来てもらって、そこをうちで解決できれば嬉しいね。
バーバーなび:そういった部分でお客様の悩みを解決していくことがGoroさんのやりがいにもつながるんですね。
Goro氏:そうだね、腕がなるよね!最近、髪が薄くなってきたとか、かっこよく見せる方法がわからないという悩みを持っている人は多いよね。その気持ち、すごく理解できるんだけど、実は髪型1つで印象は大きく変わるから、そういった悩みをどうカバーするかがポイントなんだよ。特に、薄毛や髪が多すぎることで悩んでいる人にこそ来てほしいし、「今更理容院に行けない」と感じるかもしれないけど、実はそんな不安を持っている人ほど、新しいスタイルで自信を取り戻せるんだよね。
悩んでいる部分をうまくカバーして、もっと自分らしく、かっこよく見せる方法を一緒に考えたいなって思うね。
未来の理容師に向けたメッセージ
バーバーなび:理容師を目指す若者に向けたメッセージをお願いできますか。
Goro氏:この仕事は、挫折や経験を早いうちに積んだ方が良いと思うんだよね。飲食業なども同じだけど、ブラックな環境でいじめられたり問題が起きたりすると辛いし、逃げたくなることもあると思う。それでも、それは目指す道の通過点であって、ブラックな環境じゃなくても、自分を追い込んで成長する瞬間は必ずあるから、大切にしたいことだと思う。だから、例えば休みの日でも考え事をしたり、話し方を研究したりすることが重要だと思うよ。
そうやって自分を早くから追い込んだ人が結局は伸びるし、「もし1段上に行きたい」って上昇志向がある、目標を持っている人は、どんどん動いた方がいい。若い時からこういうことを考えて行動できる人って貴重だと思うから応援したいと思うよね。
今この言葉を読んでいる人の中には、オーナーの考え方を見て、どんな店かチェックしている人もいるだろうし、業種が違う人でも情報を集めて、床屋という仕事がどういうものか知ろうとしているかもしれない。
自分は本当に子供の頃からこういう細かな作業が好きだったけど、美大に行きたいわけでも、画家を目指していたわけでもなかった。むしろ、裁縫も好きだったし、手を動かすこと全般が得意だったから、そういうことが好きな人には、この仕事は本当におすすめだと思うから目指してほしいなって思うね。
バーバーなび:理容師を目指す中で進路を迷われる学生の方に向けたメッセージもよろしければ伺えますか。
Goro氏:もちろん、美容師と床屋には違いもあるけれど、どちらも多くの男性客や女性客をターゲットにしているお店だから、そういった点を理解した上で選ぶといいかもしれないね。
ただ、好きだからと言って、それだけで生活していくのは簡単じゃない。でも理容は好きを本業として、安定して続けられる職業だと思うから、そこをブレずに信じて自分を追い込んでいくといいんじゃないかなって思うね。
AIが発展して便利な世の中になっていく中で、人間同士がコミュニケーションを取る場がどんどん減っていくと思うんだけど、そんな中でも、理容は人と人が触れ合う場所として残る仕事になるんじゃないかなとも思っている。それに、免許を取ったら辞めて音楽をやるつもりだった自分が、今でもこうして理容の勉強を続けているのは、この業界だからこそだと思うし、納得いかないままでも、常に勉強し続けることができる業界なんだよね。
正直、いろんなものを犠牲にしたけれど、理容には完成がなく、ゴールがないからこそ面白いし、夢中になれる。逆に言うと、勉強をしなくなったら終わりだとも思う。だから、これから理容師を目指す人や進路を迷っている学生の子達に伝えたいのは、失敗しても納得いかないことを追求し、未来ある理容を信じて学び続けてほしいってことかな。
そんなことをしているうちに、少しずつYouTubeに出てみたり、こうして取材を受ける機会も増えてくるから、それが最終的にお客さんに繋がればもっと嬉しいし、理容は色んな可能性が広がる職業だから、ぜひこれからの若い世代の子達にも目指してほしいなって思うな。
バーバーなび:素敵なメッセージをありがとうございました。
最後に
バーバーなび:本日はお忙しい中取材のご協力いただきありがとうございました。最後にGoroさんおすすめのメニューと作例を紹介してもらえますか?
Goro氏:はい。こちらこそありがとうございました。おすすめのメニューを3つご紹介します。
髪技理容師おすすめメニューカット、シャンプー、シェービング ¥6,600
モデル写真提供:Hair Craft Goro
髪技理容師おすすめメニューオプションメニュー
+スキャルプクレンジング ¥1,650
+フェイシャルエステ ¥1,650
※オプションメニューで一括り
モデル写真提供:Hair Craft Goro
髪技理容師おすすめメニューフルコース(カット、シャンプー、シェービング、スキャルプクレンジング、フェイシャルエステ) ¥9,900
モデル写真提供:Hair Craft Goro
店舗基本情報
店舗名 | Hair Craft Goro |
住所 | 東京都足立区保木間1丁目4−16 今関ビル1F |
営業時間・定休日 | 10.00am- 7:00pm 9:00am. 7:00pm (最終受付7:000m) 定休日:毎週月曜日、第2.3月火連休 |
最寄駅沿線 | 東京メトロ日比谷線・東京メトロ千代田線・JR 東武スカイツリーライン・つくばエクスプレス |
最寄駅 | 北千住駅 |
電話番号 | 03-3884-8590 |
ホームページ | http://www.jamcraft.com/~goro/ |
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