
前回、美育ラボslow谷井さんからご紹介をいただき、専門学校時代の同級生であるMOLGECOの張本維軒さんへお話を聞いてきた。張本氏は理容師歴17年であり、大型チェーン、カット専門店、個人経営店での経験を生かして、お客様を喜ばせることをベースに軸を置き、長年培ってきた触感技術と理容の本業だけでなく、時代の流れを把握して先々を見据えたサロンの展開も考えるなど、視野を広く見ている髪技理容師だ。
Iken Harimoto(張本 維軒)
MOLGECO
理容師歴:17年
出身校:国際理容美容専門学校
出身地:埼玉県
得意技術:触感技術
得意スタイル:ミディアムスタイル、パーマスタイル
趣味:カフェ、ドラマ映画鑑賞、温泉
MOLGECOについて

まずはサロンへの道順を案内しよう。JR武蔵浦和駅東口を出て、ロータリー脇の道を400メートル直進する。交差点が見えてきたら、左折して大里(武蔵浦和駅入口)のバスに乗車して約2分で東の台バス停で下車する。東の台のバス停から左折して、国道17号線中山道を直進すると、約1分ほどで右手にジェントルマンのロゴが見えてくると、サロンに到着する。

サロン名とコンセプトは、「MOLGECO:モルジェコ」は最高にMOLT紳士的なGENTLE男になるためのお手伝いCONTROLをしたいという想いを込めているそうだ。モルジェコは、日頃忙しさに追われこんなもんでいいかと何となく切っていた髪をとことんカッコ良く、豊富なリラクゼーションメニューで疲れを癒して、寛げる空間を提供する男性のための理容室でありたい。そんな張本氏の思いのもと、サロンは木目調でおしゃれなサロン内になっている。
お店の簡単な紹介が済んだところで早速、張本氏のインタビューを進めていくとしよう。

MOLGECO 張本維軒氏
理容師を目指したきっかけ
バーバーなび:こんにちは、本日はよろしくお願いします。まず張本さんが理容師を目指すことになったきっかけを教えてください。
張本氏:よろしくお願いします。当時高校生の時に仲が良かった友達が美容師をやると聞いて、それなら自分もやってみようかなという、なんとなくな考えでした(笑)その背景に、元々学生時代に洒落っ気付いて髪をいじるのが楽しく感じたり、友人の髪をセットして喜んでもらえると嬉しい気持ちになったり、普通に遊ぶよりも充実感があったことがきっかけではありますね。
バーバーなび:最初のきっかけはすごくわかります。私も部活の時もそうでした。(笑)張本さんは美容ではなく、理容を選ばれたんですね。その背景をお聞かせいただけますか?
張本氏:最初は美容にいこうとしたのですが、出身校となった専門学校の理容科に最初見学に伺った際に、当時は自分でも昔ながらの床屋のイメージが強かったのですが、校舎に飾られていた当時の学生さん達の作った綺麗なカット、色鮮やかなカラーリングに仕上がったクオリティーの高いウィッグを見て衝撃を受け、全然イメージと違うことに驚いたのを覚えています。
美容と理容に大差はあまり無い。そう思った時にシェービングの有無と技術者としての選手生命の長さも理容を選ぶ際の決め手でした。技術の幅がある方がより人を喜ばせられる可能性も広がると思いましたし、美容師より理容師の方が年齢を重ねても長くやれるのではないかと考え、理容を選びました。
バーバーなび:母校の先生も張本さんのきっかけの話を聞いたらきっと喜びますね。ありがとうございます。

理容業界への思い
バーバーなび:理容業界全体に対してはどのような思いや考えをお持ちですか?
張本氏:色んなタイプのサロンがある中で、それぞれの店舗様の価値観や方向性に基づきながら業界全体で価値、利益、賃金を上げていく事が重要だと感じています。また、それが働き手に高い給与を支払える事にも繋がると思いますので、平均賃金を上げて、理容師は低賃金ではなく稼げる職業というのを業界全体で目指していかないといけないと思っています。
バーバーなび:理容師さんとしての高度な技術の価値がしっかり伝わるといいですよね。それが豊かな生活にも伝わる部分ではありますので、業界が変化する部分では大切だとお話を聞いて感じました。
張本氏:根本はすごくシンプルだと感じます。お客様の喜びや感動の数が直結して利益に繋がると思いますので。そこはどの商売も根本は同じなのかな、と。なので第1にお客様に喜んでもらう為にも、より高い技術やサービス、居心地の良い雰囲気や空間を追求していって高い価値を見出していきたいですよね。
街中の昔ながらの床屋さんなどで、総合調髪3,000円台とか、地方に行ったら2,000円台など。業界的に高い単価を取ってはいけないしがらみがまだあると思います。その点では理容業界はそのしがらみを壊さないといけないとも感じています。
シェービングやメンズエステ、ヘッドスパ用でシャンプー台やチェア1つでもかなり費用はかかりますし、理容室は全体的に設備費もそれなりに掛けているんです。我々理容師はお客様1人1人に喜んでいただく為にもそれぐらい設備や準備を整えているのでもっともっと上を目指していいハズですし、個々で独自性を模索しながら業界全体が自信を持って社会貢献していけたら良くなると考えています。
これは自分達にも言える事で目指している部分でもありますが、売り方、お知らせの仕方などももっともっと追求していかなければならないと感じます。都心の方だと、有名美容師のカットも指名料を含めて1万以上の価格がするとか。そこまでの価値に至るまでのブランディングなど、大変な道程があったと思います。そういった方々はご自身というキャラクターの伝え方やSNS、ネット広告など、売り方が非常に上手いんだと思います。技術以外の要素ではありますが、非常に大事な事だと思いますので個人的にも業界的にも、もっともっと新しい要素を取り入れていかないといけないと感じています。
バーバーなび:業界自体のしがらみがなく、大きく変化していくことに期待ですね。業界に対して多く語っていただきありがとうございます。

髪技理容師としてのこだわり
バーバーなび:ありがとうございます。それではこだわりを教えてください。
張本氏:はい。まずはお客様に居心地の良い空間を提供出来るよう意識しています。なのでテンションや声のトーン、話のスピードなどをお客様それぞれに合わせて寄せるようにしています。また、ごゆっくりされているお客様には心地の良い鋏の音やBGMなど。個室ではリラクゼーションタイムに照明を調光して暗くしながらBGMをヒーリングソングに変えたりなど、空間作りにもこだわっています。
技術面では床屋だから短髪が大半でもなく、ミディアムな長めなスタイルやビジネスシーンに似合わせるような大人男性風な上品なスタイルを提供するのに自信を持っているのはあります。お客様のお話をお伺いして、お好み、ライフスタイル、ビジネスシーンに似合ったヘアスタイル、技術を心掛けて臨ませてもらってます。
バーバーなび:お客様のライフスタイルに合った提案やスタイルに仕上げるとお客様も喜びますね。
張本氏:そこは心掛けています。それと合わせてカットで骨格矯正は特に意識しています。アジア人の男性の大半の方は耳上が張ってたり、ハチが出っ張っていたりと、骨格のバランスが良くなかったりするので、そこを見栄え良くお切りするための骨格矯正カットは意識していますね。
骨格と合わせて髪の生え方や癖、耳の高さなど左右非対称のケースも多いですし、その為にはあえて左右長さを揃えずお切りして均等に見せたり、ミリ単位の長さにもこだわります。
バーバーなび:カット技術での骨格まで細かく見ているところにこだわりを感じます。張本様自身のこだわりも聞いてもいいですか?
張本氏:個人としてはシンプルで、如何にお客様に喜んでもらえるかという事をコンセプトにしてこの仕事を選んでいますのでそこに重きを向けていますね。それがカットやパーマなどの特殊技術、触感技術で叶えられると考えていますので、喜んでいただく為の施術をやらせていただいてる感じですね。
髪への技術に負けないくらい触感技術にもこだわっています。以前独立する前に某有名ヘッドスパ専門店の朝から夕方までひたすらスパの練習しっぱなしを1週間続けるヘッドスパ講習を受けた事もあります。
その講習では40人くらいの生徒数で大半がヘッドスパやエステを生業と志すスパニストさんやエステシャンの方などが多く、40人中37人が女性で男性3人のみの床屋は僕だけで少し肩身が狭い思いをした、みたいな経験もあります(笑)
スタイルの流行りなどは終わりがあるけど、育児やお仕事で疲れている方が居なくなる事はないと思いますので、リラクゼーションの需要も尽きる事は無いと思っています。
バーバーなび:張本さんの優しさから出てくるこだわりや思いがすごく伝わってきました。ありがとうございます。

お客様へのメッセージ
バーバーなび:どのようなお客様にお店に来て欲しいですか?
張本氏:そうですね。30代〜50代中心のお客様に来ていただけるのが理想です。この年代の方々は特にお仕事などで日頃お疲れの方が多いと思うんです。
忙しさに追われて髪型がどうでもよくなっている方や、お子さんが居てお世話をしていて自分の時間が手付かずになっている方、そして疲れが溜まっている方々にご利用していただきたいのはありますね。
リラクゼーションメニューも豊富に取り揃えていますので、お客様に非日常的な癒しの空間を提供したいと思っていますので、そういったお客様にご利用していただきたいです。あとは髪のボリュームやハリ、コシがなくて決まらないお客様もぜひご来店していただきたいのもあります。

未来の理容師に向けたメッセージ
バーバーなび:理容師を目指す若者に向けたメッセージもお願いできますか?
張本氏:本格的なサロンでの技術は現場で学んでいく事が多いと思いますので、学生の時はもう大いに学校の友達と沢山遊んで楽しい思い出作れればいいんじゃないかと思います(笑)この仕事も体力勝負なので、いっぱい遊んで体力付けれればいんじゃないかと(笑)また、専門学校の同級生とは一生の付き合いになるんじゃないかと思いますし、僕自身も同級生の助けのおかげで本当に今が有ります。大事にしていった方がいいです。
また、その中でカラーやパーマ、バーバー系の技術など、自分の場合は学生の時から触感技術を意識していて最初は漠然としてでもいいですが、何を自分の強みにして徹底的に磨いていくのがいいのか、などを事前に意識しておくのもいいかもしれません。晴れて理容師になったら、時々でいいから高級なホテルやレストランでの接客や技術を体験することも重要だと思います。理美容だけでなく、高級な、何か。一流の接客、技術とはどういうものなのか、そこに触れることもいい経験になると思います。
バーバーなび:張本さん、素敵なメッセージありがとうございました。

最後に
バーバーなび:本日はお忙しい中取材のご協力いただきありがとうございました。最後に張本さんからおすすめのメニューを紹介してもらえますか?
張本氏:はい。こちらこそありがとうございました。こちらになります。
髪技理容師おすすめメニューPREMIUM COURSE¥13,750

モデル写真提供:MOLGECO
髪技理容師おすすめメニューパーマ(ノーマルパーマ、ヒートパーマ)¥5,500

モデル写真提供:MOLGECO
髪技理容師おすすめメニューオイルスパ¥5,500

モデル写真提供:MOLGECO

店舗基本情報
店舗名 | MOLGECO |
住所 | 埼玉県さいたま市南区別所3-6-1 1F-A号 |
営業時間・定休日 | 平日 / 10:00-20:00 土日祝 / 9:30-19:00 月曜、不定期火曜 |
最寄駅沿線 | JR武蔵野線 |
最寄駅 | 武蔵浦和駅 |
電話番号 | 048-711-2335 |
ホームページ | https://molgeco.com |
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