髪技理容師を探せ Vol. -HAIR SALON WEED 山口 淳

今回は雑司ヶ谷エリアで髪技理容師に出会うためにリサーチしていたところ、HAIR SALON WEEDさんを見つけたので取材を申し込んだ。すると代表の山口 淳さんがインタビューに応じて下さることになったので紹介していこう。山口氏は、髪を切ることが仕事ではなく、髪を切った後にあるお客様のドラマを想像し提供することが我々の仕事だと語る髪技理容師だ。

Profile

Jun Yamaguchi (山口 淳)

HAIR SALON WEED 代表

理容師歴:33年
出身校:東京理容専修学校
出身地:東京都
得意技術:同世代のお父さん世代をカッコよくする技術
得意スタイル:コンプレックスを解消できるスタイル作り
こだわり:自宅に帰ってからも再現できる仕上がり
趣味:サウナ

HAIR SALON WEED について

まずはサロンへの道順を案内する。東京メトロ副都心線、雑司が谷駅1番出口を出て右へ。左手に大鳥神社がある交差点を右折していただき、そこから500mほどいった先の左手がお目当てのサロンだ。

創業63年を誇るアットホームな店内はセット面が4席、パパやママ、おじいちゃん、おばあちゃん、そしてお子様たちと親子三世代で通える、お客様に長く愛され続けているサロンだ。

お店の簡単な紹介が済んだところで早速、山口氏のインタビューを進めていくとしよう。

HAIR SALON WEED 山口 淳氏

理容師を目指したきっかけ

バーバーなび:こんにちは、本日はよろしくお願いします。まずは山口さんが理容師を目指すことになったきっかけを教えてください。

山口氏:よろしくお願いします。きっかけは親が理容師だったことですが、最初から良いイメージを持っていたわけではありませんでした。親の働く姿を見て、「忙しそうだな」という印象やお客さんが毎日来ているのに「うちは金がない」という言葉を聞く度に「お金にならない仕事にどんな魅力があるんだろう」と感じていたんです。なので、「あまり儲からないなら理容の道には進みたくないな」とも思っていました。

そんな中、学生時代のアルバイト経験で飲食業界の楽しさを知り、将来は飲食業界に進みたいと考えるようになりました。17歳の時、池袋のバーでアルバイトを始め、先輩たちが一気に辞めてしまったことを機に、カウンター業務を任され、やりたいと思っていたカクテル作りも教えてもらうことになったんです。そして、だんだん慣れてきて少し天狗になっていた頃、いつも女性と来店される常連さんから「お前自分の作るカクテルがいけてると思っているのか」とお叱りを受けたんです。

「17歳の小僧が作るカクテルなんて美味いわけがない。それでも毎週ここに通う理由は、俺と彼女とお前の三人で話す空間が楽しいから。お前のリアクションや会話が心地良いから通っているんだ。カクテルが商品ではなくお前自身が商品なんだよ」と言われ、その言葉を聞き自分の中にイナズマが走りました。「自分自身が商品になる」という発想は初めてで、それからバーテンダーを目指したいと思い親に相談すると、「やりたいことなら応援するけれど、まだ早いんじゃないか。学生を続けながら将来のためにも床屋の免許を取っておけば?」とアドバイスを受け、理容の専門学校に通うことになりました。

その中で実習で幼稚園の子供の髪を切ることがあり、ぎこちないところもありましたが、子供達はキャッキャと喜んでくれるんですよね。その姿を見てあの時バーで言われた「自分自身が商品になる」ということと理容は通ずるところがあると感じて、理容業界に興味を持つようになり、この道で頑張ってみようかなって思ったんです。

バーバーなび:バーでの出会い、頂いた言葉をきっかけに、様々な思いを経て今も理容師として活躍されているのですね。

山口氏:そうですね。床屋の息子でありながら、初めからストレートにこの業界を目指したわけではなく、むしろやりたくないと思っていた時期もありました。でも、色々な経験を通じて、「髪を切る行為」そのものよりも、髪を切った後に見られるお客様の喜んだ姿や笑顔にこそ、床屋の魅力があると感じるようになりました。

理容業界への思い

バーバーなび:理容業界全体に対してどのような思いや考えをお持ちですか?

山口氏:理容の価値をもっと上げていきたいと思っています。実際うちの店舗では今回大幅な料金の値上げをしましたが、これはお客様に愛されているという自信があったからこそできたことですし、理容の適正な価値を知っていただきたいという思いからでした。

もちろん今は手軽に利用できる安価なカットサロンもたくさんありますけど、私たちが提供する理容の魅力や価値はそれだけでは測れないものだと思っています。だからこそ、お客様にご満足いただけるような仕事を丁寧に続けていきながら、理容の価値を少しずつ広げていけたらと考えています。

バーバーなび:そういった思いから値上げに踏み切られたのですね。

山口氏:そうですね。値上げしたからには、クオリティーをさらに高めていく必要があります。例えば、ホコリ一つでも見逃すことなく、意識を持って綺麗で居心地の良い空間づくりを心がけていますね。実際、値上げ後にはお客様から「前から安すぎると思っていた」と仰っていただき、気持ちよく受け入れていただける方が圧倒的に多かったので、安心しています。

だからこそ、私たち理容師も単に切って満足するだけではなく、他のサロンで一万円のカットを受けて、どんなサービスが提供されているのかを体験することが重要だと思います。高級なサービスを実際に受けてみて、それを自分たちの日常にも取り入れることで、さらに価値のある仕事ができるようにしたいですね。例えば、うちのスタッフを食事に連れて行く時も、少し背伸びをしてちょっと特別な場所に行くようにもしています。

これからの理容業界には理容の価値を高めるための取り組みが必要ですし、理容師自身が自分たちの仕事にもっと価値を感じることで、業界全体に良い影響を与えることができるのではないかと思います。

バーバーなび:業界全体でも今後そういった意識や環境作りが大切になってくるのかもしれないですね。

髪技理容師としてのこだわり

バーバーなび:それではこだわりを教えてください。

山口氏:私たちの仕事は髪を切ることではないです。この仕事は髪を切ってから、お客様が訪れる先で起こり得るドラマを提供することのできる仕事だと思っているので、サロンでの仕上がりに満足するのではなく、自宅に帰られてからもご自身で再現できるスタイルを提供したいと考えています。

バーバーなび:お客様の先にあるドラマを想像するという意味でも、お客様との信頼関係、コミュニケーションは大事になってくる部分ですね。

山口氏:そうですね。「この後合コンがあるんだ」、「就活しているんです」などプライベートなことを話せる環境でないと聞けないので、そういった関係性を作ることは大切にしていますし、それが今後も継続して来店していただけることにも繋がると思うので意識しています。

また、うちは駅前展開のサロンではないので、たくさんの人が行き交うサロンというよりは一人ひとりのお客様との信頼関係を大切にしていきたいと思っています。

中には不登校で伸びきった髪の娘さんのカットをお願いされたことがあり、会話も俯いたままの状態でしたが、切り進めて行く中で俯いていた顔が上がり、鏡を見るようになり、最後には「ありがとうございます」と言ってくれて、後日お母様からお電話で「学校に行くことができました」と連絡をもらったんです。

もしかしたら髪を切ったら学校に行くと決めていたのかもしれないですが、髪を切ることで少しでも学校に行くって背中を押すことができたんじゃないかと思える瞬間で、それこそ髪を切った先のドラマとして最高の展開に持って行くことができて嬉しかったですね。この仕事はそのような可能性を感じられるやりがいある仕事です。

バーバーなび:まさに「髪を切ることが仕事じゃない」に繋がる心温まるエピソードですね

お客様へのメッセージ

バーバーなび:どのようなお客様にお店に来て欲しいですか?

山口氏:住宅街の中にあるサロンだからこそ、ご家族で来られる方が多いので世代問わず来ていただければと思います。赤ちゃん筆もやっているので、そこからパパママもと繋がることもあり、そういった連鎖で家族ぐるみで仲良くなれると嬉しいですね。トレンドを追いかけるスタイルのサロンというよりは、ファミリーで安心して来店できる空間を提供したいと思っています。

バーバーなび:そういったファミリーでのお客様が来ていただけると嬉しいですね。

未来の理容師に向けたメッセージ

バーバーなび:理容師を目指す若者に向けたメッセージをお願いできますか

山口氏:理容師はお客様の人生に寄り添えるとても魅力的な仕事です。中には学生時代にこのエリアに住んだことがきっかけでこのサロンに通い始めた方もいて、その後、就職、結婚、出産とライフステージが変わる中で、奥様やお子様を連れてきてくださったり、さらには七五三の髪型を任せていただくこともあります。

こうしたエピソードを通じて、本当に人の人生に寄り添っているんだなと実感できる瞬間があり、それこそがこの仕事の大きな魅力だなと感じています。だからこそ、この仕事に誇りを持って、ぜひ飛び込んできてほしいと思っています。

バーバーなび:人のライフスタイルに深く関わることができる仕事ってなかなかないですし、そこに魅力が詰まっているわけですね。

山口氏:そうですね。あとは、サロン選びをする際にお給料面だけでなく、そこで働いている人や通っている人が幸せそうかどうかという点をご自身の目でしっかり見極めることも必要です。理容学校で講師をすることもありますが、理容師としての道を選んだ子たちでも残念ながら辞めてしまうことが多いんです。この仕事の魅力を知らずに辞めてしまうのは本当にもったいないので、そういった部分も大切にしてほしいですね。

また、僕自身が模範になれる学生だったわけではないですが、学生時代に学んだことは何一つ無駄じゃないということは伝えたいです。専門学生の方は最後の学生生活という人が多いと思うので、その経験はどこかで必要になることなので大事にしてほしいと思いますね。

バーバーなび:素敵なメッセージをありがとうございました。

最後に

バーバーなび:本日はお忙しい中取材のご協力いただきありがとうございました。最後に山口さんおすすめのメニューを紹介してもらえますか?

山口氏:はい。こちらこそありがとうございました。おすすめのメニューをご紹介します。

髪技理容師おすすめメニューパパ改造計画パーマ ¥14,000〜

モデル写真提供:HAIR SALON WEED

髪技理容師おすすめメニュークラスメイトに差をつけるキッズカット ¥4,000

モデル写真提供:HAIR SALON WEED

髪技理容師おすすめメニュー白髪を活かしたハイトーンカラー ¥15,000円

モデル写真提供:HAIR SALON WEED

店舗基本情報

店舗名HAIR SALON WEED
住所東京都豊島区雑司が谷1丁目5−2
営業時間・定休日平日10:00~19:00
土日・祝日9:00~19:00
※~19:00(カット・トリートメント)
~18:00(カラー・パーマ)
その他時間外も応相談(時間外料金あり)
定休日:毎週月曜日/第1・2・3月火連休
最寄駅沿線東京メトロ副都心線
最寄駅雑司が谷駅
電話番号03-3971-9364
ホームページhttps://weedhair.com/

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