今回は、BARBER SAKOTAで取材した大野様の地元、あきる野市でお世話になっていたThis is lifeの立花啓伍さんをご紹介いただき取材をお願いしたところ、快く引き受けてくださったのでお話を伺ってきた。立花氏は、店名「This is Life」に込めた思いの通り、人生と仕事を結びつけながら、お客様や地域とのつながりを大切にし、自分らしいスタイルで思いを形にしていく、しっかりとした軸を持つ髪技理容師だ。
Keigo Tachibana (立花 啓伍)
This is Life
理容師歴:17年
出身校:アポロ美容理容専門学校
出身地:東京都あきる野市
得意技術:シェービング・カウンセリング・カット全般
得意スタイル:フェードカット・メンズのショートスタイル
こだわり:お客様の色をイメージして個々に合ったデザインに仕上げること
趣味:3兄弟の息子たちと遊ぶこと・お客様と話すこと
This is Life について
まずはサロンへの道順を案内しよう。東秋留駅から徒歩1分に位置する当サロンは、改札を出て駐輪場方面へ踏切を渡り直進すると、突き当たりを右折。するとすぐ駐車場の奥手、田畑不動産の向かいに見つけられるだろう。
一対一での施術が好評の「This is Life」は、お客様がそれぞれのイメージを持って気軽に来店できるよう、シンプルな外観に仕上げている。髪を切るだけでなく、地元の子どもから若者、お年寄りまで、幅広い世代が居心地よく集まる空間を提供するサロンだ。
お店の簡単な紹介が済んだところで早速、立花氏のインタビューを進めていくとしよう。
This is Life 立花 啓伍氏
理容師を目指したきっかけ
バーバーなび:こんにちは、本日はよろしくお願いします。まず立花さんが理容師を目指すことになったきっかけを教えてください。
立花氏:よろしくお願いします。僕が理容師になったきっかけは両親が床屋だったことです、元々は大工の道に進んだのですが、退職しフラフラしていたとき、実家の床屋に来てくれていたお客様の紹介でお世話になった職場が、とても良くしてくれたんです。こんなに僕を大事にしてくれる人脈・関係性を持つ父の仕事って、どういうものなんだろうと理容の中身にこの頃から興味を持ちはじめました。
理容業界への思い
バーバーなび:理容業界全体に対してはどのような思いや考えをお持ちですか?
立花氏:理容業界は、興味のある人が男女問わず増えてきてる業界だと思います。僕にとって理容は、僕に興味を持ってくれた人が集まってくれて、しかもお金を頂いて髪を切らせてもらえる場です。僕はここに理容の魅力があると感じています。例えば友達や自分に興味のある人が増えれば、おのずとお客様も増えていく業界。だから自分が理容師になってどうしたいか、どうなりたいかのビジョンがはっきりある人に目指してほしい業界だなと思います。流行りのスタイルを提供するやり方も、入り口としてはありだと思うけど、結局自分が何をしたいのかという軸を持っていることが大切だと思います。理容には正解がないので、お客様が喜んでくれたら100点です。理容に興味のある人が、その人らしく好きな技術やスタイル、イメージを提供してほしい。それが支持されたら生活できるし、支持されなければ支持されるための努力をすればいいだけです。
バーバーなび:まさにアメリカンバーバースタイルの思考に近いですね。それでは、色々な思いを持つ理容室がある中で、1000円カットについてどのような印象をお持ちですか。
立花氏:そうですね。1000円カットは個人的に凄くいいと思っています。洋服も価値観もカルチャーも、人それぞれ違うからこそ、ライフスタイルに合ったものを、それぞれが選択して取り入れていくと思うんです。その中で、髪を切るという無くすことのできない日常の選択肢に1000円カットが選ばれ、業界が拡大するくらい支持されているのあれば、いいことだと思います。理容に正解はないですから。
髪技理容師としてのこだわり
バーバーなび:ありがとうございます。それではこだわりを教えてください。
立花氏:技術面でのこだわりについては、2つあります。1つ目は、「僕っぽいスタイル」を意識することです。自分の個性や感性を反映させたスタイルを提供し、お客様にもその魅力を感じていただきたいと思っています。2つ目は、カウンセリングを通してお客様のライフスタイルに寄り添ったヘアスタイルを作ることです。カツラをかぶせたような不自然な仕上がりにならないように、個々のお客様の骨格にフィットするスタイルを作ることに力を入れています。これが僕の技術に対する大切なこだわりです。
バーバーなび:ありがとうございます。ライフスタイルからスタイルを作り出していくのですね。そういった点含めて、聞き出しやすいお店作りにもこだわられている点があるのでしょうか。
立花氏:そうですね。お店作りでは空間作りを意識してます。やっぱり髪を切る作業は、どのお客様も小さい頃から当たり前にしてきたことだと思うのですが、その当たり前に価値をつけるということをお店の軸にしています。髪を切っておしまいですってことではなく、一対一のメンズサロンとして、お客様に特別な空間でリラックスしてもらうことにこだわっています。大人でも子供でも、この1時間枠は変わらないので、早く終わってもお店としてはそのお客様にとっている時間だから、回転率を上げようという戦略はなく、1日にお迎えできるお客様の数を決めて、いつ来られても同じ空間をお客様に提供できるように時間の取り方を大切にしています。看板にカラーをつけていないのもその理由の一つです。お客様の好きなものやイメージで、この空間を作って欲しいという思いを込めて、あえてシンプルなデザインにしています。
バーバーなび:僕も実際にこちらに足を運んでみると、看板がシンプルだったため、最初は理容室とは気づかず、おしゃれなショップかなと思いました。
立花氏:そこも意識している部分で、差別化を図るために、サインポールや料金表をあえて表に出さず、興味のある方に自然に入ってきてもらう、または紹介で来てもらうという形作りを大切にしています。そうすることで、より自分のスタイルや空間に共感してくれるお客様との出会いを大事にしたいと考えています。
バーバーなび:お店のロゴがデザインされたTシャツを販売されているのを拝見したのですが、アパレルにも力を入れているのでしょうか。
立花氏:Tシャツについては、オープン当初からお店のデザインに携わってくれている友人が、イベントの時だけ数量限定で作成してくれています。というのも、バーバーショップが流行りすぎてしまっているので、あくまでも髪を切ることを仕事にしている場所、つまりカットサービスを行っているお店にしたいと考えています。そのため、僕自身はデザインにあまりこだわらず、友人からいくつか案をもらってその中から選んでいます。
お客様へのメッセージ
バーバーなび:どのようなお客様にお店に来て欲しいですか?
立花氏:ただ髪を切りたいという人よりも、僕に髪を切って欲しいと思ってくださる方や、お店に来てみたいと思って来店してくださる方に、満足してお帰りいただきたいと思っています。まずは興味を持ってもらえると、嬉しいですね。
バーバーなび:実際来店される方の年齢層はどういった層が多いですか。
立花氏:年齢層は幅広いです。地域の方々がほとんどで、小さいお子さんから、70、80代の方まで来店されます。さまざまな年齢層のお客様とお話しする中で知ったことや感じたことをまた別の世代のお客様に還元し、その繰り返しが地域に根付く一因になっていくのではないかと思っています。お客様から聞いた思いや感じたことをここで僕が誰かに繋げることで、地域の間接的な社交場になれたらとも考えています。そのためにも、僕は信頼される存在であり、興味を持ってもらえる存在でありたいと考えておりますので、そこに重きを置いています。
バーバーなび:地域に根付く素晴らしい思いをありがとうございます。将来を見据えた際、今後のビジョンとしては拡大していきたいという思いもありますか。
立花氏:中には、町の床屋で終わりたくないという思いを持った理容師もいると思います。今はSNSを活用している理容師が多くなり、コンテストで優勝し、その肩書きを得ることで自分の存在をアピールしようとしている人もいます。それはそれでかっこいいと思いますが、僕はそういった場には出ませんし、ビジョンとしては『僕に髪を切って欲しい』という人に向き合っていきたいので、誰かを雇ってお店を拡大させるつもりはありません。ただ、うちを24時間営業にして、僕のいない時間帯にフリーランスの理容師さんに来てもらうことで、今までの営業時間では来られなかったお客様にも来てもらえるような取組みをしたいという考えはあります。フリーランスの方には自信をつけてもらい、独立を考えている方には、僕が持っている知識やノウハウを伝えられたらと思っています。また、お互いの得意な時間帯に集客をするので、お客様の取り合いにもならないと思っています。今は、1日10枠という限られた中でやっていきたいと考えていますが、町おこしも含めて、理容を必要としている人に環境を提供できたらいいなと思っています。
未来の理容師に向けたメッセージ
バーバーなび:理容師を目指す若者に向けたメッセージをお願いできますか?
立花氏:自分が興味を持ったことの全てを活かすことができる仕事が理容師だと思います。例えば、スポーツをしていた経験やマンガが好きだったことから得た知識がいつか目の前のお客様に役立つ瞬間が来るんです。だからこそ、今は自分が興味のあることをどんどん体験したり、場所に行ったり、誰かに話を聞いたりしてほしいと思います。つまり、遊んでくださいってことですね(笑)
バーバーなび:つまり、遊びや興味が仕事に活きるということですね。
立花氏:そうです。活かせないことはないと思います。例えば、いじめられた経験だって活かせるし、何もない時期や、だらしない自分も全てが活かされるんです。髪を切ることだけにとらわれず、お客様と過ごす空間作りに特化すれば、どんな経験も役立ちます。もちろん、技術一本に特化する道もありますが、たとえ技術が100点の腕だとしても、同じような技術を持った人が現れた時に、この空間作りという点で差をつけられないかもしれません。だからこそ、今のうちに自分の人間性を高めていくことが重要です。理容は、自分に興味を持った人が集まってくるので、本当に楽しい仕事だとお伝えしたいです。自分がしたいことをして、誰にも媚びずに関わる人と楽しく生きる、それが最強の理容です。もし何かに迷ったときは、どちらがかっこいいと感じるかを大切にして、挑戦していくといいと思います。
バーバーなび:自分の考えを持ちながら、自然体で接客している姿が多い業界だと、実際に僕も取材を重ねる中で感じています。
立花氏:最終的に、これが僕のやり方だというスタイルでやっているので、店名の由来にも繋がります。お店の名前である『This is Life』は、これが僕の人生、これが僕の生活という意味です。髪を切ること、そして僕に関わってくれたすべての方々が、「この人生でよかった」と感じて欲しいし、僕の人生の締めくくりも、そう感じたいという思いを込めています。誰かに気を使ったり、言いなりになるのではなく、自分の自由なやり方でやっていきたい。それによって、お客様にも『あなたのThis is Lifeで生きてね』というメッセージを伝え、貴重な1時間を価値のあるものにしたいと考えています。だからこそ、私はストレスフリーで仕事ができ、誰かに急かされることもないので、ずっと仕事が好きでいられるのです。ただし、この環境を当たり前だと思わず、感謝と奉仕の気持ちでお客様に還元できるよう、技術を磨いています。僕にとって、この店名がすべてのベースとなっています。
最後に
バーバーなび:本日はお忙しい中取材のご協力いただきありがとうございました。最後に立花さんからおすすめのメニューを紹介してもらえますか?
立花氏:はい。こちらこそありがとうございました。こちらでございます。
髪技理容師おすすめメニューカット+シェービング¥5500
モデル写真提供:This is Life
店舗基本情報
店舗名 | This is Life |
住所 | 東京都あきる野市野辺456 |
営業時間・定休日 | 月 – 土:OPEN 9:00 – CLOSE 19:00 日・祝:OPEN 9:00 – CLOSE 17:00 定休日:不定休 |
最寄駅沿線 | JR五日市線 |
最寄駅 | 東秋留駅 |
電話番号 | 042-800-1106 |
ホームページ | http://thisislife.jp |
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