髪技理容師を探せ Vol. -BARBER City Project 正林 悠稀

今回は拝島エリアで床屋さんをリサーチしていたところ、Barber City Projectの代表である正林悠稀さんに取材を受けて頂けることになったので、早速お伺いした。正林氏は理容師歴19年、その経験から「人は宝」という思いを大切にし、お客様やスタッフの喜びを第一に考え、日々試行錯誤を重ねている。スタッフと共に笑い合える空間をつくり、自ら行動で示すことで背中で語れる存在であり続けたいと考え、将来的には自身の故郷である台湾への出店を目指す髪技理容師である。

Yuki Shobayashi(正林 悠稀)

Barber City Project

理容師歴:19年
出身校:横浜理容美容専門学校
出身地:台湾
得意技術:メンズカット・リラクゼーション(スパ・エステ)
得意スタイル:再現率の高いカットやヘアアレンジ
こだわり:年齢性別に問わず全てのお客様に満足の技術とリラックスできる時間を過ごしてもらうこと
趣味:釣り・キャンプ・UFOキャッチャー

Barber City Projectについて

まずはサロンへの道順を案内しよう。拝島駅改札出て南口エレベーター側階段降り、西武信用銀行が見える通りを直進すると、左手にセブンイレブンがある。目の前の松原4町目交差点の信号を渡り、直進すると野島不動産が見えてくるので通過し1分ほど歩くと、左手に見えてくるだろう。

スタッフ数に余裕を持たせ、安定したサービスを提供する当サロンは、代表である正林氏からのあふれる優しさと穏やかさが、自然と連鎖しスタッフ全員にその雰囲気が広がっている。価格帯も、お客様が安心して通えるようにと、質の高いサービスにふさわしくないほどの手頃な設定にしていることから、正林氏のお客様ファーストへの思いが伝わってくる。

お店の簡単な紹介が済んだところで早速、正林氏のインタビューを進めていくとしよう。

Barber City Project 正林 悠稀氏

理容師を目指したきっかけ

バーバーなび:こんにちは、本日はよろしくお願いします。まず正林さんが理容師を目指すことになったきっかけを教えてください。

正林氏:よろしくお願いします。もともと理容には全く興味がなく、ディズニーランドのシェフになることを夢見て調理師を志望していました。学生時代には調理師免許が取得できる学校を受験しましたが、不合格となり、その後も何度か挫折を経験しました。進路に迷い途方に暮れていたとき、中学校の先生が「中卒でも見習いを受け入れてくれる理容室」を見つけてきてくださり、当時は理容と美容の違いすら知りませんでしたが、理容室での見習い経験のある母の後押しもあってお世話になることにし、理容の道が始まりました。

バーバーなび:はじめは興味のないところからのスタートだったのですね。

正林氏:そうですね。本当になんとなくでこの業界に足を踏み入れた形でしたが、まさかここまで続くとは思わなかったです。床屋以外のバイトもしたことがあるのですが、どれも僕には合わなくて結局気づくと、床屋で働きながら床屋のバイトをしていて、自分の居場所はここなんだと思うようになりました。そこからはもう理容の道を極めたいという思いで、美容も学びながら理容も学び、ほんと一からこの業界のことを知っていきました。

理容業界への思い

バーバーなび:理容業界全体に対してどのような思いや考えをお持ちですか?

正林氏:この理容業界を盛り上げたいです。理容って、どこかおじさんが行くところであって、角刈りにされる、坊ちゃん刈りにされるから若い人が行く場所じゃないって認識されているところがあると思います。そこをそうじゃなくて、床屋だってオシャレにできる!ってことを、このバーバーブームを後押しにもっと出していきたいと思います。床屋=おじさんで、バーバー=オシャレってイメージを取っ払って、全部同じだよ!ってところを特に若い世代の人たちに広めたいですし、顔剃りやフェードカットができる強みのある理容をもっと知ってもらいたいです。
あとは、理容業界を目指す若者が少ないことに対する思いもあります。その原因って雇用形態や、賃金の設定からブラックな業界だと言われていることからきていると思うんです。実際、僕もいくつかの店舗で修行をしてきましたが、休憩も昼食も満足に取れず、休日もほとんどないという不条理な環境を経験しました。でもこれって経営者の方も感じてきたことだと思うので、このブラックって言われている環境を、なるべくうちはホワイトで行きたいし、少なくとも僕に関わる人には理容はブラックだと思わせたくないし、言わせたくないです。
実際にこのブラックな労働環境が原因でやめていった人を見てきたからこそ、うちは月の休みを10日取れるようにしているし、スタッフの希望する土日休みも作りやすい環境にしているつもりです。そういったところを、これからサロンや会社が大きくなったとしても残していきたいですし、この思いが業界全体に浸透することで、理容を志す若い子達のイメージも変えることができるんじゃないかなって思っています。働きやすいお店が作りたくて自分のお店を作ったので、同じ思いのお店がこれから増えてくれたらいいなと思います。

バーバーなび:なかなかその辺の本音を言ってくれる経営者の方はいらっしゃらないので、スタッフに対する貴重な思いをありがとうございます。

正林氏:ありがとうございます。正直なり手が少ないこの業界では、経営者にとって人の確保は頭を抱える大きな課題です。卒業を控えた学生には多くの求人が集まるのが現状で、そんな中どうすればうちのサロンを選んでもらえるかと考えたとき、本当にうちのサロンで一緒に働いてほしいと感じた人材に対しては「直接会いに行かなければならない」と思いました。実際、今うちで働いてくれているスタッフが就職先を決めかねていたとき、僕は電話でアポを取り、飛行機で鳥取まで足を運び、本人だけでなく親御さんにもお会いしました。他のサロンからも声がかかっていたかもしれませんが、行動したことで最終的にうちを選んでくれて、今こうして一緒に働けていることがとても嬉しいです。個人経営のサロンが求人を獲得するには、そこまでの行動が必要だと痛感しています。
ただ、絶対のびると思った人財を見つけたからここまで行動したわけで、働いてくれるなら誰でもいいわけじゃなく、実際に「ここで働きたい」と応募があってもお断りするケースのほうが多いです。サロン個々にカラーがあるようにスタッフそれぞれにもカラーがあるので、どうしても合う合わないがあるんです。うちのサロンだと、真面目すぎる人、マニュアル通りの仕事ができる人は向いていませんし、そのような人は大手に行った方が伸びると思います。うちは、マニュアルはあるけれど個々に考えて行動してもらうことを求めているので、そんな柔軟性のある人を求めていますし、マニュアル通りに働くだけでは、お客様に心から満足していただく接客はできないと思っているので、僕自身がそんな人になれるようにしています。

バーバーなび:素晴らしい行動力ですね。理容業界のなり手不足ってところから今後の理容業界の課題も見えてきますね。

正林氏:そうですね。あとは理容を男の身だしなみとして知ってもらいたいという部分もあります。人それぞれ考え方はあると思いますが、顔剃りは自分でもできることですが、あえてプロに任せることで初めてその気持ちよさや心地よさを知るものだと思います。最近は眉毛サロンも増えていて、そこにはそのサロンならではの良さがあることも事実なので否定はしません。ただ、実際に「もし床屋さんに行っていたら、眉毛サロンには行かなかった」という声をいただくこともあります。また、「眉を整えてもらう概念がなかった」とか、「バーバーと看板を掲げるサロンに通っていたけれど顔剃りのサービスがなく、その良さを知らなかった」というお客様の声もあります。顔剃りでは、もみあげ・産毛・耳周りといった細かい部分まで丁寧に整えられ、身だしなみをしっかりとサポートできるものです。そういった顔剃りの良さを、理容を通してもっと多くの方に知っていただきたいと思っています。

バーバーなび:理容室といえば顔剃りというイメージがありますね。

正林氏:本当にこの気持ちよさを知ってほしいです。あとは、床屋のリラクゼーションメニューも気持ちいいのでぜひ体験していただきたい思いです。床屋だからイカツイとか、床屋だからこうであるべきという概念は無しにして、それぞれの得意とする分野を伸ばせるサロンが増えていけばいいなと思います。僕の場合はそれがリラクゼーションなので、もっと極めていきたいと思っていますし、この腕で多くのお客様を満足してもらいたいです。

髪技理容師としてのこだわり

バーバーなび:それではこだわりを教えてください。

正林氏:お客様に満足していただくことが1番だと思っています。中でも、お客様のライフスタイルに合う技術を提供したいと思っているので、例えばリラックスされたいと思っているお客様には無理に話かけず、リラクゼーションをお届けするようにしていますし、お話を楽しみたい方には、会話を通じてリラックスと楽しさをお届けできるよう努めています。技術が上手い下手の前に、お客様がどれくらいリラックスできるかどうか、満足していただけるかどうかにこだわり、大切にしています。

バーバーなび:お客様それぞれに合うサービスを提供されているのですね。

正林氏:はい。いつでも高い技術とサービスを提供し、お客様が安心してリラックスできるサロンでありたいと考えています。お客様が目を閉じてリラックスし、眠りに落ちていただけるような心地よさを提供できたら勝ちだと思っています。おかげさまで2ヶ月先の予約も埋まる状況ですが、そんな中でも無理な予約をとることなく、スタッフが休憩時間を確実にとれ、1人多いくらいのスタッフを常に確保することで、お客様にもスタッフにも負荷がかからないようにしています。スタッフが2倍頑張っているなら僕は10倍頑張るし、今のサロンがあるのはスタッフのおかげなので、サロンの代表だからといってあぐらをかいちゃいけないと思っています。
理容業界がなり手不足の中でも、特に女性の理容師さんが少ないのが現状ですが、うちには女性の理容師さんが多く働いてくれていて、休憩時間もリラックスしてほしいと言う思いから、ここのサロンがある上の階を借り、スタッフがリラックスできる場所として空間を作っています。スタッフを物のように扱っていては、お客様も大切にできません。どれだけお客様を大切にしていても、スタッフを物のように扱っているサロンは、人に優しくされていないスタッフを作り、そのスタッフに「お客様を心から歓迎する気持ちを作れ」と言うのはのは難しいと思います。これは負の連鎖になりかねず、私としては絶対に避けたいところです。「このお店は忙しい時に雑になる」と思われることなく、「忙しい日でもいつも丁寧に仕上げてくれる」と思ってもらえるサロンを目指しています。だからこそ、スタッフは私にとってかけがえのない存在であり、宝だと思い大切にしています。

バーバーなび:素晴らしい技術とサービスを提供されているにもかかわらず、他店と比べると比較的安価とも取れる価格設定にもこだわりがあるのでしょうか。

正林氏:おっしゃる通りです。この個室空間、特別な空間で、カットのフルコースができ、この価格設定っていうのは僕の修行時代には出会わなかった安価な価格設定です。僕の中では世間的には安くしすぎじゃないかと思われるような価格設定を提供することでアットホーム感を出し、「1回行ってみようかな」って感じてもらうことで、理容の良さを体験してもらうきっかけにしてほしいと思っています。
お客様が「飲みにいきたいな」と思う気軽な気持ちと同様に「カット行きたいな」と思った時に気軽に通えるサロンでありたいと思っています。たとえそれがお子様でも、うちを選んできていただいている思いに変わりはないので「よ、元気久しぶり」ってラフな感じで、来店していただけるよう、大人と変わらない技術と接客でお迎えしようと思っています。年齢性別関係なく平等に接することにもこだわっていますね。

お客様へのメッセージ

バーバーなび:どのようなお客様にお店に来て欲しいですか?

正林氏:年齢や性別を問わず、どなたにも来ていただきたいと考えています。また、LGBTQの方や障害をお持ちの方も安心して通えるようにと、半個室を設けました。自分の個性を理由に人目が気になって、美容室に行くのをためらってしまった方もいらっしゃるかもしれません。そんな方々にもぜひ、安心してご来店いただければと思っています。うちのサロンは女性のお客様も多くいらっしゃいますので、「床屋なのにリラックスできるサロン」を目指しています。また、男女問わず幅広いお客様にご来店いただけるため、「ここは理容室なのか美容室なのか?」と思われるような、ジャンルに縛られないスタイルを追求したいです。それが僕の考えるプライベートサロンであり、目指しているサロンの形です。

バーバーなび:幅広い客層のお客様を歓迎されているのですね。地域柄的にサラリーマンのお客様も多いですか。

正林氏:そうですね。サラリーマンの方、疲れ切ったビジネスマンの方もいらっしゃいます。革靴を1日履いていると、やっぱり疲れてしまうと思うんです、だから少しでもくつろいでいただきたいという思いから、靴を脱ぎ入店していただくスタイルで営業しています。しかし、靴を脱ぎたくないというお客様がいらっしゃれば、履いたままでも大丈夫ですし、シャンプーの向きから細かな部分までご希望に添えるよう努めています。あくまでお客様が主役なので、カットももちろん大事ですが、それが全てではないと思っていることから、私たちがどのようにサポートできるかを常に考え、お客様にとって理容室に来ることが「ご褒美」と感じていただけるよう、価格以上の価値ある空間と技術を提供することを心掛けて頑張っています。

未来の理容師に向けたメッセージ

バーバーなび:理容師を目指す若者に向けたメッセージをお願いできますか

正林氏:人生は一度きり!楽しんだもん勝ちです。理容師を目指すなら自分の好きなこと、個性を活かしてほしいと思います。働いてみないとわからないことがたくさんあるので、働いたサロンが合わなければ他にもサロンはたくさんあるんだからやり直せばいいんです。合わなかったからと理容師を辞めるのではなく、この仕事に誇りを持って、何度も何度もトライしてもらいたいです。いつかは自分に合うお店にきっと出会うことができるので、自分の人生ですから決して簡単に諦めずに、自分の腕を磨いて好きなように羽ばたいて輝かせるような人になってほしいと思います。

バーバーなび:ありがとうございます。これまでいくつものサロンをインタビューさせてもらってきましたが、本当に温かい思いのあるサロンで、ここで働きたいと思う学生さんがこれから増えるんじゃないかと感じました。

正林氏:ありがとうございます。うちにオープン当初から来てくれている高校生のお客様が何人かいるのですが、これから何をしたいか、どんな道に進みたいか迷っているという相談をされることがあります。たまたまその中で床屋に興味があると言ってくれる子もいて、とても嬉しい思いがある反面、正直床屋にはまだブラックな面を持つサロンもあるし、そこで挫折してしまう人を見てきた経験から「いいよ」と自信を持って言うことができない自分がいます。床屋を本当にやりたいんだったらサロン選びが大切だと思うし、うちに来てほしいという思いももちろんありますが、他のサロンの良さも色々見て知ってほしいし、「うちいいよ!来てくれよ!」って言うのは簡単ですが、その子たちの面倒を今後見るって責任はとても大きいので、うちが最初のお店だったらその子たちの理容業界に対する思いが、今後狭くなってしまうんじゃないかと思ってしまいます。だからそんな無責任なことは言いたくなくて、今の現状じゃ他のお店に行って、合わなかったらうちに来てもらってって方が正直気が楽ではあります。それを伝えた上でも、この理容業界を目指すと言ってくれた人も中にはいたので、その時は「全力で応援するから相談してね」と伝え、僕をきっかけに本気で理容を目指すとこになった姿を見るのは本当に嬉しいことでしたし、この仕事をやっていてよかったなと思いました。
最後に、これから理容師を目指す人へのメッセージとして「よかったらうちに遊びに来てね」って言葉も載せておいてください!

バーバーなび:心温まる素敵なメッセージをありがとうございました。

最後に

バーバーなび:本日はお忙しい中取材のご協力いただきありがとうございました。最後に正林さんからおすすめのメニューを紹介してもらえますか?

正林氏:こちらこそありがとうございました。こちらでございます。

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モデル写真提供:Barber City Project

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モデル写真提供:Barber City Project

店舗基本情報

店舗名BARBER City Project
住所東京都昭島市松原町4丁目5−11 サニーハイツ 1F
営業時間・定休日月-金 10:00~20:00
土 日 09:00~19:00
定休日:毎週木曜
最寄駅沿線JR青梅線
最寄駅拝島駅
電話番号042-519-1235
ホームページhttps://barbercityproject.com/#access

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