THE STYLIST INTERVIEW
理容師特集
SHIN 吉田 彩花
今回は以前バーバーなびで取材させていただいたBOND HONDAの柿本 宗春さん
にご紹介にご紹介いただき、SHINの吉田 彩花さんを取材させていただいた。吉田氏は理容師歴14年。トータルケアを重視した施術を強みとし、髪・肌・頭皮のすべてにアプローチできるサロン空間を追求している。癒しと整えを同時に叶えるスタイルで、多様な世代から信頼を集めている髪技理容師だ。

SHIN
吉田 彩花
理容師歴:14年
出身校:中央理容美容専門学校
出身地:東京都
得意技術:刈り上げ・キッズカット
得意スタイル:爽やかショートや色気のあるパーマスタイルなど、お気軽にご相談ください。
こだわり:一人ひとりに合わせた“量産型ではない”仕上がり
お客様のその日の気分に寄り添い、変化を楽しめるスタイル提案
ご要望にプラスアルファの提案を加え、完成度を高める仕上がり
趣味:カメラ
サロン紹介

まずはサロンへの道順をご案内する。本駒込駅エレベーター口を出たら、右手に駒本小学校を見ながら直進。500mほど進むと、左手にリサイクルショップリックスが現れる。その奥にある自販機の脇道を入れば、バーバーポールが目印の当サロンに辿り着けるはずだ。

2025年4月27日、「カットハウス真」の店内にて、新たな理容空間〈SHIN〉がスタート。吉田氏はご両親と同じ理容の現場に立ちながら、自身のスタイルで地域との新たな関わり方を模索している。「今まで育ててくださった皆さまへの感謝」を胸に、日々理容と真摯に向き合う姿勢には、変わらぬ誠実さが滲む。オープン直後から届いた多くの贈り物が、これまでに築いてきた信頼と温かな人間関係を物語っていた。SHINは、親子それぞれの役割を活かしながら、地元に根ざした理容のかたちを丁寧に築いている。
理容師を目指したきっかけ

バーバーなび:こんにちは。本日はよろしくお願いいたします。まず、吉田さんが理容師を目指されたきっかけについて教えていただけますか。
吉田氏:よろしくお願いします。これといった明確なきっかけがあったわけではないのですが、実家が床屋を営んでおり、祖父母も理容師だったことから、自然とこの道を意識するようになりました。高校を卒業する頃、特に大学で学びたい分野があったわけでもなく、ごく自然な流れで理容の専門学校に進む選択をしました。幼い頃から日常の風景として理容の仕事を見てきたことが、気づけば自分自身の進む道になっていたのだと思います。
理容業界への思い

バーバーなび:理容業界全体に対して、どのようなお考えをお持ちでしょうか。
吉田氏:まず、理容室をわざわざ選んで足を運んでくださること、当サロンを調べたうえでご来店くださることに、感謝しています。以前は、いわゆる「床屋」とは異なる雰囲気の、バーバーポールのない美容室のようなサロンに勤めていたこともありましたが、そのような環境ではお客様の中に「美容室だと思って来ました」という方がいらっしゃったり、「ここって床屋なんですね。おしゃれですね」と声をかけていただくこともありました。理容室には、年配の男性が通う場所、古いイメージがあるという認識を持たれている方もまだまだ多いと思います。だからこそ、そうしたイメージを少しずつでも変えていきたいという思いがあります。理容室の中には、着付けやネイルまで対応できるサロンもあり、そうした幅広い魅力をもっと多くの方に知っていただきたいと感じています。理容室というだけで選択肢から外されてしまうのではなく、「髪を切る場所」以上の価値を持つ場所として、癒しやリラックスを提供できる存在でありたいと思いますし、お顔剃りや施術を通して、ただ整えるだけではなく気持ちも整うような、そんな“心の拠り所”として感じていただけたら嬉しいです。
バーバーなび:髪を切るだけではない、心身ともに整うサロンの存在をもっと知ってもらいたいですね。
吉田氏:ザ・バーバーのような無骨でかっこいいサロンも素敵ですし、昔ながらの理容室ももちろん良さがあります。その一方で、美容室のような要素を取り入れた、入りやすく親しみやすい雰囲気の理容室にも魅力があると感じています。理容室という選択肢がもっと広く認識されていけば嬉しいです。このサロンの周辺には学校も多く、住宅街も広がっているため、さまざまな年齢層のお客様にご来店いただいています。だからこそ、「おじいちゃんからお子さままで、家族全員が安心して通える場所」でありたいとも思っています。何かあったときにはここに来れば相談できる、情報が得られる、そんな存在を目指しています。理容室が地域のコミュニティのような役割を担えたら理想的ですし、クラウドファンディングのような仕組みで、街とのつながりを育てていくようなことにも取り組めたらと考えています。床屋という場所が、地域にとって何ができるかを考える場であり続けたいです。
バーバーなび:とても素敵なお考えですね。今後の展開が楽しみです。
髪技理容師としてのこだわり

バーバーなび:それでは、施術において大切にされている「こだわり」について教えていただけますか。
吉田氏:このサロンでは、頭皮も爪も、顔のシェービング、そして髪に至るまで、トータルで整えることができます。だからこそ、ここが「自分のための時間を過ごせる場所」であってほしいという思いがあります。ご来店いただくこと自体が楽しみになるような、そんなお客様のライフスタイルに入り込めるような「ルンルンするサロン」でありたいと考えています。中でも一番に大切にしているのは、リラックスしていただくことです。
バーバーなび:リラクゼーションを重視したメニューがあることで、心も身体も整えながら、見た目も美しく整えられるサロンですね。
吉田氏:格安サロンにも価格面での魅力はあると思いますが、私たちはそこからもう一段上のサービスを提供できるサロンでありたいと考えています。だからこそ、少し自分に余裕のある方にこそご来店いただけたら嬉しいです。そうしたお客様に、空間と技術の両面で満足していただけるよう、これからも丁寧なサービスを提供していきたいと思っています。
お客様へのメッセージ

バーバーなび:どのようなお客様にご来店いただけたら嬉しいと感じていらっしゃいますか。
吉田氏:「癒されに来てください」という思いが、何よりも強くあります。月に一度のご褒美のような感覚で、ご来店いただけたら嬉しいです。先日、初めてご来店されたお客様が「ここに来ると、今日一日が頑張れる気がする」とおっしゃってくださいました。そのようなお言葉をいただけることが、理容師として本当に嬉しく、励みになります。ご来店されたときとご退店されたときの表情の違いを、お客様自身にも実感していただけたらと願っています。
バーバーなび:癒しがポイントのサロン、とても素敵ですね。
未来の理容師に向けたメッセージ

バーバーなび:理容師を目指す若い方々に向けて、ぜひメッセージをお願いいたします。
吉田氏:理容師免許があれば、できないことはほとんどないと思っています。私自身、エステやネイル、着付けといった分野にも挑戦する機会がありました。すべてを習得する必要はありませんが、「やってみたい」と思う気持ちは大切にしてほしいです。いろいろ試してみた上で、自分にとって必要かどうかを取捨選択すれば良いと思います。理容師という仕事は、自分とは違うライフスタイルや価値観を持つ方々と出会い、深く関わることができる仕事です。その中で、思いがけずラッキーだと感じるような瞬間もあり、楽しいと実感することも多くあります。そうした経験を通して、私は理容師になって本当によかったと感じています。
バーバーなび:素敵なメッセージをありがとうございました。