THE STYLIST INTERVIEW
理容師特集
G.O.A.T FAMILY 坂口 珠利
今回は以前バーバーなびでご紹介させていただいたCut inn TANAKAの田中 純平さんにご紹介いただき、G.O.A.T FAMILYの坂口 珠利さんを取材させていただいた。坂口氏は、赤羽のBARBER KINGで店長を務めていた際にも取材しており、独立という節目を迎えた現在の歩みとサロンに込めた思いを改めて伺った。
CREDIT : Photo/Yuki 文/Yuki 編集/Manami(バーバーなび)
G.O.A.T FAMILY
坂口 珠利
理容師歴:10年
出身校:埼玉県理容美容専門学校
出身地:埼玉県
得意技術:フェードカット、パーマ、ハイトーンカラー
得意スタイル:フェードスタイル、ショートカット、その時のトレンドのスタイル
こだわり:80点くらいの「満足」ではなく、より上の「感動」を与えられるような技術を提供すること
趣味:筋トレ、お酒、娘と奥様と遊びに行くこと
サロン紹介
まずはサロンへの道順をご案内しよう。JR川口駅東口を出て、産業道路を川口市立幸町小学校方面へ進む。左手にレクサスが見えたら右折し、幸町小学校の正門向かいにあるのが当サロンだ。
当サロンは、深いグリーンを基調とした空間に重厚感のあるバーバーチェアが並ぶ、スタイリッシュな理容室。ウッド調の床とレンガ壁が落ち着きを生み、クラシックとモダンが心地よく混ざり合っており、壁面には写真やアートがリズムよく配置され、ひとつの世界観をつくり上げている。照明は必要以上に明るすぎず、施術に集中できる落ち着いたトーン。カウンター周りのディスプレイにもこだわりがあり、空間全体に“バーバー文化”への敬意が漂うサロンだ。
理容師を目指したきっかけ
バーバーなび:こんにちは。本日はよろしくお願いいたします。昨年の取材では、理容師を志されたきっかけを伺いましたが、今回は独立され、2025年7月にサロンをオープンされた背景についてお聞かせいただけますか。
坂口氏:よろしくお願いいたします。もともと業界に入った当初から、独立は自分のスタートであり、最終的な目標でもありました。本来であればもっと早い段階で独立する予定でしたが、結婚や出産といった人生の節目が重なり、計画を一度立ち止まる必要がありました。物件探しは、取り掛かった瞬間から約1年半、毎週のように続けていましたが、なかなか条件に合うものに巡り会えず、一度中断することにしました。キングさんに所属した際には、物件が決まり次第退職する可能性があることを事前にお伝えしていたにもかかわらず、受け入れてくださった社長には今でも深く感謝しています。その後、子どもが1歳を過ぎた頃、休日のたびに物件探しに費やす日々が、「最も可愛い時期を見逃してしまっているのではないか」と感じ、一度探すことをやめ、貯金に専念しました。ある程度の準備が整ったこともあり、今年2月頃に再び物件探しを始めたところ、まさに巡り合わせのように現在の物件に出会うことができました。
理容業界への思い
バーバーなび:理容業界全体に対して、どのような思いや考えをお持ちでしょうか。
坂口氏:現在は美容師が“カリスマ”と称される時代ですが、理容師と美容師の技術的な差は以前ほど大きくないと感じています。かつては理容師の立場が弱く見られる時期もありましたが、今ではブラックヘアをはじめとした幅広いスタイルを美容師がつくれるようになり、両者の境界が曖昧になりつつあります。であれば、カリスマ美容師が存在するように、“カリスマ理容師”が生まれてもよいのではないかと考えています。
バーバーなび:理容師が憧れの職業として認知される未来を目指されているのですね。
坂口氏:その通りです。学生の方々が理容師という職業に憧れを持ち、夢を描ける場をつくりたいと思っています。当店でも、来店されることが一つのステータスになるような空間づくりを目指しています。見た目は少し強面に見えるかもしれませんが、接客も技術も本物であることを体現し、ホテルのような丁寧で洗練された対応を徹底することで、お客様から信頼いただける存在を目指しています。
髪技理容師としてのこだわり
バーバーなび:それでは、サロンとして大切にされているこだわりについてお聞かせください。
坂口氏:まず、技術には強い自信を持っています。技術力において誰にも負けないと自ら思えるほどでなければ、独立して店を構えることはできないと考えているからです。また、私自身だけでなく、在籍しているスタッフも高い技術力を備えており、安心して任せられるメンバーが揃っています。技術面に関しては、胸を張って良いと言える体制が整っています。
バーバーなび:技術面以外で、特に注力されている点はありますか。
坂口氏:はい。サービス面に力を入れています。お客様への言葉遣いをはじめ、お荷物をお預かりする所作、クロスを掛ける動作など、一つひとつの行為に細心の注意を払い、サービス面の質を高めることで価値を届けたいと考えています。一流のサービスとして提供することを徹底し、お客様が「ここで切っている」と自信を持って言えるように──。そのための内装、技術、スタッフ、そして他店の模倣ではなく、自分が良いと思うサロンづくりにこだわっています。
お客様へのメッセージ
バーバーなび:どのようなお客様に来てほしいとお考えでしょうか。
坂口氏:年齢に制限はありませんが、中心となるのは20代・30代のお客様かと思います。特に、おしゃれに気を配っている方、これからおしゃれになりたい方、より格好よく見せたいという意識を持っている方にご来店いただきたいですね。また、「今日はどうしても髪をしっかりキメたい」という場面があるお客様にも、ぜひ足を運んでいただきたいと思っています。
バーバーなび:ただ整えるだけではなく、明確な目的を持ってヘアスタイルを仕上げたい方に、最適なサービスを提供されているのですね。
坂口氏:はい。単に髪をさっぱりしたいだけであれば、他にも選択肢はあるかもしれません。しかし、「本気でかっこよくなりたい」「今日はキメたい」という方にこそ、当店を選んでいただきたいと考えています。このエリアには多くのバーバーがありますが、当店は唯一無二のサロンになれると信じています。ぜひ一度ご来店いただければと思います。
未来の理容師に向けたメッセージ
バーバーなび:理容師を目指す若い方々に向けて、メッセージをお願いできますか。
坂口氏:将来理容師を目指す方には、まず「夢を持って飛び込んでほしい」と伝えたいです。夢を抱いてもらうためには、私たち自身が魅力ある存在でなければなりません。お金は確かに大切ですが、目先の収入だけを基準に進路を選ぶと、長い目で見て損をしてしまうことがあります。10年後の自分にとって何が最善か、どの環境が夢への近道かを考えながら道を選んでほしいと思います。
バーバーなび:ご自身の経験からも、長期的な視点が重要だとお考えなのですね。
坂口氏:そうですね。それから、若い今のうちに思いきり遊んでほしいとも思っています。ただ、その中にほんのわずかでも将来の自分の姿を思い描く時間があれば、その後の動き方が大きく変わり、成長のスピードも早まります。今やらなければ、後になってから取り返すことは難しくなります。学生時代の遊びであっても、専門学生ならコンテストであっても、「今できること」は全力で取り組むべきです。やったことは必ず自分の力になります。そして、進路に迷ったときは「どちらが難しいか」ではなく、「どちらが楽しいか」で選んでほしいと思います。“明日やろうは馬鹿野郎”という言葉をモットーに、目の前のことに主体的に向き合ってほしいです。技術面で分からないことがあれば、先輩に尋ねるのが最も早い道です。遠慮せず、その場で吸収していってください。
バーバーなび:力強いメッセージをありがとうございました。