THE STYLIST INTERVIEW
理容師特集
髪(ヘア)ファッション四季 飛田 恭志
今回は髪技理容師Vol4.でご紹介させていただいたHAIR RESORT CLIPS武蔵小金井店我妻さんのご紹介で髪(ヘア)ファッション四季の飛田恭志さんに取材させて頂いた。後ほど詳しくご紹介させて頂くが、飛田氏と言えば理容業界では知る人ぞ知る世界理美容選手権大会金メダリストであり、言ってみれば理容業界の井上尚弥選手やイチロー選手の様にレジェンド的存在なのである。飛田氏の元には多くの理容師がその技術を学びに訪れるそうだ。
CREDIT : Photo/Yuki 文/Yuki 編集/Zummy(バーバーなび)
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髪(ヘア)ファッション四季
飛田 恭志
出身地:東京都
理容師歴:30年
出身校:中央理容美容専門学校
得意技術:メンズベーシック
得意スタイル:長持ちしてくれるスタイル
趣味:プラモデル(切って・貼って・塗ってと理容に通じる物がある)
主な経歴
第55回全国大会チャンピオン
2005〜2007ヨーロッパ最優秀選手
2008年世界理美容選手権大会金メダリスト
主な活動
東京都理容組合専任講師/全利連中央講師/全理連ナショナルチームトレーナー/CNC本部講師/世界理美容機構認定審査員他幅広く活躍中
サロン紹介
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千代田線根津駅を降りて大通りを進むこと徒歩5分に飛田氏がオーナーを務める髪ファッション四季根津店がある。余談にはなるが、サロンに向かう通りには趣のある様々なお店が連なり賑わいを見せていて歩いているだけで楽しい気分だ。お隣のたい焼き屋さんは有名なのだろうか?取材日は平日にも関わらず行列が出来ており、皆さん美味しそうに口いっぱいに頬張っていた。 地域密着型の地元のお客様がメインという事もあり、平日営業中ということでサロンにはひっきりなしにお客様が入られていたが、温かく店内に迎え入れて頂いた。店内は清潔感にあふれ、一床一床の感覚も広めに取られており居心地の良い空間でリラックスできるだろう。フリーで入ることも可能だが、出来るだけ待ち時間を少なくしたい方は予約を入れてからの方が安心だろう。
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飛田氏を慕って沢山の理容師さんが在籍する根津店。皆さんご自身の仕事に対してテキパキと無駄の無い動きが印象的だ。スタッフの皆さんも理容競技大会での受賞歴をお持ちの方が多数で、飛田氏だけでなくサロン全体の技術力は非常に高いという事なのだろう。 それではお店の簡単な紹介が済んだところで今回の主役である飛田氏のインタビューを進めていこう。
理容師を目指したきっかけ
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バーバーなび:こんにちは、本日はよろしくお願いします。まず飛田さんが理容師を目指すことになったきっかけを教えてください。
飛田氏:はい。きっかけというよりも床屋は私の実家の家業で3代目になりますので、私自身の血と肉を作ってくれた親にも恩返しするという意味で理容師をやるのも良いかなと。ただ、どのみち理容師になるのであれば日本一を目指してやろうと思ったことがきっかけと言えばそうなりますね。あの時大学に進んでいたら今の自分はどんな風になってるのかな?なんて想像することはありますが、今の理容師としての自分が負けない様に頑張らなくちゃいけないなとは感じています。
理容業界への思い
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バーバーなび:理容業界全体に対してはどのような思いや考えをお持ちですか?
飛田氏:コロナ禍の影響でテレワークになったりライフワークに様々な変化がありましたが、我々の業界は悲しくもリアルな世界でしか商売にならない訳で大きく影響を受けました。理容の文化は数百年・数千年の長い歴史の中で見ればコロナ禍の様に時代が大きく動かす危機があってもずっと存在してきている訳ですから、そういう意味ではこれからどの様な事が起こったとしても無くなる事の無い職業なんだと誇りに持って欲しい思います。
サインポールの回っている床屋は「古臭い・高齢者しか来ない」みたいなイメージがあり、また従事者の高齢化も進んでいる中で、そうは言っても日本の社会問題でもある高齢化社会に向けて我々理容の仕事はサードプレイスとして必要とされています。技術をしっかり積み上げて行くことで将来に渡って第一線で活躍出来る、必要とされる仕事なんだと自信と誇りを持って取り組んで行って欲しいですね。
バーバーなび:一般の方やお客様から見た理容業界のイメージの変化はありますか?
飛田氏:私の時代になってからは特に感じている事ですが、理容・美容の垣根が昔ほどは感じなくなって来ていますね。昨今は理容も床屋というよりバーバーというスタイルを打ち出すことでおしゃれを求める層であっても取り込む事に成功しているサロンも増えて来ている様に感じますね。お客様自身もその時、その時のライフスタイルに合わせて理容か美容を柔軟に選ばれている様です。
髪技理容師としてのこだわり
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バーバーなび:ありがとうございます。それではこだわりを教えてください。
飛田氏:常にブラッシュアップしていきたいですね。例えば、新しい道具・薬剤・理論・トレンドは常にアンテナ張って取り入れていきたいと考えています。 得意なものは頑張らなくても勝手にスキルアップすることは可能ですが、不得意な事は自己投資しないとどんどん置いていかれてしまいますからね。
バーバーなび:そういった意味でもコンテンストや大会への参加は続けられる予定ですか?
飛田氏:そう言った意味では、コンテストに対しては「リアルな人とのつながり」を大事にしたいから参加するという気持ちが強いですね。皆さんスキルを持った方々で、根本理容が大好きな人で、こだわりを持ったプロフェッショナルな方が集まるのでその場に参加する事で彼らと出会い、刺激を受けているうちに自ずと自分のスキルアップにつながっているという感じです。
お客様へのメッセージ
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バーバーなび:どのようなお客様にお店に来て欲しいですか?
飛田氏:難しい人ですかね?
バーバーなび:難しい人と言いますと?
飛田氏:もちろん人間的に難しい人という意味ではなくて(笑) 癖とか髪質とかの問題で今までなりたい自分になれなかった方に来ていただきたいですね。お客様によってお悩みは異なりますが、もうこれはどれだけ頑張っても無理だろ?って諦めてしまっている方ほど一度相談頂ければ一緒に未来を変えて差し上げられるかも知れませんね(笑)。
未来の理容師に向けたメッセージ
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バーバーなび:理容師を目指す若者に向けたメッセージもお願いできますか?
飛田氏:理容師って私の経験上どれだけ頑張れても5年位なんです。最初の3年くらいは基本的な技術を身につけるのにガムシャラに頑張ってしまえばあとは波の少ない職業でもあるんですね。
手を抜こうと思えばいくらでも抜けるしダラダラと続ける事もできますが、そうは言っても技術の世界なので理容師として得られるもの、例えば報酬や名声や満足感であったりは結局自分自身の努力が必要なので常に立ち止まらず「頑張り続けて欲しいな」と思います。
私達先輩理容師が切り開いてきた道は、決して平坦では無いですが進もうと思っている方向は決して間違っていないと思っていますので安心して頑張ってください(笑)。