THE STYLIST INTERVIEW
理容師特集
PRIVATE BARBER 渡邉 拓真
今回は、以前バーバーなびでご紹介させていただいた髪 chos 武蔵浦和店の荻野 朱里さんにご紹介いただき、PRIVATE BARBERの渡邉 拓真さんを取材させていただいた。渡邉氏は、理容師歴8年。落ち着いた空間づくりと丁寧なカウンセリングを大切にし、一人ひとりの悩みに寄り添いながら、確かな技術で信頼を積み重ねる髪技理容師だ。
CREDIT : Photo/Yuki 文/Yuki 編集/Manami(バーバーなび)

PRIVATE BARBER
渡邉 拓真
理容師歴:8年
出身校:新潟理容美容専門学校
出身地:新潟県
得意技術:フェードカット・刈り上げ
得意スタイル:スペインカール・グランジパーマ・ラルフパーマなど、パーマをミックスしたスタイル作り
こだわり:上品な質感と、お客さまの好みに合わせた仕上がりを大切にしている
趣味:サッカー観戦・お酒
サロン紹介

まずはサロンへの道順を案内しよう。東急東横線・新丸子駅の改札を出て左へ進み、東口から直進。最初の信号を左に曲がり、しばらく進むと右手に「らーめんキリン」が見えてくる。その向かいに建つ「朝日サンライズ多摩川」ビルの1階が、目的地のサロンだ。駐車場も完備されており、通いやすさも魅力のひとつ。

PRIVATE BARBER(プライベートバーバー)は、新丸子駅から徒歩4分の場所にオープンした全席個室のメンズ専門理容室。“清潔感と洗練された大人の魅力”を引き出すスタイルを、落ち着いた空間で相談できる一軒だ。都会で働く男性のために設計されたプライベート空間では、周囲を気にせずリラックスできる理容体験を提供する。ビジネスにもカジュアルにも対応する高再現性のメンズパーマ、本格的なシェービング、頭皮ケアや眉の手入れまで、身だしなみを整えるメニューがそろっている。
理容師を目指したきっかけ

バーバーなび:こんにちは。本日はよろしくお願いいたします。まず、渡邉さんが理容師を目指されるようになったきっかけを教えていただけますか。
渡邉氏:よろしくお願いいたします。父から高校を卒業したらすぐに働くようにという考えを伝えられていましたが、自分の中では少し違う道も考えてみたいという思いがありました。ただ、大学に進学するという選択肢にもあまり魅力を感じておらず、進路に悩んでいたときに、もともと通っていた床屋で「理容師」という職業について知り、興味を持つようになりました。もともと髪を触ったり整えたりするのが好きだったこともあり、次第に理容か美容のどちらかの道に進みたいという気持ちが芽生えていきました。その中で調べていくうちに、「理容室には男性のお客さまが多い」というイメージが強くなり、自分は男性の髪を切りたいという漠然とした思いを持つようになりました。高校1年生の頃には「働きながら専門学校に通いたい」と親に伝え、本格的に進路を説得し始めました。
バーバーなび:早い段階から理容の道を考えられていたのですね。高校卒業後は、地元新潟を離れて上京されたのですか。
渡邉氏:はい。詳細な経緯は記憶が曖昧ですが、将来のことを考えたときに、地元に残るよりも東京で挑戦してみたいという思いが強くなり、それを両親に伝えて上京を決めたように記憶しています。
理容業界への思い

バーバーなび:理容業界全体に対して、どのようなお気持ちやお考えをお持ちでしょうか。
渡邉氏:ここ数年のバーバーブームの影響もあって、若い世代の方々にも理容スタイルが浸透してきていると感じる場面が増えてきました。たとえば、「刈り上げ」とオーダーされるよりも「フェードでお願いします」と言われることが多くなり、言葉の変化からも認知度の高まりが感じられます。そうした中で、お客さまのご要望にしっかり応えていけるよう、より技術にこだわっていきたいという思いがあります。また、発信の面では、美容師の方々に比べて理容師の投稿はまだ少ない印象があるため、理容業界全体でももっと積極的に発信できるよう、互いに刺激を受け合いながら切磋琢磨していけたらと思っています。
バーバーなび:今後、取り組んでいきたいことがあれば教えてください。
渡邉氏:最近では、店舗の雰囲気だけでなく、カウンセリングの様子や施術前の対話といった場面をSNSで発信することに関心が集まっていると感じます。理容の現場でも、そうしたリアルな空気感を届けられるような発信をしていきたいと思っています。また、お客さまの中には「市販のものでなんとなく髭を整えている」という方も少なくありません。そういった声を踏まえて、男性向けのアイテムを使いながら、髭の整え方やケア方法を紹介する動画もつくっていきたいです。私自身、髭が濃いこともあって、毛の生え方や悩みに共感できる部分が多いですし、そうした経験を活かして、生え方や毛流れに合わせた実践的なマニュアルのような情報も発信していけたらと考えています。
髪技理容師としてのこだわり

バーバーなび:それでは、施術におけるこだわりについて教えていただけますか。
渡邉氏:空間づくりには特にこだわっています。当店の名前にもあるように、「Private Barber」としてお客さま一人ひとりにとってプライベートな空間をしっかりと感じていただけるよう、個室での施術環境を整えています。また、カウンセリングを通してお悩みやご希望をしっかり伺い、それに応じたご提案ができるよう常に心がけています。
バーバーなび:お客さまにとっても、非常に安心感のあるこだわりですね。
渡邉氏:はい、施術中でも「思い出したことがあれば、遠慮なくおっしゃってください」とお声がけするようにしています。最初の段階ではうまく要望を言葉にできない方もいらっしゃるので、そうした一言がきっかけとなってご希望を引き出せる場合があります。また、こちらからも「このあたり、ボリュームが出やすいですね」「この辺りに少しクセが出ていますね」といった形でお声がけをして、お客さまご自身も気づいていなかったお悩みを自然に言葉にしていただけるような空気づくりを大切にしています。
お客様へのメッセージ

バーバーなび:どのようなお客さまにご来店いただきたいとお考えですか。
渡邉氏:当店は、30代から60代の働き盛りの男性を中心に、学生の方々にもご来店いただいております。幅広い年代のお客さまに通っていただいているサロンですので、特定の層に限定するのではなく、年齢や職業を問わず、理容に関心のあるすべての方に気軽に足を運んでいただけたらと思っております。たとえば「美容室は少し緊張する」「周囲の目が気になる」といったお声をお持ちの方にも、個室の落ち着いた空間でリラックスしながら施術を受けていただける環境を整えておりますので、そうした点にも共感していただける方にこそご来店いただけると嬉しいです。
バーバーなび:個室という空間もとても贅沢で、そういった環境を求めている方には特に嬉しいポイントになりそうですね。
未来の理容師に向けたメッセージ

バーバーなび:理容師を目指す若い方々へ、メッセージをお願いできますか。
渡邉氏:理容は接客業ですので、人と話すのが好きな方はもちろん向いていると思いますが、私自身のように、もともとは会話に対して苦手意識を持っていた方でも、実際に現場に立って経験を重ねていくうちに、自然と楽しみながら働けるようになる仕事だと感じています。会話が得意でないからといって諦めるのではなく、少しでも興味を持っているのであれば、ぜひ一歩踏み出していただきたいです。理容師という職業は、将来的にも需要があり続ける職業と言われていますし、手に職を持つという意味でも将来的にきっと「やって良かった」と思えるはずですので、自信を持っておすすめしたいと思っています。
バーバーなび:学生のうちにやっておいたほうが良いことなどあれば、ぜひ教えてください。
渡邉氏:今はSNSの時代ですので、やる・やらないは人それぞれですが、早いうちから少しでも触れておくことは決して無駄にはならないと思います。どのようにスタイルを撮影しているのか、どのようなスタイルが求められているのかといった視点で、観察したり学んだりしておくと、将来必ず役立つはずです。SNSは、これからの時代において、自分自身の強みとして活かしていける大きな武器になる可能性があると感じています。
バーバーなび:素敵なメッセージをありがとうございました。