理容室スターズ ママのお顔剃りルーム 阿部 仁美

今回は、以前バーバーなびでご紹介いただいたTHNY by thankyouの山本さおりさんのご縁で、理容室 スターズママのお顔剃りルームの阿部仁美さんに取材の機会をいただいた。阿部氏は理容師歴11年。シェービングやエステを得意とし、肌へのやさしさを大切にしながら、細やかな技術と心配りで多くの支持を集めている。幅広い技術を活かしながら、安心感のある空間づくりにも力を注ぐ理容師だ。


CREDIT : Photo/Hummer 文/Hummer 編集/Manami(バーバーなび)

理容室スターズ ママのお顔剃りルーム 阿部 仁美

阿部 仁美

理容師歴:11年
出身校:東京理容専修学校
出身地:東京都
得意技術:シェービング・エステ
こだわり:幅広い施術に対応できるマルチな技術提供
趣味:歌

サロン紹介

まずはサロンへの道順をご案内する。戸部駅を出てセブンイレブン方面へ進んでいただく。セブンイレブンの横にレンガ調の建物「サンワビル」が見える。その2階が、お目当てのサロンだ。

京浜急行・戸部駅から徒歩1分の理容室 スターズママのお顔剃りルームは、たっぷりの蒸気を浴びながら受けるシェービングが特徴で、まるで肌をそっと撫でられているような心地よさを感じられるサロン。お顔だけでなく、襟足や耳まわりといった自分では手の届かない部分まで丁寧にケアし、敏感肌の方でも安心して受けられる女性のための特別な施術を提供している。

理容師を目指したきっかけ

バーバーなび:こんにちは。本日はよろしくお願いいたします。まず、阿部さんが理容師を目指されたきっかけについて教えてください。

阿部氏:よろしくお願いいたします。私はもともとアパレルの仕事に携わっており、女性のお客様に向けて洋服をご提案しながら接客を行っていました。ただ、長期的な視点で将来を考えた際に、家庭を持ちつつ継続していくには難しい点もあると感じました。お客様のお悩みを伺いながら洋服を提案するという接客の姿勢が、どこか理容という仕事とも通じる部分があるように思えたこと、また主人が一人で理容業を営んでいたため、手に職をつけてともに働くことができるという環境にも魅力を感じ、転職を決意しました。子育てとの両立や将来を見据えた働き方としても理容業は理にかなっていると考えたことが大きかったです。少し変わったきっかけかもしれませんが、他業種での経験があるからこそお伝えできることもあると感じており、それが今の自分の強みになっていると考えています。

バーバーなび:アパレルでの接客経験が、今の仕事にも通じていると感じられたのですね。

阿部氏:はい。これまでの接客は女性のお客様が中心だったため、理容業に入り男性のお客様と接する際は、最初こそなかなかうまく話ができず戸惑うこともありました。そこで話題作りの一環としてスポーツ新聞を読むようにするなど、自分なりに工夫しながら経験を重ねてきました。通信で理容師免許を取得する過程で、2人の子どもを出産しました。妊娠中の時間を勉強に充てられたのは幸いでしたが、一人目の出産後は一年間の休学を経ての復学となり、子育てとの両立は想像以上に大変でした。それでも全力で学び、資格を取得できたことは大きな自信となっています。免許取得後は、主人に「シェービングに専念させてほしい」と申し出て、フローシェービングの技術を学びました。結果として女性のお客様も増え、サロン全体の幅が広がったと感じています。

理容業界への思い

バーバーなび:理容業界全体に対して、どのような思いや考えをお持ちでしょうか。

阿部氏:理容業は、まだまだ伸びしろのある、可能性に満ちた分野であると感じています。私自身は女性のお客様を主に担当し、主人は男性のお客様を中心に対応していますが、男女それぞれ異なるニーズに応じた技術と接客が求められる中で、共通しているのは「シェービング」という技術が理容ならではの価値であるということです。理容師が担う役割は非常に幅広く、時代の変化とともに求められることも多様化していますが、その分だけ挑戦のしがいがあり、誇りを持てる仕事だと実感しています。近年では、スポーツ選手や著名人の方々が短髪のスタイルを取り入れるようになり、それに影響を受けた若い世代の間でもショートスタイルの人気が高まりつつあります。理容室を初めて訪れる若いお客様が、施術後に「こんな技術があるのか」と驚かれる姿に触れるたび、理容の可能性をあらためて感じます。その一方で、まだまだ理容の魅力が世の中に十分伝わっていないという現実も痛感しており、こうした取材を通して少しでもその魅力を広く知っていただけたらと願っています。

バーバーなび:女性のお客様、男性のお客様、男女それぞれ異なるニーズに応じた技術と接客が求められる中で意識されていることはありますか。

阿部氏:当店では、主人のスペースと私の施術空間を仕切りによって分けていますが、理容室に女性が足を踏み入れることに抵抗を感じている方は、まだ少なくないと感じます。そこで、ホームページも男女で分けて案内しており、エステをきっかけに来店される女性のお客様もいらっしゃいます。理容業のイメージについては、テレビなどで映る理容室の場面が白衣を着た年配の理容師という印象に偏っており、それが世間のイメージを固定化させている要因の一つかもしれません。洗練されたバーバーも多く存在しますので、「古くさい」などの印象だけで理容を避けられてしまうことのないよう、業界全体で意識を見直し、女性のお客様にとっても理容がもっと自然で身近な選択肢となるような環境を整えていけたらと考えています。

理容師としてのこだわり

バーバーなび:それでは、施術におけるこだわりについて教えてください。

阿部氏:この仕事に就く前の私は、自身の肌に対してあまり関心を持っていませんでした。たとえば中学生の頃は、肌が荒れていない状態の方がむしろ珍しかったのではないかと思います。そのため、メイクで隠す技術を身につけることに意識が向いていたのですが、土台となる肌の管理を怠れば、いずれ必ずその影響が表れるということを、自らの経験を通して痛感しました。同時に、正しいケアをすれば肌は確実に応えてくれるという手応えも得ており、そこに面白さを感じるようになりました。スキンケアの土台として欠かせないのがシェービングであり、その良さをお客様の立場に立ってお伝えできることが、私自身の強みであり、こだわりの一つです。常に目線の高さを揃えて向き合うという姿勢は、これからも変わらず大切にしていきたいと考えています。

バーバーなび:ご自身の経験から、シェービングの魅力を発信されているのですね。

阿部氏:はい。フローシェービングを取り入れるきっかけとなったのも、通常のシェービングで肌荒れを経験したことにあります。同じような悩みを持つ方も多いのではないかと感じたことから、安心して受けていただける技術を提供したいと考え、2年かけて資格を取得しました。また、使用する商材についても、作り手の顔が見えることを重視し、製造背景やコストの工夫まで直接伺ったうえで、納得したものだけを採用しています。こうした点もこだわりの1つです。とはいえ、この業界に入って10年が経ちますが、まだまだ学ぶべきことは多く、今後も知識と技術を深めていきたいと考えています。主人の理容とは切り分けて自分の道を歩ませてくれている夫の理解と支えにも、日々感謝の気持ちを持っています。

バーバーなび:実体験に基づいて選ばれた商材という点も、お客様にとって非常に安心感につながりますね。

お客様へのメッセージ

バーバーなび:どのようなお客様にお越しいただけたら嬉しいとお感じですか。

阿部氏:日々いろいろなお客様と接していますので、特定の対象を選ぶというよりは、どのような方にもご満足いただきたいという気持ちが強くあります。たとえば、リラクゼーションを求めて来られる方には、心からくつろいでいただける空間でお迎えしたいと考えていますし、楽しい時間を過ごしたいという方とは、施術中に笑い合いながら過ごすこともございます。成人式や結婚式などの人生の節目に合わせてご来店される方もいらっしゃいますし、治療に入る前の準備や、脱毛前の肌メンテナンスの一環としてご来店される方もいらっしゃいます。ご来店のきっかけはさまざまですが、そうした一人ひとりのお気持ちを少しでも軽くするお手伝いができればと考えています。中にはイベントをきっかけに来られ、その後は日常的なスキンケアの一環として通ってくださるようになったお客様もいらっしゃいます。結婚式の写真を持ってわざわざ報告に来てくださる方もいて、そういった出会いに立ち会えることは、この仕事をしていて本当にありがたいことだと感じます。理容という仕事は、お客様の生活や人生にそっと寄り添える、そんな尊い仕事だと思っています。

バーバーなび:年齢層も含め、幅広いお客様にご来店いただいているのですね。

未来の理容師に向けたメッセージ

バーバーなび:理容師を目指す若い方々に向けて、メッセージをお願いいたします。

阿部氏:技術を磨くことはもちろんですが、この仕事においては人間力を高めることが非常に大切だと考えています。理容室には年齢も職業も異なる多様なお客様が来店されます。お話をされるのが好きな方が来られた際には、ただ受け身で対応するのではなく、その方をもっと知りたいという姿勢で接することが、心地よい時間につながるのだと思います。お客様に「また来たい」と感じていただくためには、技術だけではなく、人としての在り方や、空間そのものが与える印象も含めた総合的な価値が求められます。その意味で、人間力を培うことは、この仕事にとって欠かせない要素だと感じています。

バーバーなび:阿部さんご自身のご経験の中で、それが生かされていると感じる場面はありますか。

阿部氏:はい。他の業界で働いた経験があることは、私にとって非常に大きな意味を持っています。学生時代も含め、社会の中で感じた理不尽さや難しさに向き合ってきたことが、今の接客における言葉の引き出しや柔軟な対応力につながっていると感じています。お客様と何度もお会いする中で自然と共通点が見つかり、信頼関係が育まれていく感覚もまた、この経験があるからこそだと思います。アパレル業界で培った接客力やクレーム対応のスキルなども、確実に今の仕事の中で役立っています。理容業界には大学を卒業してから入る方もいらっしゃると思います。そのような方の中には「もっと早くこの道に進んでいれば」と感じることもあるかもしれませんし、年下の理容師との関係性に悩む場面があるかもしれません。しかし、学生生活の中で得た経験や時間は、その人にしか持ち得ない価値であり、やがてお客様と接する中で確かな強みとなって表れるはずです。この仕事は、お客様に「ありがとう」と言っていただける、とてもやりがいのある職業です。時には、お客様の人生の背中をそっと押すような役割を果たす場面もあります。たとえば「これで明日のデートに行ける」とか「これでまた戦える」とおっしゃる男性のお客様もいらっしゃいます。そのような言葉に出会うたび、自分が誰かの前向きな一歩を支える存在であることを実感します。お客様の人生に寄り添い、信頼される理容師になるためには、目の前の仕事に真摯に向き合いながら、視野を広く持ち続けていただきたいと思います。この業界には、さまざまな想いを持ったお客様が来店されます。どんな方にとっても安心できる居場所であるために、人としての深みを持ち、心から寄り添う姿勢を忘れずに歩んでいただければ嬉しく思います。

バーバーなび:素敵なメッセージをありがとうございました。

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SHOP INFORMATION

  • 店舗名:理容室 スターズママのお顔剃りルーム
  • 住所:神奈川県横浜市西区戸部本町50-14サンワビル2階
  • 営業時間(平日):10:00-17:00
  • 定休日:月曜・日曜・祝日
  • 沿線:京浜急行電鉄本線
  • 最寄駅:戸部駅
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