髪 騎士(HAIR DESIGN KNIGHT)

今回は高田馬場エリアで理容室をリサーチしていたところ、髪騎士の神四郎さんに取材を受けていただけることになり、さっそくお伺いした。神四郎氏は、都内の一線でキャリアを積み上げ、著名人の施術も数多く担当してきた理容師。現在は、男が心からくつろげる完全プライベート空間で、“良い男づくり”をコンセプトに日々の施術に向き合っている。その腕を求めて足を運ぶのは日本人だけではない。確かな技術と美意識へのこだわりは、海外からのリピーターをも惹きつけてやまない。こだわりの空間で磨き抜かれた技を振るう、真の髪技理容師だ。

CREDIT : Photo/Yuki 文/Yuki 編集/Manami(バーバーなび)


髪 騎士(HAIR DESIGN KNIGHT)

神四郎

理容師歴:32年
出身校:埼玉理容美容専門学校
出身地:埼玉県
得意技術:ドライパーマ・デザインパーマ
得意スタイル:パーマを生かしたスタイル・フェードスタイル・縮毛矯正
こだわり:お客様の髪質骨格に似合うスタイル作り
趣味:散歩・旅行

サロン紹介

まずはサロンへの道順を案内しよう。副都心線・西早稲田駅の1番出口を出たら、明治通りに沿って直進。AOKIが目印の交差点を右折し、そのまま進むと、左手にえぞ菊ラーメンのある路地が現れる。その路地に入り少し進むと、右手に「髪騎士」が見えてくる。駅から徒歩およそ4〜5分の距離だ

店内に漂うレトロでノスタルジーな空気感が、まさに“大人の男の隠れ家”と呼ぶにふさわしい。細部までこだわった手作りの内装が魅力で、気品をまとったオーナーの美意識が空間全体に息づいている。ゆったりと流れる時間の中で、髪型だけでなく所作や生き方までも整えてくれる。ここは、ジェントルを求める男のためのサロンだ。

理容師を目指したきっかけ

バーバーなび:こんにちは。本日はよろしくお願いします。まず、神四郎さんが理容師を目指されたきっかけを教えてください。

神四郎氏:よろしくお願いします。若い頃は少しやんちゃをしていたこともあって、企業に就職するよりも手に職をつけて働きたいという思いが強くありました。身内に理美容業界で働いている人が多かったこともきっかけのひとつですし、もともとおしゃれが好きだったので、その延長線で理容師になりたいと思うようになりました。

バーバーなび:埼玉で学ばれたあとは、都内で経験を積まれたのですか。

神四郎氏:そうですね。渋谷のサロンに出て、当時は著名人を担当させていただく機会もあり、貴重な経験を積むことができました。うまくいかないこともたくさんありましたが、その経験があったからこそ、今こうしてこの場所でプライベートサロンを開業できたと思っています。

理容業界への思い

バーバーなび:理容業界全体について、どのような思いや課題意識をお持ちですか。

神四郎氏:理容師を目指す人が減っているという現状には寂しさを感じています。だからこそ、もっと魅力のある業界にしていかなければならないと強く思っています。この仕事は人と直接関わるからこそ面白さがあるし、お客様一人ひとりと長く付き合っていけることが魅力だと思います。どんな仕事にもやりがいはありますが、理容にやりがいを見いだせた人は、きっと長く続けていけるはずです。稼ぐというのは、自分のファンを増やすということ。そのためには、技術だけでなく、人間性も問われると思っています。

バーバーなび:今後、取り組んでいきたいことはありますか。

神四郎氏:今は、人を育てるのが本当に難しい時代だと感じています。だからこそ、自分自身が背中を見せながら、「理容はこんなにも魅力のある仕事なんだ」と伝えていくことが大切だと思っています。変化を恐れず、柔軟に挑戦していける人材が求められている一方で、今の業界には現状維持を選ぶ人が残りやすくなっているという印象もあります。それでは活気は生まれません。だからこそ、自ら発信し続けることで、理容の面白さや奥深さに気づく人が一人でも増えてくれたら嬉しいです。業界という枠にとらわれず、その外側へ飛び出していけるような存在が現れてほしい。そんな願いを常に持っています。かつては“カリスマ”として注目される理美容師もいましたが、そうした存在が一過性のものではなく、もっと長く続く文化になっていけばいいと考えています。たとえば、子どもが「宇宙飛行士になりたい」と思うのは、小さい頃からその職業に夢や憧れを抱いているからですよね。理容師も同じで、たくさんある理容室の中で、どこに魅力を感じるかは人それぞれです。だからこそ、個々が努力して存在感を示していくことが大切です。情報があふれている今の時代だからこそ、流されず、自分たちで理容の魅力を発信していく姿勢が必要だと感じています。

バーバーなび:バーバーなびとしても、理容師お一人おひとりにスポットを当てて魅力を伝えていけたらと考えています。

髪技理容師としてのこだわり

バーバーなび:それでは、サロンとしてのこだわりを教えてください。

神四郎氏:一言で言えば「居心地」ですね。男性にとっての贅沢は、いかにストレスをリフレッシュできるかだと思っていて、そのために音楽や空間づくりには特にこだわってきました。この場所も、実はお客様に紹介していただいて出会えた場所なのですが、本当に理想的な空間をご紹介いただけたと感謝しています。隠れ家的な雰囲気がありながらも、男性がゆったりとくつろげる場所にしたいという思いで、自分の遺産をすべて注ぎ込み、手作りでつくり上げました。だからこそ、この空間で心を開放して過ごしていただけたら嬉しいです。

バーバーなび:入店した瞬間から、空間のかっこよさと神四郎さんのこだわりが伝わってきました。

神四郎氏:ありがとうございます。最近は無機質なサロンも増えていますが、僕は“男のサロン”っていう雰囲気が好きなので、過去のサロンではスタッフと一緒にカウンターを手作りしたこともありましたし、これまでつくってきたサロンもすべて手作業で仕上げてきたのでどのサロンにも思い入れが詰まっています。そんなこだわりをお客様にも感じていただけたら嬉しいですね。

お客様へのメッセージ

バーバーなび:どのようなお客様にご来店いただきたいとお考えですか。

神四郎氏:この空間に共感し、「いいな」と感じてくださる方にお越しいただけたら嬉しいです。スタイルの好みは人それぞれですが、なかでもダンディで、成長意識や美意識の高い方にご来店いただけると、こちらも刺激を受けますし、施術をしていてとても楽しいです。“イケおじ”や“ジェントル”といった、芯のある大人の男性が集まるサロンにしていきたいと考えています。

バーバーなび:サロンのイメージにもぴったりですね。

神四郎氏:ありがとうございます。目指しているのは、“ジェントルをつくるジェントルマンが集まるサロン”です。実際に、そうなろうと意欲を持って来てくださるお客様が多くいらっしゃることを、とても嬉しく思っています。

未来の理容師に向けたメッセージ

バーバーなび:では最後に、理容師を目指す若者に向けたメッセージをお願いします。

神四郎氏:世の中には多くの職業がありますが、その中でも理容師は、一生をかけて“良い男づくり”に向き合える数少ない仕事だと思っています。お客様の心に触れ、長く信頼関係を築いていける職業は、そう多くはありません。だからこそ、人間力を高めようという意識を持てる人でないと、長く続けていくことは難しいとも感じています。人をきれいにしたいと思うなら、まずは自分自身の姿勢や意識を整えることが大切です。そういった前向きな気持ちを持った方が、この業界に飛び込んできてくれるのを楽しみにしています。そしてそのためにも、理容業界全体のベースアップが必要だと感じています。理容師という職業の認知度をもっと高め、産業としてもより豊かなものにしていけたら嬉しいですね。

バーバーなび:本日は貴重なお話をありがとうございました。

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