Barber Heroz Studio 渡邉 博

今回は以前バーバーなびでご紹介させていただいたLAID BACK BARBERSHOPの伊藤 慎吾さんにご紹介いただき、Barber Heroz Studioの渡邉 博さんを取材させていただいた。渡邉氏は理容師歴18年。都内の専門学校を卒業後、カナダ・トロントでも技術と感性を磨き、現在は一人ひとりに寄り添うマンツーマンサロンを営む髪技理容師である。


CREDIT : Photo/Yuki 文/Yuki 編集/Manami(バーバーなび)


Barber Heroz Studio

渡邉 博

理容師歴:18年
出身校:中央理容美容専門学校
出身地:千葉県
得意技術:マッサージ
得意スタイル:ショートスタイル
こだわり:お客様の求めるイメージやニュアンスを、的確に汲み取りスタイルへと落とし込むこと。
趣味:農業・ダンス

サロン紹介

まずはサロンへの道順を案内しよう。駅から徒歩およそ6分、JR横浜線・橋本駅北口を出たら、大通りを直進し、「橋本駅入口第二」の信号を右折。右手にローソンが見える交差点を左折し、斜めに進む。左手に「ほーむばるITADAKI」が見えたら左折すると、右手に当サロンに到着だ。

店内は、クラシックな空気と温かみのある内装が調和した空間で、カナダのバーバーショップに着想を得たデザインが特徴だ。ふらっと立ち寄れる親しみやすさと、一席のみのプライベート感をあわせ持ち、周囲を気にせず静かに自分を整える時間が過ごせる場所だ。

理容師を目指したきっかけ

バーバーなび:こんにちは。本日はよろしくお願いいたします。まずは、渡邉さんが理容師を志すようになったきっかけについて教えていただけますか。

渡邉氏:よろしくお願いいたします。理容師を目指した理由は、父の影響が大きかったと感じています。進学に際し、「専門学校へ行くのであれば学費を援助するが、大学に進む場合は自分で負担するように」と告げられました。大学生活に対する憧れもありましたが、その言葉を受け、専門学校への進学を決意したことがきっかけです。

バーバーなび:SNSを拝見したところ、ワーキングホリデーに行かれたご経験があると伺いました。そのあたりについても、ぜひお聞かせいただけますか。

渡邉氏:はい。29歳という制度の利用可能な年齢の最後のタイミングで、ワーキングホリデーを活用し、カナダ・トロントへ渡航しました。現地では約4年半にわたり、理容技術のみならず、感性や接客の在り方など、さまざまな面で多くの学びを得ることができました。一度帰国した際には、少しの間理容の仕事から離れ、ホテル業に携わっていた時期もあり、その期間のおかげで色々な気付きがあり、ヘアスタイリストとしてトロントにて出店の目標を掲げ、再チャレンジしに向かいました。以前お世話になっていたバーバーで再び働かせていただけることになり、再渡航というかたちで理容の仕事に復帰することができましたが、その後、世界的なコロナ禍の影響を受けてやむを得ず帰国することとなりました。帰国してからは不思議なご縁が重なり、現在のサロンと出会うことができ、立地や条件も自然と合致したことで、まるで導かれるように今の環境にたどり着けたことを、たいへんありがたく感じています。

バーバーなび:まさに運命的な出会いだったのですね。

理容業界への思い

バーバーなび:理容業界全体に対して、どのような思いやお考えをお持ちでしょうか。

渡邉氏:若い世代に対して厳しい意見が語られることもありますが、私自身は現在ひとりでサロンを運営しているため、直接若手と関わる機会は多くありません。それでも、業界全体の動きを見ていると、若い方々の仕事に対する姿勢や育成環境について、少し気になる部分があるのも事実です。時代の流れの中で指導のスタイルも大きく変化し、かつてのような教え方が難しくなってきています。ただ、人を育てるという点においては、一定の厳しさや責任感が必要ではないかと感じています。

バーバーなび:時代に合わせた柔軟な姿勢を持ちつつも、育成における大切な要素は見失わないようにしたいところですね。

渡邉氏:そうですね。最近では、ひとりで営業するサロンが増えているのも、育成や人材確保の難しさに起因しているのではないかと思います。特に、技術習得の途中段階にあるスタッフに対しても責任を持って対応しなければならず、突然辞めてしまうこともあると聞きます。そうした中でも、若い世代を迎え入れて丁寧に育てているサロンを見かけると、本当にすごいと感じますし、尊敬しています。

髪技理容師としてのこだわり

バーバーなび:それでは、渡邉さんのこだわりについて教えていただけますか。

渡邉氏:私はこの地が地元ではないため、まずは地域に受け入れていただける存在になりたいと考えました。そこで、あえて金髪にすることで少し異質な印象を持たせ、実際にご来店いただいた際には「思っていたよりも良かった」と感じていただけるようなギャップを意識するようにしています。

バーバーなび:地域とのつながりを大切にされているのですね。先ほども店頭で近隣の方々と挨拶を交わされている様子を拝見し、地域の皆さまに親しまれているのだと感じました。

渡邉氏:ありがたいことに、ご年配の方々からも温かく接していただいており、日々感謝の気持ちを持って仕事に向き合っています。ゼロからのスタートで始めたサロンも、今年で5年目を迎えました。そうした背景があるからこそ、より一層、地域の方々に対して真心を込めて接したいという思いが強くなりました。この仕事は年々魅力が増し、心から楽しいと感じることができる業界です。バーバースタイルが流行し始めた頃からその魅力に惹かれ、以来ずっとこだわりを持って磨き続けてきましたが、お客様一人ひとりのライフスタイルに寄り添い、自分の好みを押しつけることなく、フェードの幅やシルエットの微調整など細かな部分にも配慮しながら、最適なスタイルをご提案できるよう心がけています。

バーバーなび:とても雰囲気の良いサロンですが、現在のような空間は最初から構想されていたのでしょうか。

渡邉氏:ありがとうございます。現在のサロンは、その時々のインスピレーションによって少しずつ形づくられてきたものです。トロントで得た要素を取り入れたいという想いは当初からありましたが、それに加えてお客様からいただいた品物を飾ったり、ご要望を反映させたりすることで、現在の空間が完成していきました。中には実家に保管されていた小物などもあり、そうした一つひとつがサロンの雰囲気をつくる大切な要素になっています。

お客様へのメッセージ

バーバーなび:どのようなお客様にご来店いただきたいとお考えでしょうか。

渡邉氏:ご自身に似合う髪型が分からない方や、くせ毛など髪質に悩まれている方にこそ、ぜひお越しいただきたいと考えています。こちらからお客様を選ぶということは決してありませんが、そういったお悩みを抱えていらっしゃる方には、自信を持ってご提案ができると思いますし、少しでも解消の手助けになれたら嬉しいです。

バーバーなび:これまで積み重ねてこられた豊富なご経験が活かされているのですね。

渡邉氏:私のサロンはマンツーマン形式ですので、プライベートな空間の中で安心してご相談いただける点も魅力のひとつです。この空間を気に入って通ってくださるお客様がいらっしゃることに、日々感謝しています。

未来の理容師に向けたメッセージ

バーバーなび:それでは最後に、理容師を目指す若い方々へメッセージをお願いいたします。

渡邉氏:この仕事は、何よりも技術が第一です。現在の技術に満足することなく、常に流行やスタイルの変化に目を向けて、アップデートを続けていく姿勢が大切だと考えています。そうした学びや研究を苦しいものと捉えるのではなく、楽しんで取り組めるようになれば、この仕事はより一層やりがいのあるものになると思います。お客様の目も年々肥えてきていますので、技術が伴っていなければ継続して通っていただくことは難しいです。しかし逆に言えば、確かな技術を身につけていれば、料金に見合った価値を感じてくださる方が必ずいらっしゃいます。どうか現状に満足せず、技術を磨き続けていってください。

バーバーなび:本日は貴重なお話をありがとうございました。

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